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【北欧視察】リハビリテック先端研究を社会実装する

この日はVirtual Lab for Social and Health Careというタンペレ応用科学大学と連携した企業を視察。
その名の通り、大学で研究開発したテクノロジーを医療製品や社会実装に結びつけている大学発の企業です。

ここに所属する技術責任者エンジニア理学療法士がそれぞれ解説したり質問に答えてくれて、とても有意義な時間を過ごしました。

リハビリテーションに先端技術を取り入れるためには、現場経験の豊富なリハビリ専門職と、彼らの治療技術をプログラムに落とし込むエンジニアが協働する必要があります。もちろん一つのシステムとして完成させるにはプロジェクトマネージャーが必要だし、医療データを用いるなら法規に詳しい人材も必要かもしれません。

ゲーミングリハは日本の得意分野と思っていたが、フィンランドもゲーム産業は強く、
リハビリテーションへの応用も盛ん。

彼らはタンペレ応用科学大学の研究室で生まれた数々のアイデアを、医療職やエンジニアなど、分野をまたいだ専門家たちがチームを組んで取り組むことで、優れた製品、優れたサービスとして完成させます。そして、それを企業とつなぐことでいち早く社会に実装に繋げていきます。

実はフィンランドに渡る前、この企業を視察することは決まっていたので、ウェブページを隅から隅まで予習しました。このウェブページには、各製品を扱っている企業のページに飛べるように、製品ごとにURLが貼ってあるのですが、その一つ一つを開いて企業ページ、製品ページを見て回るのは、非常に根気のいる、時間のかかる作業でした。

AIが心拍データを自動解析する

しかし、それらすべてを見て、日本で取り組まれている研究や試みと照らし合わせてみると、決して日本に比べて目玉が飛び出るような、めちゃくちゃ革新的な事が行われているという訳ではありません。

ところが、実際に現地で視察をして話を聞いてみると、明らかにそれらの製品やサービスは社会に実装され、人々の暮らしに溶け込み、人々の役に立っています。

研究レベルはほぼ同じなのに、実際の社会に役立てられていない日本と、どんどん社会にリリースされ役立てられているフィンランド。その違いは何なのか。

遠隔投薬管理システムと投薬ロボット。一回分のお薬セットが自動で出てくる。
一定時間お薬セットが受け取られなければ、服薬されていないと判断され、
自動で引っ込んで薬剤師に情報共有される。

欧行中、医療通訳を務めてくれたY氏が重要なヒントをくれたので、次の記事ではその話をしたいと思います。

Virtual Lab for Social and Health Careのウェブページを見ると、多くの製品が紹介されているので、是非とも覗いてみてください。

360度の没入空間は訓練のみでなく教育や認知症ケアにも応用可能
上部センサーが人の動きを感知しシステムに反映させる

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