丘のうえのハウゼン博士 その2
丘のうえのハウゼン博士の家
屋根のうえの風見鶏が特徴の古い洋館だ。
燻んだオレンジ色の屋根と白い漆喰の壁。
ここに来ると時代を遡ったような雰囲気に包まれる。
「藍美お待たせ」
もの思いに耽っていると、ハウゼン博士はマイセンのカップにはいった熱々の紅茶を出してくれた。
キラキラと黄色にカップが輝いている。
「わぁ、素敵な陶器だねぇ!」
ハウゼン博士の家にあるコーヒーカップはいつもお洒落だ。
「これはコスモポリタンという種類のものだよ」とハウゼン博士はにっこり笑った。