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おばあちゃんのクローゼット

私の祖母は、「オシャレすること」と「女らしく振舞うこと」をとても大切にしていて、娘である私の母にも、しょっちゅう「口紅くらい、いつもしておきなさい!」と口癖のように言っていた。

そんな祖母は今となっては入院生活を送っていて、さらにこの状況下、気軽に面会もいけないから、味気のないであろう病院生活を励ましたくてもそれができないのが心苦しい。

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先日、主が居なくなってしまったクローゼットを、何気なしに開けてみると、そこには今では珍しいデザインや刺繍の入った、ただ時代を重ねて古びただけとは言わせないオーラがある洋服たちが所狭しと、というかもうキャパオーバーしていた。笑

そういえば、昔のアルバムを眺めていたら、祖母はいつも赤い口紅をつけて、上下どっちかは柄物の服を着ていた気がする。

以前母に、「おばあちゃんの服って派手だよね。1周回っていま、古着ブームみたいなやつで、意外とこういうの、私着られるかも」と話したことがある。

実際、おばあちゃんの服はレザー加工の花柄のジャケットや、サテンのシャツなど、ちょっといい値段がするビンテージショップで売ってそうなもので、今でも全然着られる服が多くある。

「私はオシャレとか化粧とか面倒だから興味ないけど、よく小さい頃はデパートに連れていかれたわ。おばあちゃんは選ぶ服が全部派手。親子でおそろいのワンピースとか選んでたりして」と母は話していた。想像しただけで微笑ましい。

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私は、古着が好き。

唯一無二の特別感、1着から感じ取れるストーリーがあるから。

服に対する愛着も自然と湧いてきて、この1着をどうやってさらに綺麗に着てみようか、何とあわせたら素敵な化学反応が起こるだろうか、だからオシャレをすることは楽しい。

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↑ストライプの色味がたまらないの。あ~これを海辺で着たかったワ。。


↑ストーリーズにあげてしまったんだけどこの通り。ラベルまでもが愛おしい。

色んな人の思いと歴史がつまったクローゼットの中の綺麗な服たち、ずっとそのままにしておくのはとても惜しいと思う。

もし、他にも着る人が居るのであれば、壊れたとしても修繕して着続けてくれるような、長く大切にしてくれる人に着てほしい。

1着を見たときに感じる、これだ!っていうワクワク、着るたびに自信が持てるあの感覚がずっと続けばいいなあ。

そういうコンセプトで、フリマとか、もしくは別の服の活かし方、できないかな~と、ひそひそと考えている最近でした。







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