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【小説】シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗 (高殿 円)

2013年秋、ベイカー街221bで顧問探偵シャーリー・ホームズと同居生活を送る女医のジョー・ワトソンに、叔母キャロルがから結婚すると報せが届く。
夫となる男性はデヴォン州の名家バスカヴィルの当主で、ジョーは屋敷に招かれるが、脱獄した殺人鬼と魔犬伝説が街を騒がせ、さらに叔母夫妻に脅迫状が。
ジョーたちに見えない危険が迫っていた。
半電脳と人工心臓のためロンドンを離れられないシャーリーはジョーを助けられるのか...
というお話し。

性別逆転現代版ホームズ・パスティーシュ第2弾。
前作『緋色の憂鬱』は読了済。

遂にバスカヴィルネタでこするのも本作で終着。
原作を上手く転換させて過去の密貿易絡みで権力を得たバスカヴィル家の憲兵という意味になってたと。犯人のステープルトンも水葬され湿地遺体となっているバスカヴィル家の一族の遺体をバイオテロのための病原菌を売買に使うためにアレコレしてたっつーわけ。

前作に引き続きブロマンスというか、シスターフット的な空気は健在で実に善きかな。

ただ、危ないお薬盛られていたっつー出来事はちょっと強引かなぁーと...。
現実離れした事象を現代ベースに取り込むなら、まぁやむを得ない所はあるんだよな。

あとは前回に比べて物語というか、原作を踏襲するとどーしてもシャーリーとジョーの絡みが少なくなってしまったのが残念。

それでも、原作を読んでいなくても楽しめて、しっかりとあらゆる要素のオマージュをエンタメ化して落とし込めているのは実に見事な作品だと思う。

オカルトやら妖精事件やら親和性が高い(?)コナンドイルも2人のそこはかとない百合領域展開にはにっこり?

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