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いつか、わたしのために月に登ってくれる人がいるらしい
2022年1月。
今年のやりたいことリストの1つに「NetflixをTVで観られるようにする」という、なんとも次元の低い項目を掲げた。
それは、もうかれこれ2年くらい未達の目標だった。「いいから早くやれよ」と言われそうだが、機械音痴なやすこには、500mハードル走レベルの話。
それが突然。
とある盛大に酔っぱらっていた夜、AmazonがFire TV Stickを謎セールしていたタイミングでぽちっと購入に至り、やすこはあっけなくハードル走を完走したのだった。
案ずるより産むがやすし過ぎる
どんな日本語だよと思うが、これに尽きた。
なんでもっと早く購入しなかったのか。
ハードル走完走後、使用していない日は皆無。
Netflix、YouTube、U-NEXT…いままでスマホのちいちゃい画面で繰り広げられていた世界が、大迫力で迫ってくる。
観たいものだらけ。世界は観たいものであふれている。
便利な世の中なもので、Netflixはわたしにおすすめの動画を、マッチ度まで付けてご丁寧にプレゼンしてくれる。
そこでひたすらに「98%」というハイスペックなマッチ度を誇っていた海外ドラマがある。
「セックス・エデュケーション」
セラピストの母を持つオーティスは、経験もないのに性的な知識が豊富な高校生。同級生に誘われ、人付き合いが苦手な彼が秘密のセックス相談クリニックを始める。
おい、わたしはそんなにエッチじゃないぞ
確かに、同僚に薦められて「全裸監督」は観た。
松坂桃李がとにかくすごいと聞いて、「娼年」も観た。
ついでに「金魚妻」だってもちろん観た。
だからって別にそうゆうわけじゃないぞ!と誰に対しての恥じらいなのかも知らないが、しばらく98%に納得がいかぬまま、無視を決めこんだ。
「人をエッチみたいに言いやがって、失敬な」と思っていたが、いつまで経ってもおすすめされる。
無視しても納得いかなくても、あまりにもおすすめされるので、もしかしてわたしそうなのかな?と思いつつ、根負けして観ることにした。
結果、号泣アラサー爆誕
結論から言うと、エッチだけどエッチなだけじゃない非常に深いドラマだった。
イギリスの高校生たちの、恋愛、友情、悩み。LGBTQなどあまり日本のドラマに無さそうな、攻めた内容も多かった。
なにより、ストーリーや台詞がとても良かった。キャストの演技もみんな素晴らしかった。
結果、しょっちゅう泣きながら観る羽目になった。
なかでも、酸いも甘いも苦いも酸いも酸いも酸いも経験したアラサーが、うっかり高校生の主人公オーティスに心を突き動かされた台詞を、最後にご紹介したい。
フラれて自暴自棄になった友人に、オーティスが言う。
愛は月や星のような大げさなものではない。
単なる運だ。
同じように感じる人に出会うこともある。
そうじゃない時も。
いつか 君を理解してくれる人に出会う。
地球には70億人もいる。
誰かが 君のために月に登ってくれる。
※フラれた友人は自暴自棄になり天井装飾の月に登っている。活字ではまったく伝わらないため観てほしい。
単なる運だ。
いつか、やすこのために、月に登ってくれる人がいる。
と、考えてよろしいのだな。
ありがとう、オーティス。
今夜はいい夢みるよ。
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