見出し画像

挑戦!キューバ料理!!

その昔、私は戸塚の方で住宅の營業をやっていたのですが、その時代に當地でキューバからいらっしゃった方が經營されているキューバ料理のお店で食事をした折、その料理が實に旨かった記憶があり「いつかは自分にも出來ると良いなぁ…」と密かに思い續けていたキューバ料理を作ってみました。

そのキューバ料理店の店主さんはとても明るく社交的な方で折しも野球の国際大会があり、日本が初代王者になった時代の事でありますが、店主は走塁の身振りを見せ「ニホン、ハヤイ!」と言うと續いて打撃の素振りをし「キューバ、ツヨイ!」と發言。
「どっちが勝っても五分と五分だ」と云うこちらの返事を奥さんに訳してもらい、お互いに試合前の健闘を祈ると云った温かな交流があったものでした。
イチャモンや惡口を言う事ばかりに躍起になる「どうしようもない聯中」とは大違いです。


さてそんな思い出のあるキューバ料理ですが、全く以ってその方面の知識が無く、店で食べた料理の名前すら憶えていない次第でありまして、僅かに残った「野菜や肉が煮込んであった旨い混ぜご飯」と云う断片的な記憶だけを頼りに文献を漁っていたところ、遂にそれらしき物を發見。
此度製作と相成り申した次第でございます。

その名も「ロパビエハ」と云う名前のキューバ料理でございます。
西班牙語で「古着」を意味するところらしいのですが、そのほころびた外見が料理のイメージと重なる為に附いた名だそうです。

外国の料理となるとそれなりに特殊な食材が必要かと思われますが、日本で手に入る物で充分に作る事が出來ます。

諸々の資料には色々な工程と段取りが事細かに記されていますが、要は「具材を炒めてトマト缶で煮込んで調味料で味附けすれば出來上がり」と要点を纏めて割り切って考える事に致しております。
忠實に作る事を目指すとキリが無いので、それなりに忙しい毎日の食生活に於いて私は「それなりに再現に努め且つご家庭で手輕に出來る」を旨としております。

以下、製作内容でございます。
尚、毎度の事でございますが各材料の分量はいちいち計量していないので全て「適量」とし、各人の好みに依りて創意工夫あるべしと云うところでございます。

材料

●牛肉(小間切れやスジ肉が宜しいでしょう)
●玉葱、ピーマン等の野菜
●ニンニク
●トマト罐

調味料

クミン、チリパウダー、塩・胡椒、ローリエ
オリーブオイル、赤ワイン(有れば適宜)

工程

1、具を炒める
鍋に油を敷き、先にニンニクを炒めて香りを出します。
肉を炒める時にワインを少し入れると味が宜しくなります。
鍋から炎が上がり、にわかにも一流の料理人になった様な氣分になれます。

2、トマト罐と水を入れて煮込み調味料で味附けする
カレーと同じ位の粘度になる様に調整します。
ローリエもあれば煮込む際に入れると宜しかろうと存じます。

3、ご飯にかけて出來上がり
この時に別に茹でておいた野菜を添えると華やかになります。
オリーブオイルを少量加えると香りも引き立ちます。

キューバ1

スパイスの香ばしい香りがキッチンを包みます。
カレーに似た外見ですが、その風味は全然違います。

キューバ2

隠し味に、やはりコレです。
日本で市販されているデスソースでは2番目に辛くない種類ですが、南米はコスタリカ産の唐辛子が使われており、サルサ風味で中々旨いのです。

キューバ3

あの時、お店で食べた料理もこんな感じで一つの大皿に載っていました。
店主曰く、これをまぜこぜにして食べるのが「ツウ」との事です。
早速ご飯と一緒に食べてみると、あの風味だったかと過ぎ去りし頃を思い出します。
そしてあのキューバ人の店主は今もお元気かなと…、感慨深くなる様でございます。

キューバ5

こう云う料理にはやはり赤ワインがよく合います。
一寸お洒落なデカンタに入れて呑めば、南米の島國を走る心地良い海風が吹き抜けてくる様でございます。
こうして異國情緒を夕飯の食卓で味わうと云うのはとても面白い事です。

キューバ6

食後の珈琲も忘れずに…。
今回の豆はキリマンジャロにコロンビアをブレンドした少々の酸味とコクのある苦味が特徴の一杯となっております。
舶來品のチョコレートに珈琲はとてもよく合います。

尚、小皿に乗っている巨大な珈琲豆の様な物軆は以前寝台車に乗って岡山を旅した際に賈ってきた備前焼の焼き物で、これを珈琲の中に入れて暫く置くと味がまろやかになるのです。
また、ついでに右端のシャベルの様なティースプーンは佐渡金山で賈った物です。金色をしたカレー用のスプーンと銀色のティースプーンのセットです。

折角の自炊なので、その料理も面白く、食事は樂しく、思い出は美しくと云うところであります。
キューバ料理は他にも面白そうなお品書きが澤山見受けられましたので機會があればまた作ってみたいと思っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?