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【小説】葉桜の季節に君を想うということ (歌野 晶午)

かつては探偵事務所で働き、いまは「何でもやってやろう屋」を自称して気ままな生活を送る「俺」成瀬将虎。
ある日、高校の後輩のキヨシの頼みで、彼が密かに惚れている久高愛子の祖父の不審死と、高額で布団や健康食品を売りつける蓬莱倶楽部の調査を引き受ける。
そして同日、駅のホームで飛び込み自殺しようとした女性・麻宮さくらを助けたことで、運命の歯車が回り始める...
というお話。

小説ならではの表現。
いつも先入観で物を見ているなと思い知らされる。

ドンデン返しの作品はあまり好みじゃないというか苦手なんだけど...この作品に関しては喉越し爽やかな感覚で読み終えられた。
この作品に関しては「ズルイ」と感じるのではなく「ウマイ」と感じられたからなんだろうな。
文章やストーリーも読みやすいのでミステリー初心者にオススメできるかな?
初っ端から下ネタ全開だけど、そこはご愛嬌って事でw

何より物語がしっかりと練られているし、分かりやすく感じられる作品なので読み終えた後は達成感にも似た感覚があった。

登場人物達のその後を考えると、一概にハッピーエンドとは言えないがしっかりと風呂敷を綺麗に畳んでいるからか、なにかつっかえる感じがないのも良かったな。

悪の元締め的なキャラクター・呉田が講釈するシーンは、こいつなんだかんだでしっかり勉強してるなとつい吹き出してしまった。

年寄りの冷や水?
老いて益々盛んって事でしょ?

#読書 #読書記録 #読了 #小説 #読書感想文 #読書好きな人と繋がりたい #文春文庫 #歌野晶午

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