尾花政篤 / Sansan

ITコンサル→保険業界特化型SaaS創業→Sansan。 『作る』『売る』に真摯に向き…

尾花政篤 / Sansan

ITコンサル→保険業界特化型SaaS創業→Sansan。 『作る』『売る』に真摯に向き合う修行の日々✊ 2児のパパ👨‍👩‍👧‍👧も頑張っています。

記事一覧

Sansan流PMFの測り方 〜爆速グロースの発射台〜

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 私はSansanに入る前、自らス…

Sansan流プロダクト開発の意思決定は"エッジを尖らせる"

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 プロダクトマネジャーの仕事…

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プロダクトマネジャーの仕事は”苦渋の決断”である

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 あらゆるソフトウェアカンパ…

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Bill One T2D3達成!MVV不要論を一蹴するSansan流タグラインの作り方

Sansan株式会社の尾花です。 2024年5月期(通期)の決算で、Bill OneのARRが76億80百万円に到達したことが発表されました。 Bill OneのARRの推移は以下の通りです。 202…

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Bill One 3年でARR1→68億円、会社全体ARR310億円到達!Sansanの業績を上げる力の源とは?

2024年5月期 第3四半期(2024年2月末まで)の決算で、Sansanの会社全体のARRは前年同期比33.4%増加し、310億90百万円に到達したことが発表されました。 急成長を続けるBil…

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誰でも5分でAI保険アドバイザーを作れる!〜GPTsでの作成方法〜

2023年11月6日、ChatGPTを開発したOpenAI社からGPTsという新機能がリリースされました。 この革新的な機能は大きな波紋を呼んでいます。 ここ数年間、InsurTechに携わる中…

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Bill One 2年強でARR1→37億円到達!SansanARR200億円突破!Sansan強さの秘訣に迫る!

2023年7月13日に、Sansanの2023年5月期通期の決算が発表されました。 https://ir.corp-sansan.com/ja/ir/news/auto_20230713521617/pdfFile.pdf 営業DXサービス「Sansan」…

ChatGPT:公的保険FAQ302件の追加学習手法の比較(Fine-tuning vs Embedding/Retrieval/Grounding)

ChatGPTの欠点としてよく言われることに、最新の情報に対応していない(2021年9月まで)ことや、時には流れるように嘘をつくことが挙げられます。 この欠点を解消する画期的…

凄まじいAIの進歩と、AIと保険営業の協業に向けたサービスアイデア

2022年、AIが凄まじい進化を遂げました。 正確にいうと、技術的な進歩は数年前に実現されていて、パラメータ数や学習データセットの量が飛躍的に増加したことで、画像生成…

自動運転の進展で自動車保険はどう変わるのか?AIが進化する世界で生き残る保険代理店/保険営業とは?

先日、FINOLABでのInsurTech Startup Meetupにて、自動運転と保険に関するイベントを開催しました。 イベントでは、明治大学商学部教授で保険学・リスクマネジメントを専…

海外InsurTechで盛り上がるAI保険、日本の行方は

※本記事は、保険毎日新聞への寄稿記事を許可を得て転載しております。 日本において、InsurTechのスタートアップはFinTechのスタートアップより断然少ない。Googleトレン…

米国でIPOした保険代理店から学ぶ、時価総額を上げる仕組みづくり

米国では2020年にLemonadeという火災保険への加入と保険金請求がアプリで完結できる会社が上場しています。 しかし、米国で上場しているのはオンライン保険の会社だけでは…

マイナンバーカードの普及はデジタルプラットフォーマーに依らないデータ連携の実現と保険進化のキッカケになるか?

デジタル庁立ち上げでにわかに高まるマイナンバーカード普及の機運 安倍政権から菅政権に変わり、行政手続き上の押印廃止の動きなど、行政のデジタル化が急速に推進されよ…

Googleの親会社が保険事業に参入?! 日本の保険業界がデータ活用で勝つには どうするべきか?

「Googleの親会社であるAlphabetが保険事業に参入する」というニュースが一部メディアで報じられました。 この見出しだけを見ると「Googleが検索履歴をもとに保険を売りは…

オンライン保険会社LemonadeがIPO申請!苦境のソフトバンク投資先の中で救世主となるか?!

2020/6/8、オンライン保険会社のLemonadeがIPOを申請しました。 Lemonadeは累計$480M(約500億円)を調達しており、$400Mを調達したSeriesDラウンドではソフトバンクも出資…

コロナショックを正しく理解し、次の時代に向けて一歩を踏み出す

こんな世の中だからこそ、正しい情報を得て、正しく恐れることが重要と考え、ここ1ヶ月で、金融危機・感染症の歴史を勉強し直しました。 コロナショックにおける株価値下…

Sansan流PMFの測り方 〜爆速グロースの発射台〜

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 私はSansanに入る前、自らスタートアップを立ち上げました。 経営している中で、PMF(Product Market Fit)という言葉を耳にタコができるほど聞きました。 自社のプロダクトがPMFしたのかしていないのか、思い切りよく投資しても良い状態なのか否か、いつも気になっていました。 また、同じKPIを説明しても投

Sansan流プロダクト開発の意思決定は"エッジを尖らせる"

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 プロダクトマネジャーの仕事の核心は意思決定であり、その意思決定は苦渋の決断になります。 では、どのような意思決定が、プロダクトに良い変化をもたらし、事業に非連続な成長を生み出すのでしょうか。 単体でARR200億円を超えている名刺管理のSansanや、T2D3を遥かに超えるスピードで成長したBill Oneを生み出し

プロダクトマネジャーの仕事は”苦渋の決断”である

Sansan株式会社の尾花です。 Contract Oneという契約DXサービスのゼネラルマネジャー(事業責任者)とプロダクトマネジャーを兼務しています。 あらゆるソフトウェアカンパニーにとって、プロダクトは心臓とも言える存在です。 そのプロダクト開発に責任を持つのがプロダクトマネジャーです。 プロダクトマネジャーの仕事の核心は意思決定にあります。 プロダクトは永遠に完成しないプロダクトに「作り切った」という概念は存在しません。 プロダクトを機能の集合体として見れば、

Bill One T2D3達成!MVV不要論を一蹴するSansan流タグラインの作り方

Sansan株式会社の尾花です。 2024年5月期(通期)の決算で、Bill OneのARRが76億80百万円に到達したことが発表されました。 Bill OneのARRの推移は以下の通りです。 2021年2月:ARR1.05億円 2021年8月:ARR3.91億円 2022年2月:ARR10.86億円 2022年11月:ARR21.24億円 2023年5月:ARR37.98億円 2023年11月:ARR59.37億円 2024年2月:ARR68.44億円 2024年5月

Bill One 3年でARR1→68億円、会社全体ARR310億円到達!Sansanの業績を上げる力の源とは?

2024年5月期 第3四半期(2024年2月末まで)の決算で、Sansanの会社全体のARRは前年同期比33.4%増加し、310億90百万円に到達したことが発表されました。 急成長を続けるBill OneのARRは68億44百万円に到達しました。 過去のBill OneのARR推移は以下の通りです。 2021年2月:ARR1.05億円 2021年8月:ARR3.91億円 2022年2月:ARR10.86億円 2022年11月:ARR21.24億円 2023年5月:ARR

誰でも5分でAI保険アドバイザーを作れる!〜GPTsでの作成方法〜

2023年11月6日、ChatGPTを開発したOpenAI社からGPTsという新機能がリリースされました。 この革新的な機能は大きな波紋を呼んでいます。 ここ数年間、InsurTechに携わる中で、 「保険営業はAIに置き換わるのか?」 というテーマに向き合っていました。 2022年までは「30年間は保険営業がAIに置き換わることはないだろう」と考えていました。 しかし、2022年11月にChatGPTが登場したことで「今後10年以内に、一部は置き換わるかもしれない」と考

Bill One 2年強でARR1→37億円到達!SansanARR200億円突破!Sansan強さの秘訣に迫る!

2023年7月13日に、Sansanの2023年5月期通期の決算が発表されました。 https://ir.corp-sansan.com/ja/ir/news/auto_20230713521617/pdfFile.pdf 営業DXサービス「Sansan」のARRは2023年6月時点で200億円を突破しました。 そして、Bill OneのARRは2023年5月で37億98百万円に到達しました。 過去の決算説明資料に基づくBill OneのARR推移は以下の通りです。 20

ChatGPT:公的保険FAQ302件の追加学習手法の比較(Fine-tuning vs Embedding/Retrieval/Grounding)

ChatGPTの欠点としてよく言われることに、最新の情報に対応していない(2021年9月まで)ことや、時には流れるように嘘をつくことが挙げられます。 この欠点を解消する画期的な仕組みとしてChatGPT Pluginが2023年3月24日にリリースされました。 以下は元Stripe CTOで、現OpenAI CTOであるGreg Brockmanのツイートで、WEB検索(Browsing)のPluginを有効にした時のデモ動画です。 動画ではChatGPTに「ChatGP

凄まじいAIの進歩と、AIと保険営業の協業に向けたサービスアイデア

2022年、AIが凄まじい進化を遂げました。 正確にいうと、技術的な進歩は数年前に実現されていて、パラメータ数や学習データセットの量が飛躍的に増加したことで、画像生成・文章生成が飛躍的に進化しました。 今までずっと「今後30年は保険営業がAIに置き換わることはない」とお話ししていたのですが、「意外と10年ぐらいで一部は置き換わり始めるかも?!?!」と思うほどで、焦り始めました。。 AIが人間と同等の言語生成能力を持ち始めた?!具体的には、最近登場したAI(ChatGPT)が

自動運転の進展で自動車保険はどう変わるのか?AIが進化する世界で生き残る保険代理店/保険営業とは?

先日、FINOLABでのInsurTech Startup Meetupにて、自動運転と保険に関するイベントを開催しました。 イベントでは、明治大学商学部教授で保険学・リスクマネジメントを専門とされており明治大学自動運転社会総合研究所所長でもあられる中林先生、そして東京海上日動火災保険株式会社で自動運転領域のアライアンスやソリューション構築を担当されており、内閣官房での自動運転政策の立案・遂行にも携われたこともある清水様の2名にご登壇いただきました。 本記事ではそのイベン

海外InsurTechで盛り上がるAI保険、日本の行方は

※本記事は、保険毎日新聞への寄稿記事を許可を得て転載しております。 日本において、InsurTechのスタートアップはFinTechのスタートアップより断然少ない。Googleトレンドによると、日本において2020年の1年間でInsurTechはFinTechの30分の1しか検索されていない。保険テックという言葉の方が馴染みやすいかもしれない。しかしながら海外ではInsurTechは引き続き盛り上がりを見せており、多くの投資が実施されている。米ウイリス・タワーズワトソンによ

米国でIPOした保険代理店から学ぶ、時価総額を上げる仕組みづくり

米国では2020年にLemonadeという火災保険への加入と保険金請求がアプリで完結できる会社が上場しています。 しかし、米国で上場しているのはオンライン保険の会社だけではありません。 ここ数年でもGoosehead Insuranceという会社やBRP Groupといった保険代理店が上場しています。そして、その2社とも数十億ドル、日本円にして数千億円の時価総額がついています。 これだけ資本市場から高い評価を受ける米国の保険代理店は、いったいどのような取り組みをしているの

マイナンバーカードの普及はデジタルプラットフォーマーに依らないデータ連携の実現と保険進化のキッカケになるか?

デジタル庁立ち上げでにわかに高まるマイナンバーカード普及の機運 安倍政権から菅政権に変わり、行政手続き上の押印廃止の動きなど、行政のデジタル化が急速に推進されようとしています。 その中でも話題になっているのは、行政のデジタル化をけん引する「デジタル庁」の創設です。 そして、デジタル庁創設に伴い、2020年7月1日時点で17.5%の普及率しかないマイナンバーカードの普及を推進しようとする動きも注目を浴びています。 マイナンバーカードの普及はなぜ必要なのでしょうか。また、普及

Googleの親会社が保険事業に参入?! 日本の保険業界がデータ活用で勝つには どうするべきか?

「Googleの親会社であるAlphabetが保険事業に参入する」というニュースが一部メディアで報じられました。 この見出しだけを見ると「Googleが検索履歴をもとに保険を売りはじめるのか?!」という捉え方をしてしまいそうです。しかし、公式のリリースを見ると、そうではありません。 まず保険事業に参入するのは、Googleの親会社であるAlphabetの子会社であるVerilyの子会社であるCoefficientという会社です。親戚関係に例えて言うのであれば、Google

オンライン保険会社LemonadeがIPO申請!苦境のソフトバンク投資先の中で救世主となるか?!

2020/6/8、オンライン保険会社のLemonadeがIPOを申請しました。 Lemonadeは累計$480M(約500億円)を調達しており、$400Mを調達したSeriesDラウンドではソフトバンクも出資しています。 コロナで苦境に立たされるソフトバンクの救世主になるでしょうか? 上場目論見書が公開されたことで、Lemonadeの実態が見えてきたので分析します。 Lemonadeとはどんな保険会社なのか?Lemonadeはアプリで簡単に加入できるオンライン保険会社

コロナショックを正しく理解し、次の時代に向けて一歩を踏み出す

こんな世の中だからこそ、正しい情報を得て、正しく恐れることが重要と考え、ここ1ヶ月で、金融危機・感染症の歴史を勉強し直しました。 コロナショックにおける株価値下がり幅・VIX指数・経済対策規模はリーマンショック級です。 ただし、その発生原因や関連する事象はリーマンショックとは全く異なります。 リーマンショックは「金融不安」からはじまる金融機能不全が原因でした。 コロナショックは「コロナがいつ収束するか分からない不安」と実体経済の萎縮/停止が原因と捉えています。 市場は荒