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「人はなぜアイドルにハマるのか」を自己分析してみた。

2017年〜20年頃、実は密かに坂道グループ(中でも特に欅坂46)にハマってました。と言っても、 コアなファンの方からすると "にわか" ですし、深夜のテレ東の番組を見るのと有名曲を聴くくらいで、握手会やライブに行くまでには至らず…ですが。当時の全メンバーの名前は言えるくらいではあったと思います。

その時に「なぜ人はアイドルにハマるのか」と「プロデューサーである秋元康の何がスゴいのか」を言語化したことがあり、そのメモを見返して今回note記事にまとめてみました。単純に「アイドルって可愛いから!」や、CD・ライブ・他コンテンツ等での「ビジネス設計がすごいから!」の観点ではなく、現場ファン目線での感覚や感情を言語化してみたいと思います。


当事者意識を抱いてしまう。

中長期に渡り応援をしていると、グループ全体や個々人の「変化」および「成長」を見ることができる。そこにファンを当事者として巻き込むことで、応援を通じて「一緒に自分が育てているんだ」という感覚となり、アイドルに対して当事者意識が生まれる。10代-20代前半という成長過程の中、小出しに切り出されたコンテンツを体感していくことで、小さな成長を楽しみつつ、少し寂しさも感じながらも、自ずとストーリーが気になってしまう。成長過程のアイドルで「未完成」だからこそ、プロセス自体がストーリーにとして美しいし、数年後に振り返った時の「裏話」の面白みも増す。

自己を投影してしまう。

ファンは、彼女達の夢に向かっていく姿や頑張っている姿に対して、自分のやり残した「青春感」や「後悔」みたいな心情を投影しているように思える。コンテンツの中に、ストーリー性やドキュメンタリー要素を適度に入れることで、頑張っている姿に共感するし、自ずと応援したくなる設計となっている。入口は「テレビで見てかわいかったから」とか「音楽を聞いて良かったから」という理由でファンになった人達が、小出しに切り出されたコンテンツの中に自己投影し、どんどん没入していってしまっている。

全体と個別の視点が絶妙。

グループを映し出す「全体視点」と、メンバー個々人のストーリーにフォーカスする「個別視点」絶妙だなと感じる。グループ全体のファンであることはもちろんのこと、個々人の「推し」ができ、ファン同士の議論が生まれる。また、音楽以外のバライティやラジオでのそれぞれの活動など、個々の個性やメンバー同士の関係性も、ファンにとっては重要な楽しむ要素の一つだとろう。SNSや多様化されたコンテンツの中で、華やかな面だけでなく陰な一面など色々な面を見ることも面白い。

秋元康の凄さ「バランス感覚」と「曖昧性」。

何よりここがポイント。(秋元さんの本をほぼ全て熟読している秋元康ウォッチャーである自分が思う)秋元康のスゴさとは「バランス感覚」と「曖昧性」だと考える。自身の強いこだわりや極論、確固たるやり方は持っていない方で、一定の曖昧さを許容し、自身の素直な感情にとにかく忠実。また、コンテンツや生活の中で感じた「感情」を無意識ストックし、それを元に企画に昇華する力、時代やグループ毎の特性に応じデザインしていく力、に凄みを感じている。