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リノベーション前の状況

前回に続き、今携わっているリノベーションの内容を記録していきます。まず現状の図面がこんな感じです。

立坪としては約30坪。敷地自体はとても広く、約600坪の敷地内にこの家と図面上左につながる立坪約100坪の古民家があります。

前回のnoteでも書いた様に、玄関周りは予算の関係上、ほぼ手をつけませんが、トイレは綺麗に改装し、洗濯機置き場と洗面所を隣接させます。

玄関写真1
玄関写真2
玄関写真3

部屋は全部で4部屋ありそこにキッチンとトイレと大きな広縁があります。今回のリノベでは一番大きな南側(図面下側)のリビングとその上のキッチンの間仕切りを壊し繋げます。右奥まで続いている廊下は途中で切り、収納にしてしまいます。

リビング写真1
リビング写真2
リビング写真3
リビングのシャンデリアと天井仕上げはこのまま残す予定
リビングとキッチンの間にある廊下
奥へとつながる廊下。ここは壁で塞ぎ収納部屋にします。

図面中央右にある和室は茶室として使いたいとの事でそのまま残し、空間としてはリビングと繋がりを作り、より和室が短に感じれる様にします。

当時の大工さんの心意気が感じる和室

こちらがその茶室の写真ですが、青の砂壁や天井の仕上げは雰囲気も良いです。照明も紫檀で仕上げていて品があります。

茶室の前には広縁

こちらは茶室からの広縁の写真です。この障子もヒノキ仕上げで、上にある欄間も雰囲気が良いのではと思います。ここは何も手を付けず、カーテンレールとカーテンのみ変更です。ここに関しては手を付けないので、断熱施工ができませんが、リビングとは襖と建具で空間を仕切ることができるので、冬はそこまで影響はしません。

そしてこの家しかり昔の家の素晴らしいところは、家が真南に向いていると言う事。太陽の光は空調やヒータには変えがたい心地よさがあり、真南に向いているだけでこれほど家が暖かいのだと実感します。

実際真冬(長野の真冬は氷点下)の天気にいい日(午後13時ごろ)にこの広縁のカーテンを開けておいたのですが、暖房がいらないほど暖かかったです。

昔理科で習いましたが、夏至と冬至では太陽の角度が違います。そして昔ながらの知恵としてそれを踏まえて家の向きは南向きが良いとされ、特に長野の様な寒い地域ではその考えは的を得ています。

現代の家はこの南向きを全く無視した作りをされているものが多く、それの大きな理由として、敷地が狭く道路に面するために向きを自由に変えられないと言う事があるのではと思います。この物件の様に敷地面積が大きければ家の向きや庭そして隣接する畑の位置も自由に選べるわけです。

今流行りの高気密・高断熱であればそんな家の向きも気にせず、空調を全て24時間コントロールし快適な暮らしを得られるのですが、やはりこの太陽の光が差す家に暮らすという事は、現代社会では当たり前の様で当たり前でない環境と言えるのではないでしょうか。マンションやアパート、特に都会での暮らしで、南向きの家に住める事はあまりないと思います。

今中古物件をお探しの方がいるのであれば、少し古くて田舎でもこういった敷地面積の広く、そして真南に向いている物件をお勧めします。敷地が広ければ、駐車場の場所も自由に変えれますし、庭や畑もできてしまうわけですから。

少し話がずれてしまいましたので本題に戻りましょう

襖は少し骨組が透けて来ていますがこれも味かとw
開けると先ほどの右奥の廊下そしてその奥には和室が二つあります。

奥の和室二つは間仕切りを壊し、一つの空間にし、そこは寝室として利用します。コストを下げるために畳は既存のものを「表替え」、そして既存の砂壁は流石に古くなっているのでここは輸入物のクロス仕上げにし、ちょっとした大正浪漫風の空間を作ります。

廊下から見た奥の和室
北側の和室写真1
北側の和室写真2
北側の和室写真3
北側の和室2の小窓の写真、風情があります。
北側の和室2から廊下と茶室への導線
北側の和室照明1、残置。
北側の和室照明2、残置。

これらの考えをまとめた平面図が下記となります。

キッチンはサンワカンパニーさんの物を入れる予定です。

長野ではあまりいないのですが、私共はサンワカンパニーの商品を使いながらデザイン・設計そして施工を一貫して行えます。残念ながらサンワカンパニーさんの商品は長野では見る事は出来ず、こちらではあまり馴染みがないのですが、最近はネットで見つけるクライアントさんが多く、この頃良くご相談を受けることがあります。

Sanwacompany/サンワカンパニーさんは施主様がご自分で発注や購入することができるので、リフォーム会社を間に入れないのでコストも抑えれます。通常キッチン、洗面台、トイレなど内装会社は卸値でメーカーより仕入れ、当然そこに利益を乗せて請求しますが、サンワカンパニーさんはリフォーム会社であろうが、個人のお客さんであろうが提示する金額は同じです。

ただ漏れが無いように商品の発注内容の確認や、それをデザインに落とし込みデザイナー及び施工会社と相談するなどはやはり専門の知識が必要です。そして実際何十万もしくは百万以上の支払いをよく理解していないものに前払いで(サンワカンパニーさんは基本前払い)で振り込むには勇気が必要です。

その他、サンワカンパニーさんは長野の様な地方でも組み立て設置施工込みで依頼できるのですが、その組み立て設置施工は所謂所属している外注の業者さんなので、その外注業者と地元の内装会社を取りまとめなければいけないのも、施主様には負担が大きいのではと感じます。

サンワカンパニーさんの商品の良い所は、他社には無いデザイン性です。せっかくそのデザインを気に入って施主様がご要望しても、それに対応できないデザイン事務所、リフォーム会社及び施工会社が長野には少ないのが現状です。

ですから我々のようなデザイン事務所に依頼すれば、そこら辺の煩わしさを解決することができます。もちろんサンワさんの東京ショールームへご同行も可能です。

次のnoteではそのサンワカンパニーさんのショールームをご紹介しようと思います。

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#日記  #オリジナル  #文化 #田舎  #デザイン



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