シェア
プランニングにゃろ
2014年11月18日 22:15
「もういい加減、分かっただろ? そんな薬どこにも無いんだよ。」砂漠のオアシスの給水所で、むせながら水を飲んでいる私に、ガイドの少年はおよそ子供らしくない、諭すような口調でそう言った。「冗談じゃない! 見つけるまではあきらめてたまるもんか! 私の寿命が尽きる前に必ず見つけ出してやるんだ! 不老不死の薬を!」少年はヤレヤレといったジェスチャーをしただけで、それ以上は何も言わず、小走りで
2014年9月27日 20:07
世界を救う勇者に、オレはなる!ドラゴン退治、姫の救出、幻の薬草調達など数々の依頼をこなし、ディスティニーランド全土に名を轟かせたオレは、稼いだ報酬で最強の武器と防具を手に入れ、戦闘技術も極限まで鍛え上げ、近い内に魔王を倒し、世界を救った勇者として伝説になる予定なのだ。魔王の居場所はすでに突き止めていたが、乗り込むにはまだ早い。念には念を入れ、魔王の弱点を調べておく必要がある。予備の武
2014年11月26日 07:11
俺は、動物専門の詐欺師である。動物と会話できるという、生まれながらの能力を利用し、動物カウンセラーとして森を渡り歩き、動物たちから金品を騙し取って生計を立てている。人間社会に愛想をつかせた俺にとっては、うってつけの商売だ。さて、今日のカモはメスのタヌキだ。金を持っているかどうか怪しいが、最悪2、3日分の食料にはなりそうだ。 俺「えーと、つまり、こういう事だね? とある人間の男
2014年11月5日 01:37
「願いは、かなう。」…とは、昔から言われてきたが、近年それは当たり前の現象になっていた。神の奇跡か人類の進化か、純真な願いなら結構かなってしまう時代なのだ。詳しい原理は解明されていないが、特に子どもたちの願いは、よくかなう。そんな訳で、クリスマスイブの夜には、もはや晴れていても星は見えない。おびただしい数のサンタたちが、夜空をギチギチに埋め尽くしているのだ。<完>【
2014年12月23日 16:24
はじめに「クリスマス残業」ありき。クリスマスイブは、恋人のいるリア充たちが早上がりする分、非リア充組である僕の仕事が増える訳だ…。まあ、毎年の事だけど…。でも、ずっと大好きだった総務部の田中さんがウキウキした様子で早上がりしてったのは、さすがにショックだった…。彼女の魅力を分かってるのは自分だけだと思っていた僕がバカだった…。彼女に話しかけることさえ出来無かった自分が情けなくて情けなく