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わたしのかくれ里をさがして〜いざ切山、平家のかくれ里de朝活しました〜前編

秘境と呼ぶほど人里離れた山奥ではなく、ほんのちょっと街道筋からそれた所に、今でも『かくれ里』の名にふさわしいような、ひっそりとした真空地帯があり、そういう所を歩くのが、私は好きなのである

かくれ里 白州正子

白州正子さんの著書『かくれ里』は、近畿の古い寺社や小さな里山など、後世に残したい風景を正子さん自身が探して訪れ、美しい感性で書き記した随筆です。

私が独身時代にハマった本のひとつで、読んではその場所に行って正子気分(あえて呼び捨てですいません🙏)に思いを馳せ、浸るという、少々マニアックな楽しみ方をしていました。

そして、なぜ、今、白州正子さんなのかというと?
珍しく大掃除をしていて(掃除結構嫌いなもんで)白州正子さんの本を見つけたからでした。

そういえば、四国中央市にかくれ里ってあるのかな?

懐かしいなぁと本を手に取った瞬間、そんな考えがふと浮かびました。掃除をやめてゴロゴロしながら考えていたら、なんと、私にひらめきの神が降りてきたのです。

四国中央市には、切山地区という平家落人伝説の残る里山があるじゃないかー!!!ないかー!!いかー!!

切山が美しく見渡せるスポット

切山地区、どのへんにあるのかというと、愛媛と香川の境目にあります。

またもや性格がわかるほど大雑把な地図

今回は四国中央市の切山を特集しよう!と思い立ち、電光石火の如く準備を始めました。が、調べれば調べるほど、もっと知りたい!という欲求が次々と湧いてきます。私の知識や経験だけでは、切山の良さは、なかなか伝わらないと思い、切山のことをよく知っている方を召喚しようと考えました。

そういえば、村上さんのご主人さんが切山のことよく知ってたような。(村上さんとは、いつもお世話になりまくっているステキなライターさんです。)

今回、お願いしてみようかな?でも、村上さんにはいろいろとお世話になってばっかりだし、悪いかなぁ?なんて考えて右往左往した結果、

助けてぇ〜、村上さぁ〜ん(ド●えも〜ん)

とソッコーでライン送ってました。すいません。
でも、そんなダメダメな私に二つ返事で、協力して頂いた村上さんご夫婦。感謝しかありません🥲ありがとうございます。

9日の切山にこにこ市にて真鍋潤さん(真鍋家の現当主の方)をご紹介致します。

村上さんのご主人さんより

なんと切山のお話をきけるだけでなく平家落人の御子孫である真鍋家の当主の方ともお話ができる機会を頂けることとなりました。う、うれじい!!!

真鍋家、切山にある国の重要文化財に指定されている古民家

実は、高校生の頃から疲れたときは、切山の真鍋家に通って癒されていた私。当主の方にお会いできることが嬉しすぎて、前の晩は、なかなか寝つけませんでした。俗に言う、修学旅行前日あるあるです。
ギンギンになって眠れないので、ここで、切山がかくれ里になった由縁を簡単に紹介したいと思います(むりやり)

そもそも、なんで切山は、かくれ里と言われるようになったのか?

時は平安、源平合戦の最中、栄華を極めた平清盛も死んでしまいます。京都を追われ、一ノ谷の戦いに敗れた平氏は、幼い安徳天皇(清盛の外孫で5歳〜6歳、平家の血を引く天皇)を安全なところへ移そうと阿波国(徳島)の祖谷にかくれ住みました。

しかし源氏の軍神とも言われる源義経が徳島に来るという噂を聞きいて、やばい!こうしちゃいられねぇ!と
田邊太郎・平清国(清盛の外孫)
真鍋次郎・平清房(清盛の八男)
参鍋三郎・平清行
間部藤九郎・平清重
伊藤清左衛門国久
以上、五士のメンバーで、さらに安全な土地に安徳天皇をお連れしようということになりました。

そんな五士が幼い安徳天皇を連れて、たどり着いたのが、香川県と愛媛県の境目でもある、今の四国中央市の切山地区です。安徳天皇は、ここ切山で半年間、過ごしたと伝えられています。

その後、屋島の戦いの前に、山口の方へ安徳天皇をお移ししようと考えて、平知盛(清盛の四男)らが迎えにきます。五士は、安徳天皇を香川の須田の浦まで見送りに行ったのですが、徳島の田内氏が源氏に寝返ったことを聞いたので、別れて田内氏と戦いに徳島へ行きます。
しかし、敗北。
命からがら切山に引き上げて(その最中に平清房は戦死😭)かくれ住み始めたと伝わっています。そしてこれらのお話は、言い伝えではなく、真鍋家に伝わる古文書『田邊家系譜』に書かれていた内容でした。

田邊家系譜(写本)真鍋家所蔵

ザックリとしたご紹介で申し訳ありません。何はともあれ、これらの内容が切山が平家落人のかくれ里と言われる由縁につながりました。
そして、この時代説明がなかなか難しいんですよね。語り出すと止まらないので要点のみをお伝えいたしました。時代背景を手軽に、とにかく楽しく知りたい方は、松山ケンイチ主演の大河ドラマ『平清盛』と小栗旬主演の『鎌倉殿の13人』をみることをオススメします。もれなく源平沼にハマって出られなくなります。無論、私も今だに出られていません。

本題に戻りまして、コッコケッコーよが明けました。すこーし寝不足ですが、気分は爽快!!

いよいよ、切山のにこにこ市に向けて出発です。

9時頃のにこにこ市の様子

ついた瞬間、賑やかな市場の光景が飛び込んできました。山奥だけど人がたくさんいる!なんて、ちょっと失礼なことを思ってしまい、すいません。でも本当に、お祭りのように人が来る!!活気がある風景がそこに広がっていました。

にこにこ市は今回で299回目の開催だそうです。平成8年からずっと守り続けてきている市で、地域住民の方々の交流だけでなく、県外からも訪れる人も増えてきているようです。よく見ると県外ナンバーや、自転車、バイクで訪れる方々がたくさんおられました。

11月には、300回目を祝して記念品も配られる予定です

そして、11月13日の日曜日の午前8時〜
記念すべき300回目のにこにこ市があります。
素敵な1日の始まりに、天空の朝市で朝活を、ぜひ!!

村上さんのご主人さんが制作している笑顔になるチラシ

名物を聞くと、切山で育った豚さん(参鍋養豚場)の串焼きがおいしいとのこと。無類の豚さん好きな私は、まず串焼きを購入しました。

ボリューム満点の豚さん🐷

とても美味しいです。シンプルな味付けが豚さんの旨味を引き出してくれて、噛み締めるたび、旨味爆発です。

とっても優しい串焼き屋さん

お祭りなんかだと串一本500円くらいしたイメージですが、にこにこ市では350円、安いし、美味しい!!ビールも飲みたくなる程の🍺逸品!!

旦那さんはG.B.Cさんのコーヒーを購入しました。爆ドーナツは、早朝行ってもソッコーで売り切れるくらい人気があります。

心まであっか〜くなる珈琲

G.B.Cさんのコーヒーが美味しいことは、ご存知だと思うのですが、山で飲むとまた格別です。朝の澄んだ空気の中で緑に囲まれておいしい珈琲を飲む。少し肌寒いのがエッセンスとなり贅沢すぎるひとときを味わえます。

採れたてのお野菜たちが並ぶ、自家製の梅干しも美味しい
参鍋さんの切山卵を使用した手作りプリン

他にも、参鍋さんの平飼い切山卵、採れたてお野菜、手作りプリン、手作りの小物などなど、たくさんの美味しいものや掘り出しものがあります。なんといっても、地元の方と楽しく話しながら、お買い物ができるのが嬉しいポイントです。月に一度(第二日曜日)の開催ですが、今流行りの朝活にはぴったりだと思いました。早起きしたら、にこにこ市で朝活して、有意義に1日を過ごすのをオススメします。
そして、次回の後編記事にて、詳しく紹介させていただきますが、切山の名所のひとつでもある『生き木地蔵のお守り』もありました。

子どものお守りだそうです。

中には、生き木地蔵様の印と改修工事のときの木のカケラが入っています。我が家もやんちゃ坊主がいるので購入させていただきました。

本題を忘れてしまうのではないかと思うほど、にこにこ市を楽しんだ我々は、村上さんのご友人で自治会長でもある参鍋さん(参鍋三郎平清行さんのご子孫)に案内していただき、真鍋潤さん(平清房さんのご子孫で真鍋家の現当主の方)に、お会いすることができました。

左から村上さん、真鍋潤さん、参鍋修一さん、真鍋博さん

しかし、上記にもあるように、にこにこ市を満喫しすぎて、記事が想定より長くなってしまいました。お待ちかねの潤さんなのですが、中編にて潤さんへのインタビューと共に国の重要文化財に指定された真鍋家の様子や、後編では、参鍋さんに案内役をしていただき、3歳の息子と行った『いざ切山!平家伝説、切山の名所たち』をご紹介したいと思います。

次回予告1)チャーミングでワイルドな参鍋さん
次回予告2)歩くつったのに、全然歩いてくれない息子

切山の素敵なところを、紹介したくてウズウズしておりますが、次回も目を通していただけると嬉しいです。

最後に、素敵なイベント『ほっこり音楽会』を教えて頂きました。

潤さんのお隣の素敵な女性はボランティアグループわおん〜♪の深川さんです。たまたまお会いすることができました。深川さんは、児童クラブなどでも読み聞かせのボランティアをされていて、紙芝居や絵本は、子供も夢中になって聞き入り、大人も一緒に感動するほど、素晴らしいと児童クラブで働く母が絶賛していました。

潤さんと深川さん

11月18日にしこちゅうホールにて、わおん〜♪さん主催の『ほっこり音楽会』が開かれるそうです。今回は、生き木地蔵様の物語をつくられたそうです。とても癒されそうな素敵なイベント♪奮ってご参加ください。

無料だそうです!

では、中編(重文真鍋家)に続く  

後編(切山遺跡巡り)はコチラ


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