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お金の哲学〜大富豪のお金の使い方②〜

時計選びで、

一般人は、
ロゴの目立つタグホイヤー

小金持ちは、
ド派手なロレックス

大富豪は、
地味なパティック・フィリップ

「大富豪はいい時計をする」という定説は大方あっていますが、「大富豪は派手な時計をする」というイメージは正確ではありません。

とくにいかついロレックスなど「お金持ちの象徴」とされるような時計は、それ自体のアピール力が強いので敬遠する方が意外と多いのです。

もちろん、芸能人やセレブなど、自分の存在を「盛る」ことが仕事の場合はこの限りではありませんが、ビジネスパーソンでド派手な時計をしている人は調子にのっていると思われたり、信用ならないと思われたりすることもあります。

以前、ある超富裕層の投資家と会食をしているとき、時計の話題になったことがあります。

その方は日頃からお金持ちアピールをほとんどされない方で、街中を歩けば上品なサラリーマンくらいにしか見えません。時計も黒革のベルトに白い天板の超シンプルなものを着けられていました。

時計にほとんど興味ない私ですら「ちょっと欲しい」と思ったセンスのいい時計だったので、何気なくメーカーを聞いてみたところ、なんと世界最高峰のパティック・フィリップ製。気づかなかった私にも問題があるのでしょうが、余裕で高級車一台が買える代物であるにも関わらず、主張しすぎない、とても落ち着いた佇まいの時計だったのです。

「どうりで心が動かされたわけですね」と唖然とする私に、その投資家が言われたセリフが印象的でした。

「まぁ、今日は近しいメンバーと会うだけだからこれにしたけど、普段はグランドセイコーくらいだよ。基本的にあまり目立ちたくないんだよね。変な人たちが寄ってくるからさ。」

このように、大富豪が金持ちアピールを避ける最大の理由は、実は安全面についてです。お金を稼ぐことにデメリットがあるとすれば、悪い人間を呼び寄せてしまうことでしょう。

私が小さい頃テレビで人気者だった城南電機の宮路社長は、ダイヤ入りの特注ロレックスを身に付け、ロールスロイスに乗り、いつと数千万円の現金を持ち歩いていると公言してはばからない豪快な社長でした。

ただ、あとあとになって宮路社長は何度も強盗に遭っているという話を聞いて子どもながらに恐怖を感じた記憶があります。

海外になればこの傾向はさらに顕著になり、これ見よがしタイプの金持ちはボディーガードと自宅常駐の警備員がいるのが当たり前。単独行動するときはいたって地味な格好をします。

直接的な強盗被害に遭わなくても、誘拐、投資詐欺話、美人局、謎の親戚の出現など、悪巧みをする人間はいくらでも湧いてきます。そういった危険をいかに遠ざけるかも大切なことです。

また、あまりに派手な格好をすると妬み嫉みで意味なく敵を作る恐れもあります。本人は何もしていないのに「あいつ嫌味なやつだな」と思われてしまうこともあるでしょう。

本当の大富豪は出来る限り敵を作りません。自己顕示欲を満たしてチヤホヤされるよりも、謙虚な振る舞いをした方がはるかに得る物が大きいことを知っているのです。

信用や好感を買って、より大きなリターンを得る。こちらも投資発想と言えます。

私の感覚ですが、最近の傾向では若い経営者で時計をしない人が圧倒的に多くなりました。もししているとしても大半がアップルウォッチです。

何事も効率的に働きたい世代からすれば理にかなってますし、ウェアラブルが今後進化を遂げることが確実な状況下で、最先端のモノに触れておきたいという心情もあるでしょう。

「社会人で時計をしない人や、遊び感覚の腕時計をしている人は信用されない」という通説は、どうやらITの力の前に道を譲ることになりそうです。

能ある鷹は爪を隠す

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