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丘のうえのハウゼン博士

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ハウゼン博士の小説を一つにまとめました。
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記事一覧

ハウゼン博士とメアリー

「愛していたんだ、誰よりも」 メアリーと私が出逢ったのは第一次大戦が始まろうと世間が騒が…

丘のうえのハウゼン博士 最終回

「羽、お前は今後のために力を磨いていかないといかん。」 朝の4時半 朝の冷気が漂う道場に、…

丘のうえのハウゼン博士 その4

朝が来た。 夢のなかで誰かに呼ばれたような… よく覚えてないけれど、確かそんな夢をみた気が…

丘のうえのハウゼン博士 その3

「藍美、藍美…寒いよ。傍にきて温めてちょうだい」 メアリーが星の瞬くそとを眺めながら、わ…

羽になる日 丘のうえのハウゼン博士

「お前も言うてる間にもうすぐ18歳じゃ。その頃には修行に出ねばならん」 むかし兵庫の地で平…

羽になりたい 丘のうえのハウゼン博士

「羽になりたい!!」 突然学校のグラウンドで、藍美が叫んだ。 テスト週間もようやくおわっ…

丘のうえのハウゼン博士 その2

丘のうえのハウゼン博士の家 屋根のうえの風見鶏が特徴の古い洋館だ。 燻んだオレンジ色の屋根と白い漆喰の壁。 ここに来ると時代を遡ったような雰囲気に包まれる。 「藍美お待たせ」 もの思いに耽っていると、ハウゼン博士はマイセンのカップにはいった熱々の紅茶を出してくれた。 キラキラと黄色にカップが輝いている。 「わぁ、素敵な陶器だねぇ!」 ハウゼン博士の家にあるコーヒーカップはいつもお洒落だ。 「これはコスモポリタンという種類のものだよ」とハウゼン博士はにっこり笑った。

丘のうえのハウゼン博士 その1

坂道を駆け上がると、そこには屋根のうえの風見鶏が特徴的な洋館がある。 くすんだオレンジ色…