人の人生が終わるだけの物語「最終話」ネタバレ考察①


初めまして。脱力と言います。ノベルアッププラスと言うサイトでシナリオや小説を書いています。
今日は自分で書いた「最終話」と言うシナリオについて、誰にも頼まれてないですが徹底解説したいと思います。
映像にしたくて書いたものなので、本編は小説ではなくシナリオ形式で書かれています。
自分の本が好きすぎて死んでしまいそうになってしまい書いています。土下座するのでこの記事だけでも読んでください。

紐づいて、今は三種類のシナリオがあります
・最終話
・あんですめいです(スピンオフ)
・第一話(続編)

時間軸としては、【あんですめいです】→【最終話】→【第一話】となりますが
書いた順で言うと上記の順なのでその順で読むのが一番わかりやすいかもしれないです。

まず、今回は【最終話】について勝手に語っていきます。
テーマとしては「人生の終わり」です。てか、とにかく「終わり」です。終わるために生きてるような話と言うか。まあそれは後ほど。

①    物語は日常から始まる
最初に出てくる登場人物に笹木めりという女、工藤洋一と言う男がいます。洋一は作家志望の美術会社に勤める脱力系の男。めりは、洋一のことが好きで、よく家に行ったり電話したり、ついてっている感じです。ちなみにめりは、普段はA Dの仕事をしています。
物語は日常から始まるのですが、何か違和感を残していきます。そこは読んでみてください。
洋一とめりの友達に、役者の赤丸瑛二、その彼女の黒田優菜、芸人のジロー、がいます。多すぎてまだピンときてませんよね。
今の段階では、瑛二が洋一と仲が良くて、瑛二は器用なタイプのムードメーカー。そんなざっくりとした情報です。

そんな人間たちの日常が描かれていきますが、洋一の視界には目の前の建物がバラバラに壊れる様子や、突如巨大な怪獣が現れたりなど平然と非現実な光景が広がります。洋一は何も気に留めていない様子。そこで現れるのが、毛見(もうみ)と名乗る謎の男でした。

②    日常を過ごすめりと洋一の心は鬱々としている
瑛二やジローはどこか明るい印象ですが、洋一とめりは少し生きていることに鬱々としています。おまけに二人は付き合っていないのにお互いなんの声もかけなければ別に付き合いそうな展開もなく進んでいきます。(たまにありますよね。ないか)めりの視界にもごくたまに、人間が壊れたような非現実的な光景が広がりますが、これもめりは気にも止めてない様子。なんの反応もなしに日常が進んでいきます。
途中、めりの家族が出てきますが平凡で愉快な家庭に生まれておりどこも変なところはありません。とにかく仕事や日常のストレスで鬱々としていて、人といるときはなんともないが、ひとりになると何もなくても落ち込んでしまうような。あんな感じ。

③    洋一の職場に謎の女
洋一という男は、昔自分の書いた小説が少しだけヒットしたり、現状美術会社で働いており作家ではないことなど、フラストレーションの塊のまま三十歳を超えてしまった男です。
会社の上司が出てきますが、ポンコツでどこかだらしないような尊敬もできない人間です。そんな洋一の前に現れたのは、井上美嘉という新人の女性。井上は態度こそ堂々としていますがどこか芋くさくて垢抜けている訳でも美人な訳でもない女性です。身なりをそこまで気にしてないようなファッションで、化粧などもしていません。洋一は、なぜか堂々としている井上美嘉に、心を動かされます。なんてことない出会いですが強烈な色気と愛嬌を感じていて、その理由は洋一も分かっていません。洋一にとって、久しぶりに対等に話せる人間というイメージ。洋一は、世の人間を見下しているんですね。
ここまではなんてことない人間ドラマですが、この井上美嘉が、のちにキーパーソンになります。

④    瑛二と優菜。優菜とジロー
瑛二と優菜は交際していて一緒に暮らしてもいますが、優菜はどこか自分を取り繕いながら日常を過ごしています。そんな優菜が唯一、素で会話ができるのがジロー。ジローは優菜のことが好きなのかどうかまだグレーですが、友達の彼女なのでそんな気持ちにはなりませんよね。。優菜は、ジローを慕っており、何かあるとすぐに相談したり飲みに行ったり、一緒にふざけようとしたりします。普段はお姉さんキャラの優菜ですが、ジローといることでストレスを発散しているような感じ。これも大事なので書いておきます。

⑤    めりの憂鬱
鬱々としてばかりで申し訳ございません。笹木めりという主人公は結局は洋一のことが好きで、洋一にしっかりと恋をしています。めりは、誰にも心を開かず洋一と家族のことだけを自分の親しい人間と思い日常を送っています。自称親友の真由という女性が出てきますが、女性特有の一癖も二癖もある感じで(悪い奴ではないんですけどね)めりは特に居心地が良いと感じていない様子。
人といると疲れてしまうめりは、洋一に会ったり、弟と話したりすることで自分を取り戻し日常をなんとか送っていますが、ある日、洋一の様子がおかしくなってしまいます。
ここから世界が少しずつ歪んでいきます。

⑥    消える井上美嘉と、世のバグ
洋一がいつも通り現場で働いていると、井上美嘉が急にいなくなってしまいます。いわゆる「飛んだ」という奴です。それにより洋一は塞ぎ込んでしまいます。
一瞬でも自分の世界に光がさしたように感じたからです、つまり、洋一は井上美嘉に恋をしていました。その後、洋一はやけになり、瑛二のバイトするバーに一人で遊びにいきます。そこにはめりを抜かしたいつものメンバーと、真由がいます。毛見も後からきますが、毛見は真由にだけ目を合わせません。
洋一は、心を閉ざし自分の書いた本さえ気持ち悪く感じるようになり、めりのことも避けようとします。めりは、洋一の様子のおかしさに気がついて電話をしますが、電話口からは意味不明な言語を喋る洋一の声が聞こえます。いつもは、非現実的な光景が広がっていても平然と時が流れている訳ですが、めりは気がついてしまう。
洋一がおかしい。
めりは、瑛二に電話し洋一に最近なにか変なことがなかったか確認します。その時、瑛二は彼女の優菜といる訳ですが、
優菜は急に狂ったように蠢き、黒い涙を流しておかしくなります。そこで、瑛二もこの状況がおかしいということに気付いてしまい恐怖を感じます。そこで、電話は切れてしまいます。
めりは何かを感じ瑛二のアパートにいきますが、そこにはアパート自体がもうありません。

⑦    崩壊する世の中
放心状態のめりは、瑛二の家の近くのコンビニに入りますが、入店した瞬間、昼だったのが急に夜になります。急に暗くなった外を見ていると、すっぴんの真由が現れます。真由が陽気に話していると、上から大きな岩が落ちてきてコンビニの天井ごと真由は一瞬でぺちゃんこになり死にます。空を見上げると、嘘みたいな大きな怪獣がこちらを見ていて、コンビニを破壊しますがめりは助かります。その時、少しだけめりは気付いてしまいます。

「この時、私は思った。多分真由が死んだのはこの世界でちっぽけな出来事で、それはそれは当たり前に予想がつく話で、だって私は」

自分が主人公でありたいことに。主人公かもしれないことに。そこに、オンボロのジープに乗った洋一が何故かめりを向かえに来ます。めりはそれに乗り込み、二人はあてもなく逃げようとしますが、またそこで洋一が急に人間離れをした喋り方をし、そのうちのっぺらぼうになります。その違和感に気付いてしまっためりは、恐怖で洋一を叩きますが、首から上が回転しとても人間じゃなくなったように見えます。その時、急に周囲が光で包まれます。
めりは車から振り落とされぶっ飛びますがほぼ無傷。振り返ると、ジープは真っ二つ。洋一が乗ってた方の車は粉々、洋一は八つ裂きのぐちゃぐちゃになって死んでいます。

「私は思った。どんな世界でも、選ばれし者は生まれた時からその定めが決まっている。まさかそれが自分だなんて、誰も」

めりは、洋一が自分の世界の登場人物ではないかもしれなかったことを、受け入れられずパニックになっています。モブの死に方だなこれ、って奴です。
そこで、少しだけ光っている建物の隙間を覗きます、そこには、バズーカを持った矢吹という赤髪の女が呑気にしゃがんでいます。そこで再度怪獣が現れますが、矢吹は手から急にマシンガンを出し破天荒に怪獣をぶっ倒します。

「私矢吹って言うんだ。よろしくなァ!!」
そこで物語はやっと始まります。矢吹は、井上美嘉と全く同じ顔をしています。

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とりあえずここまでにしておきます
次回は
⑧    この世は全て誰かに創作された無差別な意味のない世界であるということ
から解説していきます。誰にも頼まれてないけど!


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