カバ

セルフィー男子 10

こちら、アメリカで、

男性が、デートサイトのプロフィールに載せがちな、イマイチ写真として例にあげられるのが。

1.高級車と俺。2.上半身はだか、下半身ギャランドゥー見せギリギリラインのはだか 3.大勢の友達との写真で、あなたがどれかわからない。4.押し出しすぎるマッチョ感、ジムで鍛える俺。5.サングラスで顔が見えない  6.現在の見た目と違いすぎる、若くて、痩せてて、髪がふさふさだった頃の写真 7.アー写風(アーティストやモデルの宣材写真)写真に写っている、かっこいい人が本人では無い可能性があり、他人の写真を使っている詐欺の可能性大    8.セルフィー(自撮り写真)が多すぎる。


3年前ぐらいにデートした、リアムはとにかく、よくセルフィーを撮っていた。そしてインスタグラムに載せる。はー

セルフィーが多い男性は、サイコパスの可能性が高いと聞いた事もある。(わかる〜。)

当時、彼は37歳、身長は187ぐらい、細身、全身オールセインツ(ブランド)、オール黒で革ジャンにスキニージーンズをブーツにインしている、

髪型はその頃、特にヒップスター達の中で流行っていた1920年風。後頭部と耳の横部分の髪は頭頂部にかけて綺麗に剃り上げられ、トップの部分の髪を長めに残し、その少しキャラメルブラウンの美しい金髪を櫛で横に流したスタイル。その残した髪と、シェイブされた部分の分かれ目に所に真っ直ぐのラインを入れるのが、こだわりらしい。。。

たしかに見た目はかっこいい、ただ、中身がダメ過ぎるのだ。笑

彼とは某デートサイトで知り合った。最初は、ソーホーのスペインレストランBoqueriaで会って、その後、イーストヴィレッジ でBIG GAY ICE CREAMか悩んで、結局、Van Leeuwen Artisan のストロベリーアイスクリームを食べた、

この後、彼が仕事しているバンドメンバーとボーリング行くから、一緒に行こうと誘われ。Bowlmor Times Squareに向かった。

バンドのメンバー達と若手俳優(ナポレオン ダイナマイトって映画に脇役で出たらしい)とボーリングして、しばらくして、2人でみんなの元を離れ、ゲームセンターで、ピンボールゲームをし、

帰り際に、ガールフレンドになって欲しいと言われて、エレベーター中で、まっすぐに降ろした私の両腕を、彼が正面から、私の両ひじの辺りを、そっと抱えこむように押さえて(花束を両サイドからまとめる時の様な)、私達は、軽くキスをして別れた。

最初のデートは悪くなかった。そんなにすぐにガールフレンドになって欲しいなんて、ここ数年言われていなかったから。フワッとした不思議なうれしい気持ちになった。

彼が音楽関係なので、この頃は、ちょっと、グランジっぽいけど、汚らしすぎないチェックのシャツに、切りっぱなしジーンズのショートパンツにスウェードのカーキ色のアンクルブーツ。イメージでいうと、毎年カリフォルニアで行われる、ミュージックフェスの、“Coachella”(コーチェラ)にいる女の子達みたいなファッションで彼には会っていた。

数日後、彼が仕事していた、メンフィス出身のロックバンドのライブに招待してもらい、楽屋にも入れてくれた。黒の革ジャンのメンバーの一人は日本のファンは最高だと言っていた。

その後、彼は、2〜3週間不在で、戻って来てから。少し日本語が少し話せるってのもあって、なんとなく付き合い始めた。

彼は、バンドと全米をまわるので、ニューヨークにいない事が多い、会えない時は、テキストで、やたらと甘いメッセージをくれる。

熱いメッセージや盛り上がりがすごい男性は、自分に酔っていて、すぐいなくなるから、信用出来ない、 だけど、すぐに終わるこの時期を一緒に盛り上がっておかないとな、とも思った。

彼は、音楽関係で、幾つかのバンドと仕事をして、日本にも数回訪れたことがあるらしい、

朝の目覚めの曲は、Jay-Z 『Brooklyn Go Hard』を大ボリューム。

私が、感心するアメリカ人の躾けの一つとして、男でも女でも、ダラしそうな人でも、ベッドメイキングだけは朝から完璧だ。(ベッドの国の人だもの)

毎晩、ギターを抱えながら、欠かさずウイスキーを飲む。ミュージシャンを見た目から入っている男。後から気が付いたけど、絶対に将来後悔するであろう系デザインのタトゥーが入ってる。裏方ではなく、きっと自分がミュージシャンになりたかったんだろうなと、切なくなる。

そして、彼は、少しアヒル口にしたセルフィーを沢山送ってくる、本当に、自分にもの凄く自信が無いのが原因な、極端に不安定なスーパーナルシストで、しょっちゅう立ち止まっては、黄昏の街角で、自分の写真を撮っている。(女子か!)

見た目にも異常に気を使っていて。diptyqueやロクシタンのメンズのあまーい香りの香水をふって、クリニークのファンデーションまでポーチに入っている、それをつけている彼を鏡越しにチラッと見ると、私は何も言っていないのに、(なに見てんだよと言わんばかりに)「俺、すぐ顔が赤らんで、嫌だから!」って、そのアクアマリンの色の瞳で睨みをきかせてくる。

こだわりのバーバー(床屋)でヘアカットしてもらっていて、「ヘアサローン(美容室)じゃなくて、バーバーなんだよ、わかる?カオリ!」とまで言ってくる。(annoying!)

たまに出来る、ニキビを異常に気にしていて、そんなの私は気にしないよ、大丈夫だよって!薬をあげても、「俺は昔すっごいデブで、腕には、お前が想像出来ないくらいの出来物ができたことがあるんだ!俺は本当に気持ち悪い人間なんだ!」って。窓に背を向け、逆光で暗くなった顔でそんな事言われても余計怖さが増す。(軽いホラー映画だな)

母親はブロンド美人で、3度結婚をしていて、父親も2度。100%血が繋がっている兄弟は1人だけど、それ以外だと7人いると、破綻している家族構成を悲劇タッチで語ってくれた。(Awwwwww)

ある日、彼の部屋を訪ねると、私の為に買ってくれた、ピンクのスリッパが無い、し、クローゼットの中に隠されている。しかも自分では買わないであろう最新号のVogueがテーブルの上に、鈍感な私でもわかる、他の女来ました感。ははーん。

サンクスギヴィング シーズンになるとよく放映される映画、スティーブ マーティンの『Planes.Trains and Automobiles』を観てながら、カウチでリラックスしている時に、

突然、私は、「あのさー、誰か他の女の人来たよね?」

すると、彼は体をさっと起こして、眠そうでリラックスしていた顔をみるみる赤くして「なんで?なんでそう思うの?なんでそう言う事を言うの!」と凄く動揺し始めた。

私、「女の勘かな?」(スリッパの事は言わない) 

彼、「なに?勘って?なんなのそれー!!!」と逆切れし始まって「確かに女性がここには来たけど、、彼女は友達で、、、」と自白し始めた。 

まだ彼をそこまで好きになっていなかったので、そこまでショックは受けなかった。

その後も、彼を理解しようと努めたけれど、難しいね、、 最初から、こうなることは、わかっていたんだけどね。ネガティブすぎて、、、食の好みは合ってたかな。私に、わがままな、彼女ができたみたいだった。

本当に、インセキュア(不安定)で、別れよう、戻ろう、結婚しよう、別れよう、戻ろうを、何度も繰り返す彼が、4.5回目ぐらいに別れようと言った時、OK!と別れた。

リアムとの良い思い出といえば、、

部屋に飾られていた、Hang in there, Baby(頑張れベイビー!というアメリカでは有名なキャッチフレーズ)と書かれた、子猫がロープにしがみついているポスターと、 

本物のモミの木、グリーンの強い香りがする、あの大きなクリスマスツリーを一緒に買いに行った事と、

ブルックリンのレストランMayfieldの、リンゴとリコッタチーズ、松の実が入った、ケールサラダと、甘いポークチョップ。


*物語中に掲載されたお店

Boqueria   171 Spring St, New York, NY 10012

BIG GAY ICE CREAM 125 E 7th St, New York, NY 10009

Van Leeuwen Artisan 48 E 7th St, New York, NY 10003

Mayfield   688 Franklin Ave, Brooklyn, NY 11238


 



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