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私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
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2020年9月の記事一覧

潰された田圃と山に見蕩れて

PLANETSCLUBのランニング部に参加している。 イベント秋分の日銭湯の前でつながるラン。 当日早く目が覚めてしまったので昼より朝の部にしようと着替えはじめたのだが洗濯やら掃除やらが気になり朝の部は参加せずそのまま掃除をしランニングウェアで1日過ごした。 今日入る予定の温泉は私のお馴染みの温泉。露天風呂から見える一軒の家がとても気になっていた。一面の田圃の向こうにある山沿いの家なのだが外観が変わっていた。この機にその家を確かめてみようとそこを目指して走ってみる計画だ。到着

「忘れられたもの」の悲鳴を聴きながら、ひと駅分走る【大和〜鶴間】

※方向音痴の意識低い系ランナーが、月に一度、ひと駅分だけ走るエッセイです。 あぁ、なんて退屈な道なんだ。 秋分の日の午後三時、私は小田急線の線路沿いを走っていた。今日のスタート地点は「大和駅」。ゴールは隣の「鶴間駅」だ。線路沿いを走るのは、道に迷わないよう自分で設けたルールなのだが、それにしてもこのコースは退屈すぎる。左に線路、右に住宅。左に線路、右手に住宅……。もう一キロくらいこの調子だ。さらにこの日は諸事情により、荷物の入ったリュックを背負って走っていた。かかとが地面

野良ランナー、大衆浴場で戸惑う。

銭湯へ走る。 家から4kmほどの距離にある、流行りの大衆浴場を目的地に決めた。 銭湯が戸を開け始める午後4時前、Googleマップに連れて来られたのは曇り空の住宅街だった。 連休最終日だからか、歩行者や自転車がいつもより多い。 夕飯の買い物をしている人、近所を散歩しているであろう肩の力の抜けた服のカップル、きっと遠出を終えて家に帰る人。 誰にも迷惑をかけないであろう一本道を頭の中に描き、避けながら走る。 「走る場所」ではなく、あくまで「走ることを許されている場所」を走る野良

頑固な相棒から軟弱な相棒へ

最初の相棒 先日、朝ランで古墳を経由し銭湯で汗を流したあと、そういえばもう直ぐ近くにある大型スポーツ店の開店時間になるではないですかとなり。モチベを上げるためという口実のもと、物欲を満たすために新しいランニングシューズを買うことにした。  この時自分が愛用していたシューズは「HOKA ONE ONE」ARAHI 3 ー 通称「R2D2」のみだ。このシューズは自分が所属しているPLANETSCLUBランニング部のコーチと呼ばれる存在にして、ご自身の職業として日々お客さんの足にリ

大垣で『奥の細道』を走る ” 旅先で『日常』を走る ~episode19~ 岐阜編 ”

前回のあらすじ~ 敦賀で『他者の日常』を走る ~ ” 自分と他者の日常がオンラインで常にシェアされる。そして、時にはふたつの日常がオフラインで重なりあい、互いの日常の解像度がより一層高まっていく。これは、とてつもなく豊かなことではないだろうか? " 大垣で『奥の細道』を走る 名古屋のベッドタウン。 岐阜に対して私が抱いていたイメージはこれに尽きる。あながち偏見ではないと思う。なにしろ私は2005年度の一年間、名古屋で暮らしていたことがあっての印象なのだから。 一方、「

価値を見いだせるのに必要な時間

私の血はドロドロしている。 健康診断の血液の欄にはA判定どころかEとかCとか。 さすがにマズい。 ウォーキングをはじめた。でそろそろ6年。 そして参加しているオンラインサロンPLANETSCLUBの影響で走ってみようと走り出したのが1年と少し前だ。 正直気は進まなかった。マラソン嫌いだしマラソン番組だってすぐチャンネル変えてしまう。 それでもクラブで楽しそうに走る様子が羨ましかったのもありはじめてみる気になった。 1番の決定打だったのが走る人が身近にいたからだ。彼女はとてもし

距離が延びる。世界は拡がる。

土曜の朝6時。けたたましくスマホのアラームが鳴る。同時に階下からは妻の声「時間だよ。起きて」。普段ならまだ夢の中だが今日は起きねばならない。所属するオンラインサロン、PLANETSCLUBの分科会であるランニング部のイベントがあるのだ。 ランニングのイベントといったら一緒に同じ場所を走るとか、大会に参加することをイメージするだろうが今回はオンラインのイベントだ。スタート地点もゴールも走る距離も経路もばらばらだ。題して「みんなで一緒に家をでるラン」。 日々のランニングにおいて

敦賀で『他者の日常』を走る “ 旅先で『日常』を走る 〜episode18〜 福井編 ”

前回のあらすじ 〜 神戸で『満月』を走る 〜 “ 今回のように、目的地を調べすぎないランもよいものだ。寄り道や迷子による発見がある。『走る』行為がより一層豊かになるのだ。” 敦賀で『他者の日常』を走る出張で京都に来ている。 この連載を読まれている方には「またかよ 笑」と思われるかもしれない。私は今、東京と京都の店舗責任者を兼務しており、隔週の木金土曜日には烏丸三条の店舗を訪れることがルーティンになっているのだ。そして翌日の日曜日を公休にして、京都やその近辺で遊んで(主に『

自由について

 昨日、久しぶりにPLANETSCLUBのランニング部のメンバーと朝8時に集まった。この日は全国的に曇り模様で、朝から雨が降りそうだった。待ち合わせ場所に着くと、「こっちは小雨が降って来ました。」「まだ家の中です。」とてんでばらばらな声。待ち合わせ場所はZoom、自粛期間中に定着したオンライン・ランだ。今日のイベントは、怠惰になりがちな土曜の朝にみんなで走る前にZoomで集まろうという主旨だ。『みんなで家を出るラン』というイベント名には、絶妙な塩梅を感じとれる。僕は走り出して

モチベは集いとピンク色

雨音で目が覚めた。 「あ、降ってるわ」多分やまないだろうな、とは思っていたけれど現実に降ってるとガッカリだし走れるかな〜と心配になる。 オンラインサロンPLANETSCLUB「皆で一緒に家を出るラン」というイベントに参加、それが7時半集合なのだ。目覚ましをかけた時間よりは早いけど起きた。濡れてもいい服装、暑くて登場してなかったピンクのウインドブレーカーを出した。シューズもピンク、実はピンク大好き。 玄関を出て駐車場でzoomを繋げる。こりゃここで体操だな。もう走り出してる人

あめあめ ふれふれ よーいどん!

「第1回みんなで一緒に家を出るラン」 一緒に家を出るって...仲良しかよ! でも。 そんな緩いタイトルから想像出来ないみんなのやる気を今日感じた(笑) 今日の天気は雨だった所も多いはず。開始時間も早い。 土曜日ですよー、みんな休日じゃないの? それなのに。朝7:30、ZOOMにて集合。 ランニング部コーチが今日は体操のお兄さんとして登場、準備体操開始。 それが終わってからなんとなく(ここらへんやっぱり緩い!)ランスタート!! どんより天気の中、走り出した。 普段は雨だと出かけ

Googleは古墳の入り口を教えてくれない。

「朝8時にみんなで家を出て、各々勝手に走りましょう」 調子に乗ったイベントを立ててしまった。朝8時なんて、我が家のロボット掃除機が起きるよりも早い時間だ。 言い出しっぺであることと、部長を名乗っている責任感から、何とか起床して、Zoomに集った今日走るメンバーに挨拶をする。全国的に雨模様で、すでに走り出して外の景色を映している人もいれば、チャットだけで参加する人もいれば、映像も音声もオフで全く応答しない人もいた(ような気がする)。 いってらっしゃい、いってきますと声をかけてか

濡れた服を着て走る重苦しさのこと

午前8時、小雨がパラパラと降るなかランニングをする。初めての「雨の日ラン」である。いつもより人通りの少ない道、雨粒のかかった顔に風が吹きつけてひんやりとする感触、どれも新鮮だ。 いつもランニング時に着ているお気に入りの青いパーカーは、水をよく吸う素材。走っているうちに、ゆっくり、ゆっくりと湿っていくのを感じる。気が付いたときには、ずっしりと重たくなっていた。 水分を吸って重たくなったパーカーは、人間関係とよく似ているなと、走りながら思う。他人からの好意や期待といった「雨粒

「家を出るまでがランニングです」

2020年9月12日、今月2回目の休日だ。前回の休日は5時に起きて神戸の街を走った。そして今日は我がPLANETSCLUBランニング部の『第1回:みんなで一緒に家を出るラン』に参加することになっている。7時半からZOOMの部屋が開き、徐々にメンバーが入ってくる流れなので、7時くらいに起きればいかと算段して、昨日は床に就いた。 7:30。 目が覚めて、なんとなく手に取ったスマホに表示されていた時刻は 7:30だった。7時半!! ZOOMにつなぐと幸いにもまだ誰も入っていなかっ