長期投資は一生に一度しか経験できません
コロナショックの狂騒とV字回復の興奮(?)も冷めやらぬ2020年の8月に、カン・チュンドさんのブログで見た言葉です。私はこのフレーズが好きで、今でもたまにツイートしています。
長期投資ができるのは一生に一度きり。とても含蓄のある言葉だと思いませんか。
長期投資のやり直しは難しい
最低でも20年や30年を長期投資の1つのスパンとするならば、長期投資は一生に一度しかできない、と言ってほぼ差し支えないでしょう。
しかもその期間の大半は、ほとんどの人が、自分の時間と頭脳とエネルギーを売って"お金を稼ぐ期間"と重なります。
長期投資の"やり直し"をしようと思ったときにはすでに、まとまった安定収入が無い年齢に突入しているかもしれません。そこから長期投資をまたやろうとしても、若い頃ほど資金を拠出できないかもしれませんし、やがて別の問題、"老い”など健康との闘いにも直面します。
長期投資はストレス?
現実の世界の常識と投資の世界のメカニズムは、合致しないことが多いですよね。
証券投資について特別な訓練を受けていない普通の人が、そんな中に飛び込んで、長期的な目線でじっくりと落ち着いた投資をしていくのは、とても難しいことなんだと思います。
学校の勉強も、ビジネスの世界も、人間関係の問題も、世の中のほとんどの事象がスピードを求められます。そして大半のことがある程度短期間でカタがつきます。誰もが実体験として持っている感覚だと思います。
いっぽう長期投資は、すぐに成果が出ません。成功するのか失敗に終わるのかがわからないまま、ウン十年も過ごさなければなりません。
そのストレスは、証券投資に慣れていない人にとって耐え難いものなのかもしれません。
ゆっくりお金持ちになりたい人なんていない
投資界のレジェンドが「ゆっくりお金持ちになりたい人なんていない」と言ったことは有名ですが、まさにその通りだと思います。平凡な投資家の特徴を言い得ていると思います。
(私だって、確実にすぐにお金持ちになれる方法があれば知りたいです)
私たち平凡な人間は、ゆっくりお金持ちになることがもっともお金を増やす早道だと理性ではわかっていても、感情・直感に従い、短期的な利益確保に走ってしまいがちです。
短期的思考の投資家を付け狙う、商材販売業者
長期投資のストレスを負うくらいなら、短期的に含み益を売却し、損切りし、もしくは配当を受け取ることで、実現利益を積み上げていきたいと思う投資家は多いと思いますし、その気持ちはわからなくもないです。
しかし、そういった気持ちを逆手に取ってか、巷には、経験の浅い投資家や短期的思考の投資家を付け狙う、詐欺まがいの情報商材屋が跋扈しているもの事実です。Twitterでも怪しい人物をたくさん見かけます。
Twitterの株クラスタでは(めちゃめちゃ狭い世界の話でスミマセン)、投資の予言書と称する有料noteが最近話題になりましたが、そういった情報商材の中に"聖杯"が隠されていることはまずありません。
予言が本当に的中するなら、その書き手は有料noteを売る必要などなく、自分の全財産を投じて(借金してもいいでしょう)、または出資者を募って資金を集め、自分で直接その銘柄に投資すればいいのですから。
そうしないということは、予言が当たることよりも、noteが売れることが書き手にとって至上命題であることが推察できます。noteを売って小銭を稼いでいる時点で、予知能力など無いことを自ら告白しているようなものです。
中身を見るまでもなく、買うに値しないものだとわかります。
闇もあれば光もある
SNSはノイズだらけだと私はつとに言っていますが、中には正義の味方のような方もいます。
例えばこの方のように、身銭を切って怪しい有料noteを買い、商材の価格と中身の価値についてある程度客観的に批判してくださる方もいらっしゃいます。こういう情報に出会えるのは、ネットを活用する醍醐味だと思います。
また、幸運なことに、現在では、もっとも効率のよい投資を実践するのに必要な情報はすべて無料で手に入りますし、運用をしていくのも低コストです。
投資の情報を集めるべくネットを活用するのには、光の面と闇の面があることがおわかりかと思います。
「闇」を自分から遠ざけるために、私はTwitterの株クラスタを見ないことをおすすめしています。特に投資歴の浅い人にとっては、いい情報と悪い情報を見分けるのが難しいと思うからです。(悪い情報の方が耳に聞こえが良かったり刺激的に見えたりするので、なおタチが悪いです)
すべての投資家が、一生に一度しかない貴重な長期投資のチャンスを、安直な短期投資に費やして棒に振らないように願っています。
さいごに
すでに有料noteを買ってしまった人までも非難しているわけではありません。買うことは悪いことではないし、もう今となってはしかたないことです。小淵にこんなことを言われたからといって怒らないでほしいです。
私だって場合によってはうまい売り文句に乗せられて買うことがあるかもしれません。
中身を見て理性的・客観的に判断し、いい情報か悪い情報かを見極められるかどうか。そこが、資産形成が成功するかしないかの分かれ目だと思います。ただし「サンクコスト」にだけはご注意を。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?