アメリカでの暮らし ハロウィン
こんにちは。まーぶるです。
本帰国をしておりますが2013年から7年間、 アメリカ東部3都市で暮らしました。今回はハロウィンについて体験談を述べさせて頂ければと思います。
デコレーション
ハロウィンはアメリカでは子どものためのイベントです。微笑ましくてとても良い文化です。
夏が終わる頃にはあちこちでオレンジ色のかぼちゃを見かけます。スーパーにもありますが、ちょっとした広場に飾られていたり、一般家庭でも気合いの入った大きな飾り付けをしています。
(日本で見かけるかぼちゃはKabochaで、探さないとそんなには見かけません。)
この飾り付け、ニューヨークもミシガンもニュージャージーも公共の場より一般家庭の方が気合いが入っていて、街歩きが普段より一段と楽しめます。
街の無料イベント
そして10月に入ると子ども向けイベントが毎週末どこかであります。多い時は何箇所もハシゴします。企業が協賛していて、子どもにお菓子はもちろんのこと、企業名が入ったカップホルダーや犬の散歩用ビニールシート、ステッカー、帽子など貰います。ふわふわ滑り台や子ども用ミニゲームも用意されていたり、楽しめます。
面白かったのは、ミシガンやニュージャージーで経験した、トリックオアトリートならぬトランクオアトリート。個人が車のトランクを飾り付けして子どもたちが車を巡ります。
ニュージャージーの時は小学校が主催で、PTAで誰かトランクオアトリートに参加しないか募集がありました。後述の夜のパーティーのためです。
小学校でのパーティー
そして学校でもハロウィンイベントは行われます。
小学校では朝からみんな仮装していき、昼過ぎに親が手分けしてパーティーの準備を持って行きます。水、ジュース、フルーツ、クラフト用材料、アイスクリームなど、事前にオンラインで空いている係を親が申し込んであるのです。
親もそのままパーティーに参加。食べたりクラフトしたりして、最後は全校生徒で校内を練り歩きます。みんな様々な格好をしているのでお互い会うと興奮しています。
ニュージャージーの時は学校でのパレードに加えて18時から学校の外でパーティーでした。レンタルのふわふわ滑り台、トランポリン、宅配ピザの配布、綿飴、そしてトランクオアトリート。ダンスミュージックもガンガンにかかっていて、20時半頃まで続きます。
日本の小学校だと、校内でケーキ食べたり夜に集まってパーティーだなんて、聞いたことがありません。とても楽しいひとときです。
ハロウィン当日
そしてハロウィン当日。
私もこの日に備えてお菓子を買いにスーパーに行きました。すると売り場でおばあさんが
「何人来るか楽しみね!」
なんて話しかけてきます。
当日の昼は普通に過ぎて行きます。夕方頃から段々と仮装している子どもが増えていき、ニューヨークだと店に入ってお菓子をもらいます。ミシガンやニュージャージーでは一般家庭を訪ねていきます。
夜も更けて行くとこどもは増え、行列のようになってマンションの敷地内や街を歩いています。特別な夜、とても楽しげで、私も嬉しくなります。我が家も早めの夕食後小さな娘について行き、不在の間は我が家のドアの外にお菓子を置いておきました。戻ると空っぽ。私たちが帰宅してからも子どもたちがひっきりなしに訪ねてきて賑やかです。
ニューヨークでは子どもたちだけではなく大人も仮装して歩いています。仮装した大人は暗くなってくると増え始め、反して子どもたちは徐々に減り、入れ替わって行きます。大人たちは元々気さくに話しかけてくれる人達なので、
「へい!それいいね!」
なんてすれ違いざま陽気に会話しています。子ども達にも
「Hi, cutie! (こんにちは、かわいい子)」
なんて声をかけてくれます。日常の景色全てがパーティー会場のようです。居るだけでワクワクし、人々の交流もとても楽しく、高揚感があります。
こうして一年に一度だけの最高に楽しい夜は更け、やがて子どもはいなくなり、大人たちの時間へと変化していきます。
デトロイトでの本物ホーンテッドハウス
最後にミシガン州デトロイトでのハロウィン体験の話をさせてください。
デトロイトといえば全米No.1の治安の悪さ。夫の勤務先があり、日本領事館やレストランもあるので何回か訪ねました。当時の我が家から車で20分ほどかかります。
そうしてデトロイトを知った上で小学低学年の娘と2人でハロウィン無料イベントに参加しました。
その日は毎週日曜日に行われているfarmers Market(ファーマーズマーケット。農家直売所)もあって賑やかです。ハロウィンイベントはそこから一本入った道で、周りより3mほど低く歩道のみ細長く繋がっています。
その入り口には廃墟が並んでおり、ガラスは割れて燃えた跡が残っています。中には麻薬中毒者が潜んでいそうな不気味さ。その横をハロウィンの仮装をした家族が通り過ぎて行くので私達も先へ進みました。
イベントは子どもが楽しめる内容で、企業からの景品やミニゲーム、干し草で作った椅子に座って映画観賞会など盛り沢山で、細長い道を楽しく沢山歩いたのですが、帰りはやはり先程の廃墟を通らねばならず、まさにリアルホーンテッドマンション。
楽しさと不気味さが混在する、なんとも不思議な一日。
翌年も行きたくて娘に提案したのですが、不気味な印象の方が強く残っていたようで、
「行きたくない!」
と拒絶されました。残念。一度きりの貴重な経験だったと思います。
参考:当方著「アメリカでの暮らし 隠と陽の入り混じる異世界都市デトロイト」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?