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テレワーク環境をテーブルからつくる

みなさん、在宅勤務つづいてますか?我が家は私の会社も夫の会社も、6月以降も引き続き在宅勤務が推奨されます。人数が多い会社ほど、密を避けるべくそういう傾向が強いんじゃないでしょうか。
今回この記事では「あ、これ長期戦だな」と気づいた私と夫が、3週間ほどかけて作成したテーブルとその周辺環境のお話をしたいと思います。

環境改善のきっかけ

我が家は夫婦ふたり暮らし。お互い会社勤めで、週5日、8時に家を出て20〜21時に帰ってくる生活。基本的に家は「休む場所」であり「好きなことをする場所」で、仕事を持ち込むことは殆どありませんでした。
しかしこのコロナ禍で出社に制限がかかり、状況は一変。モニターもデスクも置けない1LDK、ダイニングテーブルでの2人テレワークが始まりました。正直、しんどい。ひとりひとりに十分な作業スペースが担保できないテーブルサイズ、諸般の事情により4台開くことになってしまったノートPC、そしてそれらからだらしなく下がる充電ケーブルと、その先には床に放り投げられたOAタップ…。食事や掃除の度にそれを片付け、また出してくる生活…。それが1ヶ月も続き、私も夫も徐々にうんざりしていたころ、ふと思い出したのが去年見かけたこの記事でした。

そう、Go Andoさんのこの記事。いまこの状況下、夫婦2人で改めてこちらを読み返し、出した結論は「環境はつくるもの。文句を言うより自分たちでどうにかしよう。」でした。ここから怒涛の勢いで、環境改善のためのDIYが始まります。

そもそものテーブルは…

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これ。旧居の1DKに二人で住み始めたとき、とりあえずで買ったIKEAの脚と天板。これが私たちの3〜4月のテレワークデスク(兼ダイニングテーブル)でした。サイズはまさかのW1195×H730×D585。D寸が600以下て…。補足すると、一般的な片袖の事務机がD700程度。そこに二人で向き合って作業するのだから、当然テーブルの上はギッチギチです。

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えげつない密度。手前のDELL2台なんて机に乗り切ってない上に角ぶつかってます。ちょっと画面を倒すと相手に怒られる。

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ケーブルもこう。もう説明するのも情けない状況…。トイレ行ったり寝室行ったりするたびちょいちょい引っ掛けて転んでおりました。よく見たらマウスも天板上に置けてませんね…。縁あって椅子だけは良いモノに座れていたのですが、この環境じゃせっかくのチェアも泣いてます。

まずは図面と材料決め

私と夫が最初にやったのは、アイディア出しと図面作成でした。ただダイニングテーブルを作るだけなら寸法を決めるだけでもいいのですが、私たちが欲しかったのは仕事ができるダイニングテーブル。手を抜けないのが配線の取り方です。センターにフタをつける、スリットを入れる、深さは?中に必要なタップのサイズは?あれこれ言い合って最後に落ち着いたのは、天板の短辺に切り欠きを作り、ケーブルガイド代わりにするというものでした。

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夫が起こしてくれた3D。手前にあるのが配線用の切り欠きです。まずはこれを基にして平面図を作り、私の仕事で懇意にしていただいている木工家具屋さんに天板作成の相談をしました。嬉しいことにすぐ作成を引き受けてくださり、テーブル作成は一気に現実へ。仕様を決め、W1200×D750、厚みは30mmの天板を発注しました。

次は脚を探します。いくつかのDIYサイトやamazon、楽天などを検索し倒して、tool boxのスチールプレート脚に決めました。

この脚、シャープな形状や黒皮仕上げのストイックな感じの格好良さもさることながら、一枚のプレートを折り込んだ形状が肝でした。そう、内側に配線を沿わせて床まで逃がせる…!厚みのある天板にもしっかり似合いそうだし、とすぐに注文。入金からおおよそ1週間程度で出荷してもらえました。

揃った材料をいざ組み立て

GWを挟んだこともあり、初動からおおよそ3週間程度で材料が家に揃いました。中でも感動したのはやはり天板。プロが仕上げてくれた天板の綺麗さ、本当にすごい。下の写真は届いた嬉しさの余り、まだ脚がないのにローテーブルの上に広げてみた様子。

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天板から遅れること2〜3日。脚が揃い、配線用のバスケットが揃い、さっそく組み立てに入ります。

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脚をそれぞれ4箇所ずつビス留め。開梱したての脚はちょっとオイルっぽかったので、作業前に乾拭きしました。天板のオーダー先に脚の図面を事前に送って下穴を開けてもらっていたため、素人のビス打ちでもズレることなくすいすい進む。もし天板作成を考えている方がいらしたら、必ず下穴を開けてもらうことをお勧めします。あるとないとじゃ全然作業が違う。

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切り欠きの内側に配線用のバスケットをつけます。選んだのはこれ。

動かすことのないデスクトップPC、モニター類と違い、ノートPCは充電器の持ち出しも多くなります。だから電源タップは机上面に出すのが普通だと思うのですが、今回作っているのはデスクではなくダイニングテーブル。電源を使わない時は全てフラットにしたい…!そのため、さくっと手を入れてアダプタの抜き差しが出来る形のバスケットが欲しく、いろいろ探してこれにたどり着きました。しっかり深さがあるので、Macbookのバカでかいアダプタも放り込めるのが良いところ。

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テーブルを起こし、実際に電源を挿すとこんな様子。捻って回せるヘキサゴン型の電源タップを入れ、アダプタのせいで電源が1口死ぬことも回避しました。この電源タップはこちら。

2人でノートPC2台ずつなので、4口。これより多く電源がとりたい時は大概スマホ類なので、それはPCから充電をとることにしています。そうじゃなくても、自宅だからあちこちで充電できるしね。

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元あったテーブルの位置に置くと、こんな感じ。初めの写真に比べると、だいぶテーブルらしいプロポーションです。すっきりシャープになったテーブルに、なんとなくチェアも喜んでいるような気がします。
そしてこの天板の表面、ファニチャーリノリウムという材料を貼ってもらっています。実はここ、私の一番のこだわりでした。これを対応してもらうために、わざわざ仕事関係のプロの方にお願いしたのである…。

インテリアが好きな人には、artekのスツールやテーブルに使われている素材と言ったらわかるかもしれない。リノリウムは天然素材からできた、マットでさらっとした材料です。我が家は床が無垢のフローリングで、その上さらに無垢の木のテーブルを置くのはなんか違うな、と思ったんですね。かと言って足元にラグをひいても、せっかくの無垢フローリングが見えなくなっちゃうし。でもツヤツヤの塗装やガラスの天板もなんか違うし…と悩んで行き着いたのがリノリウムでした。ただリノリウムのテーブルなんて国内ほとんど無いんですね、それでもう、勢いで作っちゃったという。カラーはpebbleという、グレーとベージュとほんの少しの緑を混ぜたような色です。これがまた我が家のインテリアとよく合う。悩み抜いて選んだ甲斐がありました。
リノリウムのイメージを引き立てたくて、小口は合板そのままを見せています。テーパーかけてもらった部分にリノリウム裏の黒がチラッと見えて、それもまた効いててめちゃくちゃよい。

そして新しいテレワーク環境に

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素直な感想で、ほんともう、相当快適になりました。1人ずつがしっかりデスクを使える環境からしたらまだまだだと思いますが、私たちみたいに1LDKに2人で暮らしている人たちには丁度いいと思います。それぞれがPCやiPadを使っても、まだ周りに余裕がある。そんなサイズ感。

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充電ケーブルも狙いどおり、切り欠きから引けています。配線バスケットの位置に合わせて、apple純正の1mケーブルをそれぞれ買い直しました。

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横からみた姿もお気に入りです。配線バスケットから出した電源タップのコードは、右奥の脚の内側に留めてあります。その先はカーテンの脇のケーブルボックスへ。足元もすっきりして、椅子を引いたり動いたりも快適。
また、天板面のリノリウムのお手入れもすごく簡単。PCを置いたり動かしたりしても引っ掛かりがなくスムーズだし、ダイニングとして使っているから少し何かこぼしてしまうこともあるけど、さっと簡単に拭き取れる。油染みも水染みも残りません。

合わせているチェアはイトーキのvertbra03。プロダクトデザイナー柴田さんの提唱する【「働く」と「暮らす」を越境するワークチェア】というコンセプトに見合う環境が、ようやく作れたように思います。

まとめ

この環境を整えて、およそ2週間が経ちました。東京の緊急事態宣言は解除されましたが、これから先、働き方というのは確実に変わっていくと思います。そんな中で、自分たちが納得できる環境を作れたことは、この自粛期間のいちばんの収穫でした。
自分が心地いい環境で働くこと。無理がなく、我慢のない環境で仕事に打ち込めること。すごく大切だと思います。これを見ている貴方がもし、何か気になっているのならどうかぜひ、改善のためのチャレンジをしてみてください。こんなこと出来たよ!ということがあったら、ぜひ教えてください。この記事が、悩める誰かの手助けになったらいいなと思います。




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