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「スマートフォンやセンサーを用いたPoC分析の実際」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第39回


■スマートフォンやセンサーの普及と精度アップ

弊社ではここ数年、顧客経験価値重視の商品開発プロジェクトで、スマートフォンやセンサーを用いたPoCを実施しています。特にスマートフォンは、隅々まで普及し、かつ性能が高くなり、PoCの欠かせないツールとなっています。フィットビットやアップルウォッチなどのウェアラブルセンサーも、以前に比べ精度もよくなり、いろいろな情報が入手できるようになりました。アップルは2020年9月に、血中酸素濃度を測定する機能を搭載したアップルウォッチの販売を発表しました。PoCではデータ収集と分析が欠かせませんので、こういった端末の普及の動向は常に注視し、実際に利用できるかどうかこまめに検証しておく必要があります。

■スマートフォンやウェアラブルセンサーを活用したPoCの手順

スマートフォンやウェアラブルセンサーを活用したPoCの手順は以下の通りです。

顧客経験価値調査のフロー

①商品、ビジネスモデル、顧客経験価値仮説の確認とPoC実施計画の策定

  • 商品コンセプト仮説、ビジネスモデル仮説、顧客経験価値仮説の3つの仮説を確認

  • 検証すべきPoCなどを明確にし、PoCの実施計画を策定する

②検証する顧客経験価値の設定

  • 対象のペルソナを設定

  • 顧客経験価値仮説から、使用前、中、後の経験を抽出、PoC用に設定

③測定項目と方法の設定

  • KPIを中心に仮説検証項目の抽出

  • 今回のPoCでの検証項目の設定

  • 被験者に対して、負荷の少ない測定方法を選定

④アンケート内容の設計

  • 被験者を分類するためのペルソナ、価値観、習慣を明確にする

  • PoCに必要な日常での感情や行動の測定項目と幅を設定する

⑤システムの設計

  • 調査対象者の使いやすさを優先し、既存のアプリケーションを十分に活用する(Facebook、LINEなどのSNSの活用)

  • 個人情報管理規定の作成と周知

  • 参加者が自身の情報を閲覧可能にする

⑥顧客経験価値調査の実施

  • 対象のペルソナを設定

  • 使用前後の経験を想定

  • 顧客経験価値は感性〜関係性の5つの内容に応じて仮説を構築

⑦分析・仮説検証

  • 商品・サービスと感性〜関係性の相関性を分析

  • ペルソナ毎に上記の分析を実施し、仮説を検証

⑧顧客経験価値仮説の再構築

  • 検証結果及び、分析内容から得られた内容を元に、顧客経験仮説を再構築する

  • 仮説をもとに、商品・サービス戦略を修正

ニューチャーネットワークス
代表取締役 高橋透

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