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90秒で読む!コンサルタント「読書日記」(第47回)

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「社長、その事業の承継のプランでは、会社がつぶれますー「条文ゼロ」でわかる代替わりと相続」(島田直行著 2021年4月)

長年にわたって経営者の側に立って多くのトラブルを解決してきた「社長法務」弁護士である著者が、事業承継にまつわる様々なトラブルを未然に防ぐためのノウハウやテクニックが数多く盛り込まれてた本である。本書には、実際に起こった話が数多く盛り込まれており、読みながら、こんな些細なことを見逃したために、深刻なトラブルに発展するのかと思うことが多い。

①後継者選びで気をつけるべきこと、後継者に求められる資質
②後継者にとって、自社株の過半数確保が最重要である理由
③「贈与」の仕組みを最大限に活用した、自社株の譲渡
④先代が自社株の大半を保有したまま、認知症になってしまったら?
⑤判断能力をなくした後の備えとしての「成年後見制度」
⑥事業承継M&Aの成功は、売主の心情を買主が理解することから始まる
など。

個人的には、最後の「おわり」の文書に、筆者の想いが込められているようで、実に味わい深い。「事業承継は、経営者のロマンを形にした一本の映画のようなものだ。人生は順風満帆ではない。孤独な後継者を支えるのは、歯を食いしばりながらも歩み続けた、あなたの生き方に他ならない。何かを伝えるということは、言葉で表現するほど簡単ではない。すでにもつれた糸があるかもしれない。だが、いかなるもつれも時間をかければきっとほどくことができる。なぜなら「会社をよくしたい」というロマンは、先代も後継者も同じだからだ。映画のクライマックスをいかに演出するかは、あなた次第だ。」徹底的に、社長に寄り添うという筆者の強い気持ちに打たれた。


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