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『グローバル社会の未来に向かって、人、製品、企業、文化のもつオリジナルな価値を発見し、それらをネットワークすることで、新たな価値を創造する』

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  • Nuture Networksコラム「Global Age」

    「 Global Age 」では、業界、産業を超えた視点での新たな事業創造を目指し、利益の追求のみならず、顧客、社会、社員、取引先へのバランスのとれた新たな価値提供の方法論、異業種連携、M&A・アライアンスといった経営戦略トピックスなどの知識、情報を発信しております。

  • 「顧客経験価値のための商品企画開発の実践」シリーズ

    「顧客経験価値のための商品企画開発の実践」シリーズをまとめました。 ほぼ毎日追加!

  • Nuture Networks注目記事まとめ

    • 10本

最近の記事

「革新的な顧客価値を経験するのは自分自身が最初であるべきだ」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第41回

顧客経験価値、商品企画、ビジネスモデルの各仮説をマーケティングリサーチとPoCで検証し、いよいよ商品企画も含めた事業戦略を企画構想する段階に入ります。商品開発も事業戦略企画も、社内でも頻繁に発生する業務ではありませんので、沢山の経験を持つ人はそう多くありません。そこで重要なのは事業戦略構想を企画する基本的な考え方を理解することと、フレームワークを習得し、実践で使ってみることです。ここではまず事業戦略構想を企画する基本的な考え方に関して述べます。 ①商品開発も事業戦略も、どこ

    • 「愛すべき自社商品の経験は人と共有したくなる」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第40回

      ■自社の主力商品の経験価値が語れない 商品開発のための顧客経験価値のPoCの最初のフェーズでは、外部の顧客よりも社員を被験者にしたPoCをお勧めします。理由は簡単です。顧客が経験する前に社員が経験しておき、その良さを提供者側としてしっかり理解しておくべきだからです。 現実的に、多くの社員は、自社の主力製品の経験価値を理解していないことが多いと思います。「ああ、アレねっ」という冷めた感じになることが多いのです。確かに定番品で、自分の入社前からある商品は、「またあれか」と知っ

      • 「スマートフォンやセンサーを用いたPoC分析の実際」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第39回

        ■スマートフォンやセンサーの普及と精度アップ 弊社ではここ数年、顧客経験価値重視の商品開発プロジェクトで、スマートフォンやセンサーを用いたPoCを実施しています。特にスマートフォンは、隅々まで普及し、かつ性能が高くなり、PoCの欠かせないツールとなっています。フィットビットやアップルウォッチなどのウェアラブルセンサーも、以前に比べ精度もよくなり、いろいろな情報が入手できるようになりました。アップルは2020年9月に、血中酸素濃度を測定する機能を搭載したアップルウォッチの販

        • 「PoCの実施プロセスは『宝の山』」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第38回

          PoCの実施で重要なのはKPIの検証であることは言うまでもありません。商品コンセプトが妥当かどうかを判断する指標とその目標は、KPIとしてブレークダウンされていますので、そのKPIの達成度合いが商品コンセプトの受容性の判断基準となります。しかしPoCにはKPIの検証だけでなく、重要なことがいくつかあります。ここでは5つ紹介します。 ①商品開発への関係者の巻き込み PoCはとてもエキサイティングなイベントです。商品コンセプトが妥当か否かを顧客に試してもらいその実態を直接把握

        「革新的な顧客価値を経験するのは自分自身が最初であるべきだ」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第41回

        • 「愛すべき自社商品の経験は人と共有したくなる」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第40回

        • 「スマートフォンやセンサーを用いたPoC分析の実際」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第39回

        • 「PoCの実施プロセスは『宝の山』」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第38回

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        記事

          「PoCとは具体的に何をするのか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第37回

          ■PoCを企画する前に事業・商品のコンセプト、ビジネスモデルを明確にする PoCを実施する上で何が最も重要かと言えば、PoCそのものの企画よりも、PoCで検証すべき事業、商品のコンセプトとビジネスモデルをしっかりと企画することです。この2つの企画がしっかりとできていなければ、KPIなど検証すべきことが曖昧で、検証の意味が薄れたり、無意味になったりします。 これまで述べてきたことの繰り返しになりますが、顧客経験価値重視の事業・商品コンセプトとは以下のような項目です。 顧

          「PoCとは具体的に何をするのか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第37回

          「PoCは経営者やプロジェクトリーダーの本気度を表している」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第36回

          ■PoC(概念実証:Proof of Concept)とは何か PoC(概念実証:Proof of Concept)という言葉が最近よく使われています。以前からマーケティングではコンセプトテストなどと言われていましたが、このPoCは少し背景が異なるようです。 PoCはそもそもスタートアップビジネスや企業の新事業開発で、新しく企画した商品、事業のコンセプト全体、もしくはその一部の要素を市場で検証するものです。米国のスタートアップコンサルタントのエリック・リース氏が提唱する

          「PoCは経営者やプロジェクトリーダーの本気度を表している」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第36回

          「競合からいかに学び成長するか」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第35回

          ■競合は自社の成長にとってかけがえのない存在 競合分析はなぜ行うのか?競合とは自社にとってどのような存在なのでしょうか?競合は以下のようないくつもの理由で自社にとって大変重要な存在です。 自社の商品が顧客から引き出す顧客経験価値の独自性を比較する対象であること。自社の違い、独自性を考えさせてくれること 自社に常に緊張感と、生存や成長意欲を与えてくれる存在であること 共に市場をつくり、顧客に認知してもらい、拡大する仲間であること 自社と競合とサプライヤーやデュストリ

          「競合からいかに学び成長するか」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第35回

          「SWOT分析あたりから戦略発想が停滞するのをどう打破するか」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第34回

          ■自前主義の発想は行き詰まりの原因 SWOT分析は事業戦略のフレームの中で最も古典的でポピュラーなもので、多くの方が使った経験があると思います。しかし、SWOT分析に至るまで、マクロ環境分析、有望市場分析、ターゲット顧客分析、競合分析などを一通り行ってきていますが、このSWOT分析あたりで戦略発想が停滞することが多くあります。SWOT分析は分析フェーズと戦略フェーズのちょうど折り返し地点ですが、この時点で可能性と制約条件が整理されると同時に、戦略の方向性が限られてくること

          「SWOT分析あたりから戦略発想が停滞するのをどう打破するか」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第34回

          「ターゲット顧客とペルソナは何が違うのか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第33回

          ■ターゲット顧客とペルソナは何が異なるのか? ターゲット顧客は、マーケティング戦略上認識すべき顧客属性をもった集合です。顧客属性とは、個人で例をあげると、年齢、性別、家族形態、居住地域、職業、年収、趣味などで、その多くはデータとして把握できるものです。一方ペルソナは、ターゲット顧客の中で典型的な特性を備えた顧客の具体的なイメージで、生活の重点やライフスタイル、それを反映させた生活時間の使い方などです。従ってペルソナはターゲットの一部であって、ターゲット顧客の全てを代表して

          「ターゲット顧客とペルソナは何が違うのか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第33回

          「市場そのものを代替(置き替える)できるかという発想が大事」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第32回

          ■顧客経験価値重視では「既存市場そのものを代替(置き替える)できるか」という視点で市場分析する 一般的に有望市場分析とは、自社が参入すべく、規模が大きく成長している魅力のある既存市場を分析することを指します。しかし顧客経験価値重視の市場分析では、「既存市場への参入」よりも、「既存市場そのものを代替(置き替える)できるか」という視点で市場分析します。 なぜなら顧客経験価値重視の商品開発では、顧客の限られた時間とお金が使われる顧客経験価値を、異なる業界と競争し代替したり、時

          「市場そのものを代替(置き替える)できるかという発想が大事」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第32回

          「エコシステムの変化は顧客経験価値を大きく変える」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第31回

          ■エコシステムとは何か?なぜ重要か? 最近エコシステムという言葉をよく聞きますが、私はエコシステムを「産業生態系」と訳しています。エコシステムは、必ずしも契約関係にない企業、組織の大きな共生関係状態です。一方ビジネスモデルはしっかりとした契約関係かそれに相当する結びつきで、継続したシステムになっています。業界や産業よりも範囲が広く、業界を超えた連携が多く見られます。 アップルはISO陣営のエコシステムを形成しています。Googleはアンドロイド陣営のエコシステムを形成し

          「エコシステムの変化は顧客経験価値を大きく変える」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第31回

          「マクロトレンド分析は学習し続けるための刺激剤」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第30回

          ■マクロトレンド分析はなぜ行うのか? マクロトレンド分析とは、簡単に言えば世の中の動きです。マーケティングリサーチの中で誰もが早い段階に実施します。しかし、なぜ行うのかをあまり深く考えないまま、マクロトレンド分析が実施されていることが多いと思います。 マクロトレンド分析はなぜ行うのか?顧客経験価値を中心に考えると明確になります。感覚、感情、思考、行動、共感の顧客経験価値の5つの視点は、人や社会を取り巻く環境で大きく変わります。例えばパンデミックにより急激に景気や雇用環境

          「マクロトレンド分析は学習し続けるための刺激剤」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第30回

          「顧客経験価値のためのマーケティングリサーチとは」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第29回

          ■解を探すのではなく、企画を検証し、修正・学習するためのマーケティングリサーチ マーケティングリサーチは以前、市場がどこに存在するかを調査し、発見することが主な目的でした。しかし今、多くの産業で市場は飽和しており、ニッチ市場であっても市場の存在を調査することは難しいし、たとえ発見し事業化したとしても短期間で模倣され、あっという間に市場は飽和するでしょう。今マーケティングリサーチの目的は大きく変わりました。それは企画した独自の商品やビジネスモデルとそれによって生み出される独

          「顧客経験価値のためのマーケティングリサーチとは」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第29回

          「戦略として顧客経験価値をどのように企画するべきか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第28回

          戦略として顧客経験価値をどのように企画するべきか?これまでカスタマーエクスペリエンスマップなどの分析を通じて顧客経験価値の全体像や、手がかりとしての重要なコンタクトポイントなどは把握しましたが、戦略としてあるべき顧客経験価値を企画するには、その本質を考え、絞り込みや重点化を検討する必要があります。 顧客経験価値を企画するためには、3つのことを前提にしなければなりません。それはカスタマーエクスペリエンスマップ、商品、ビジネスモデルです。 カスタマーエクスペリエンスマップでは

          「戦略として顧客経験価値をどのように企画するべきか?」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第28回

          「ビジネスモデルという発想があって顧客経験価値は発展してきた」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第27回

          ビジネスモデル企画とは、単に商品を作り販売するという単純な仕組みではなく、より高度な顧客経験価値を提供するために、他社と連携したり、商品以外の情報やサービスを提供するために、ビジネスの仕組みを工夫したりすることです。 ビジネスモデル戦略が注目されたのは、インターネットの普及が影響しています。インターネットが普及して、企業と顧客は双方向のコミュニケーションができるようになり、また自社の商品に他社の商品やサービスを組み合わせて紹介したり、さらにはAIを活用し、顧客の好みを推測し

          「ビジネスモデルという発想があって顧客経験価値は発展してきた」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第27回

          「高度な思考とデザイン能力が要求される商品コンセプト企画」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第26回

          ■顧客経験価値を重視した商品コンセプト 商品アイデアと商品コンセプトとは全く異なります。商品アイデアは商品コンセプトの個々の要素です。商品コンセプトとは、商品アイデアを取捨選択し、競争力のあるひとつの概念にまとめたものです。 顧客経験価値を重視した商品コンセプトは以下のもので構成されます。 ①顧客ペルソナ(ターゲット顧客) 顧客ペルソナとは商品の対象となる顧客の属性や具体的な特徴。年齢、性別、家族構成、年収、居住地域、職業、趣味、平日、休日の基本的行動、情報収集の媒体

          「高度な思考とデザイン能力が要求される商品コンセプト企画」顧客経験価値のための商品企画開発の実践 第26回