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アメリカでの暮らし 英語の発音問題と私なりの解決法


 私は2013年30代半ばからの7年間をアメリカ東部3都市で過ごした。
 受験英語しか勉強してこなかった私は英会話に苦労した。当著「アメリカでの暮らし 何かと真逆な文化〜通用しない受験英語」の苦労話に引き続き、今回は私の発音問題と自分なりの解決法について述べさせて頂ければと思う。

 お恥ずかしい話も多々含まれるが、英会話初心者だったので目をつぶって頂きたい。
 発音に関しては次のような具体的な事柄が起こった。

レモンとLemon

 私は2013年、夫と当時2歳の娘と移住した。3歳になり、入園。何が起こるか理解していなかった様子の娘だったが、登校後に事態を把握。
「学校行きたくない!みんな何言ってるかわからない!」
と泣いてすがるようになった。泣かなくなるまで3か月かかった。

 そうして月日は流れ、幼稚園年長の時スペルを書く宿題を持ち帰ってきた。レモンの絵が描かれている。
「ほら、レモンのスペル書くんだよ。」
すると娘は
「れもん?」
いぶかしげな顔をして首を傾げている。
「ほら、レモンだよ、レモン!」
と言いながら絵を見せると

“ Oh. Lemon!”

と言ってきたのだ!

 なんというか、自分の娘にレモンが通じなかったことも衝撃だし、いや私は日本語のレモンを発音していたのだからいいのだけど、あっという間に追い越された気がしてこの出来事は忘れられない。


スライムとSlime

 その後しばらくして娘とあるイベントに行ったら、後から娘の友達とその母親が合流してきた。スライム作りが終わったところだったので、
「スライムを作っていたんだ」
と話したら、私が話していることがわからない様子。私は、
「スライム。スライム!」
と手に持っているスライムを見せたら

“Oh! Slime!(ああ、スライム!)”

と言われたのだ。

 あれ?娘とのLemonのくだりを思い出す…。
Lの発音は自分でも気をつけているのだが、なかなか伝わらない。こんなにも伝わらないものかと愕然とする。


リアという名前

 Rhea(リア)という名前の娘の友達も連れてイベントに行った。その会場で
「はい!私はリアよ」
とスタッフのお姉さんが自己紹介をしてくれた。なので私は
「この子もリアって言うんだ。」
と紹介をしたら、娘の友達は

“No! I’m Rhea! (違う、私はリアよ)”

と否定していた。
 お姉さんの名前はLear ?Leah? おそらくLから始まる発音だったのだろう。私にはどちらも「リア」に聞こえてしまう。名前を言い間違えるとは失礼な話なのだが、そもそも聞き分けが出来ていないので難しい。


ダニエルという名前

 また別の日、女性が
「ダニエル!」
と呼ばれていた。男性名だと思っていた私は娘に
「女性でダニエルって珍しいよねぇ。」
と訊いた。すると娘は
「Daniel(ダニエル)じゃないよ。Danielle(ダニエル)。」
と答えた。

 …同じに聞こえる。

 調べたところ、アクセントの位置が違うらしい。
男性名だったらDaniel (この場合アクセントはダ)、女性名だったらDanielle (アクセントはエル)だそう。あまり聞き分けが出来なかった。私にはどちらもカタカナのダニエルだった。

自分なりに見つけた発音問題解消法

 そうして発音の問題で伝わらない時、私なりに解決できるようにした。発音の練習が出来るアプリをインストールしてみたが日本語しか発音してこなかったので舌が動かない。伝わらない発音の単語を何回言ったって伝わらないのだ。

 なので、伝えたい言葉を説明することにした。

 例えばこうだ。ある施設で手袋を忘れた時、スタッフの方にGrovesを伝えたいのだが上手く伝わらない。相手の方も一生懸命理解しようとしてくれている。そこで、手袋の説明をした。冬に手につけて温めるもの。渡米直後の私ではそんな説明も口から出せなかっただろうが、出来るようになっていた。そうして伝えるのに時間はかかるが伝わるようになっていった。


最後に 

 日々勉強で、伝わらず落ち込む日も多かったが、そんな日も少なくなっていった。ゆっくりだけど成長は出来ている。

 いつか映画も観られるようになりたい!と目標を掲げるが、夫は
「僕も未だに観られないよ。」
などと言ってくる。

 夫は英検一級取得では飽き足らず、国連特A級も取得、TOFELでも9割超えの高得点でアメリカ現地の企業に採用されアメリカ人に混じって問題なく働いていた。そんな夫でもそんなことを言ってくる。
 謙遜もあるのかもしれない。日本人だって漢字検定を受けたら満点は取れないだろう。出来る人ほど「話せる」といえるレベルが高い印象がある。

 そう思うと英語のゴールはないのだろう。だが英語を話さないといけない日々勉強の毎日は、アメリカ人の大らかさ優しさにも助けられて本当に楽しかった。成長を実感できた。
 本帰国はしてしまったが、また渡米出来る希望を捨てず、低いレベルながらも英語の勉強を維持していきたいと思う。

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