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〈からだ〉に聞いて食べなさいl管理栄養士の読書

食べることは健康になるためだけではない。
自分自身を受け入れ、愛することに繋がる。

□<からだ>に聞いて食べなさい/リズ・ブルボー/ハート出版

□3つのエピソード
1.栄養たっぷりの料理を作っても食べてもらえない…
人は無意識に自分自身をコントロールしていることがある。
これによって、自分自身でストレスを生み出している。

子どもたちに、栄養たっぷりの料理を時間をかけて作ったが、
食べてもらえなかった。
これに対して、「せっかく作ったのに、時間の無駄だ…」とストレスを感じてしまう。
でも、本当はこれには様々な要因が絡み合っている。

まず1つは、完璧な母親にならないといけないという自分へのコントロール。
完璧な母親は、栄養の偏りによって子どもを病気にさせてはいけないと思う。これは正しいことだが、そこに支配されて子どもたちを見ることを忘れてしまっている。
もう1つは、子どもたちに拒絶されたという想い。子どもたちは母親を拒絶しているわけではないが、自分が手間暇かけた料理を食べてもらえないと自分を拒絶された気持ちになる。

でも、これには大きな要因がある。
それは、子どもたちがなぜこの料理が自分にとって必要なのかが理解できていないから。
そこが理解できていないと、栄養たっぷりの食事よりも、ジャンクフードを選んでしまいたくなる。
ここで大切なのは、子どもたちに「体の主は自分自身であること」を伝える。自分たちが食べたものによって自分たちのカラダが出来ているのだと伝える事。
それにより、自分が何を食べるべきかを考えるきっかけになる。

2.食べてはいけないと分かっていながら食べてしまう…
ダイエット中など、食べてはいけないと思いながら食べてしまう。
また、特にお腹もすいていないのに、口さみしくなり食べてしまう。
でも、これを行うことにより、自分自身の誘惑に負けたことへ罪悪感を感じてしまう。これを繰り返すことで、自分自身への自信を失ってしまう。

ただ、この時に、自分の中で反省をしないから繰り返すことになる。
食べたくなった。ではその食べたことによって何が起こるのかという自分の実体験をきちんと理解しないと同じ事を繰り返す。
食べたくなってしまったら、無理やり欲求を抑えるよりも、自分にきちんと問いかける。
「これから自分にこれが本当に必要なものか実験してみる」
それを食べたことにより、自分がどうなったかにきちんと向き合う。
結果、自分の体がどう変化したのかを理解することが出来、本当に自分にとって必要だったのかを考えることができる。

3.自分を受け入れる
どの自分も受け入れることから自分を愛することに繋がる。
自分の体の声のままに食べたら、不健康になるのではと思うかもしれない。
でも、自分は自分の体を大切にしようとする。
自分の体が大切にしたいと思う声を聴いて、それに従って食べるようにしていく。

自分のことを受け入れられるようになると、誰かを同じように愛することもでき、周りから同じように愛されるようになる。

□マイエピソード
管理栄養士として栄養指導をする時は、常にカロリーなど数字上の指導ばかりでした。
でも、それは完全に個人の意思を無しにした考えです。
型にはめ込み、その型に当てはめられなければだめ。
そんな指導でした。

でもこれを楽しんで継続できる人はなかなかいません。
なぜなら、自分自身の声を無視しているのですから。
そして、勝手にカロリーという支配により、それを超えるような食事をすることはダメな自分という罪悪感を生み出すだけ。

わたし自身は、この体の声を聴いて食事を考える方法にしてから、本当に楽になりました。もちろん、自分の食べる基準は用意しています。
でも、そこが絶対ではなく、それをベースにその日の食べたいものに合わせていくことを意識しました。
自分の声を聴いてくれることに自分自身が喜んでいること。
そして、自分の体に必要なものが入ってくることに自分自身が喜んでいること。
そんな自分自身が愛おしくなること。
食を通じて、自分というものをすごく好きになりました。

食は、単に健康になるためやお腹を満たすためのものではありません。
日々の自分と向き合い、自分を満たしてあげるための最大のツールだと思います。
1人でも多くの方が、自分の声を聴いて食事が出来るようにサポートできたらと思います。

□今日からやること
自分の声を改めて聴いて料理をする

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