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#25-08 新若人におくることば③「内容は分りよく、親切に徹することである」

こんにちは、採用担当レイです。
先月、社員集会がありました。第1部はオンラインの開催で、2023年度の実績と2024年度の目標、今後の社の方針について発表がありました。また、社の業績向上に寄与した社員の功績を称え、社長賞をはじめ各賞の授与が行われました。第2部のケータリングパーティー(自由参加)では、久々に直接顔を合わせる社員も多く、楽しいひとときとなりました。

↑感染対策のためカップディッシュがずらりと並びました

さて、前回に引き続き、コーナー新・若人におくることば」をお送りします。当社の代表取締役会長である生駒が、社内報に定期的に寄せていたコラム「新・若人におくることば リラックス」を再編集して構成したものです。

それでは第3回、始まります!


「旺文社 事業の方針」

今回も創業者・赤尾好夫の制定した「旺文社 事業の方針」から興味深いものを取り上げてみます。 

方針12 「内容は分りよく、親切に徹することである」
読者はつねに分り易く、親切で、興味深く学べる内容を求めている。読者の層と程度にマッチした、真に役だつ、ためになる本をつくることが読者へのサービスとなる。魅力あることと俗悪とは別である。

「旺文社 事業の方針」

「 内容は分りよく、親切に 」一見当たり前すぎてさほど心に響かない印象です。しかしここには、出版や仕事にとっての大いなる真理が含まれていると思います。

「わかりやすさ」が人を引きつける

学習書をわかりやすくするというのは、当たり前のことというより、わかりやすくつくることが編集の最大の目標と言っていい。学習書というものは、わかりやすさを競っていると言い換えてもよいと思います。人は、いろんなシーンにおいて情報に接する。わからないものはよくないものと感じ、わかるものはいいものと感じる傾向がある。わかりやすい政治家が人気を集め、わかりやすい通販で物が売れる。わかりやすい予備校講師がスターになり、わかりやすい経営者に人はついてくる。

わかること=快感

なぜ、わかりやすいことが人のこころを引きつけるのでしょうか? わたしは思います。「わかることは快感なのだ」と。勉強のようにさほど楽しくないことで快感を得られるとしたら、素晴らしいことじゃないですか。どんどん勉強が進むに違いありません。

難解な映画でも魅力的なものもあります。大体においてその謎は最後には回収されます。「回収=わかる」ですね!

本のタイトルでもわかることは大切です。たまに企画会議で謎な造語のタイトルが提案されることがあります。編集者曰く「なんだろうと思わせて、手に取らせるんです」と。それは机上の空論です。書店の売り場でタイトルの回収を試みる人は稀でしょう。

とはいえ学参の世界では、「ポレポレ」とか「プラチカ」とか謎なタイトルで人気の学参があります。これがどうやって広まったのかわかる人は是非教えてください。余談でした。

わかりやすくするためのヒント

ここでひとつ、わかりやすくするのにはどうしたらいいかというヒントです。

企画者は、全てを知っている。
読者は、何も知らない。

これを前提にものを考えようということです。ここで言う企画者とは執筆者であり編集者です。わかっている頭で読むとかんたんにわかる文章も、わからない人にとっては難解に感じるかもしれません。時々学習者になったつもりで原稿やレイアウト、装幀などを見直しましょう。当たり前のことですが、意外にできていないことが多いのです。企画会議に出てくる装幀案など見ているとそう感じます。

最後に、わたしが大切にしているわかりやすさの格言(生駒作)をお話します。

わかりやすさの究極の形は「ワンパターン」である。

映画を観ると最初は、何が起きているのかどういう意味なのかわからないことが多い。初めて見る動画なんかもなかなか本題が始まらなくてイライラすることがあります。しかし、いつもみているTV番組。例えば『笑点』『チコちゃんに叱られる!』『ブラタモリ』などにはそういうことがない。毎回同じようにワンパターンで番組が進行するからです。ワンパターンの番組は、観る人が構成や人物設定を改めて理解する必要はありません。それは最初から承知しています。だから内容に集中することができるのです。

学習書も同じです。読者を迷わせない、学習しやすい、これだというワンパターンを見つけて、それをシリーズ化してどんどん広めていく。これが学習書づくりの王道なのだと思います。

さあ最高のワンパターンを追求しましょう! 「俺のワンパターン」はこれだ!


本日もお読みいただきありがとうございました。

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