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粘膜の質をよくする(バリア機能を強化する)栄養素とその食べ物



前回の記事
「免疫と自律神経の関係」の続きです。

1、粘膜のバリア機能を強化する栄養素とその食品

体の表面を覆っている皮膚や、体の内側にある粘膜は、病原体(ウイルスや細菌)や異物から私達を守ってくれている大切なバリア機能の一つです。皮膚や粘膜が何らかの原因で乾燥したり、細胞と細胞の間に隙間が空いたりすると、そこに病原菌や異物が入りやすくなります。なので、毎日生まれ変わる皮膚と粘膜の細胞が、丈夫に作られるように、材料となる栄養素(食品)を、毎日絶えず摂り続ける必要があります。
皮膚や粘膜のバリア機能を強化する栄養素はこちらです。

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よく見たり聞いたりする栄養素の名前ばかりなので
ちょっと安心しますね(*^^*)
次に、これらの栄養素が含まれる食品と
その栄養素がなぜいいのかについて見てみましょう。

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●たんぱく質●
筋肉、臓器、皮膚、骨、毛髪など、体のパーツを作る栄養素の一つであり、体の機能を調整するホルモン、酵素、抗体などの材料にもなるので、生きていくために最も重要な栄養素です。毎日、体中の古い細胞は壊され、新しい細胞が作られていますが、たんぱく質をとる量が不足してしまうと、あらゆる箇所の細胞の合成がうまくいかなくなってしまいます。それに、たんぱく質の行き場所を私達が自分で決めることはできないので、粘膜の細胞をつくる用にもたんぱく質がしっかり行き渡るように、摂取不足にならないように気をつけましょう。

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●食べる量
1日に必要なたんぱく質の量の目安は、体重1kgあたり1〜1.5gといわれています。(スポーツやトレーニング習慣がある場合は多めにする。2gまでOK)
計算すると、体重50kgの方は50g〜75gのたんぱく質が必要です。その量のたんぱく質を食品から摂ろうとすると
1回の食事で①肉を約100g②魚を約100g③卵を1〜2個④豆腐1/2丁と納豆約100g
の中から2つを選んで食べるくらいが目安です。

●年齢別 1日に必要なたんぱく質の量

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●食品に含まれるたんぱく質の量
食品の重さではなく、食品に含まれているたんぱく質量であることに気をつけてください。

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肉なら重さの5分の1くらいがたんぱく質量です。
(100gの重さに、約20gのたんぱく質が含まれている)

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●たんぱく質をしっかり摂ろうとするときの問題点として、同時に脂質もしっかり摂ることになる食品(脂身の多い肉や魚など)があることや、必要量を1日3回の食事で摂るのが難しい場合があります。そんな時は、たんぱく質だけを摂る方法として、たんぱく質が粉状になったプロテイン製品で補う方法もあります。ただし、加工食品を購入する場合は、人工甘味料や香料などの食品添加物ができるだけ少ないものを選ぶようにしましょう。
さぁ、あなたの毎日の食事。
必要なたんぱく質量は足りていますか?
たまに、計算してみてくださいね。


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●ビタミンA●
ビタミンAは、全身の皮膚と口から肛門までの粘膜が作られるときに、絶対に必要な材料です。(ということは、もちろんのどの粘膜の作成にも関わりますね!)
ビタミンAが不足すると、ターンオーバー(皮膚の作り替え)がうまく行われず、乾燥したりガサガサになったりして、皮膚と粘膜のバリア機能が衰えます。(病原体が入ってきやすい!危険!)
皮膚と粘膜を強くするビタミンAの不足が起こらないように、以下の食品を積極的に食べましょう。

●ビタミンAが多く含まれる食品

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●その他
・ニキビ治療にも役立つ栄養素です。
・普段の食事で摂り過ぎる心配はありません。むしろ上記の野菜を食べない方には不足しがちな栄養素です。
・サプリメントやビタミン剤を摂取する場合は過剰摂取に気をつけて。(プロビタミンA(ビタミンAの前段階)のβ-カロテンの摂取による過剰症の可能性はほとんどないと言われてますが、ビタミンAそのものをサプリメントで摂取する場合には注意が必要です。)

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●ビタミンC●
ビタミンCは、細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるときに必要なので、丈夫できれいな皮膚と粘膜を作るには必要不可欠の栄養素です。
他に
・鉄やカルシウムなど、ミネラルの吸収率をUP
・細胞が錆びるのを防ぐ
・シミを薄くする、できるのを抑制する
といった働きもあります。

●心身のストレスでビタミンCは大量に消耗する
毎日の飲酒、喫煙、不規則な生活習慣、心のストレスによって、体内のビタミンCが大量に消費されてしまうので、ストレスを感じる方は意識して摂りましょう。

●ビタミンCが多く含まれる食品

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ビタミンCは熱に弱いため
・生で食べられるものは生で食べる。
・食材を汁物に入れた場合は汁物も飲む。
(ビタミンCは水に溶けやすい特徴もあり)
・茹で時間を短くして、ビタミンCの損失を最小限にする。
などの工夫をしましょう。

さつまいもとじゃがいものビタミンCは
熱に強いので、熱を与えたとき
他の食材よりビタミンCの損失率が低いです。

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●ビタミンD●
ビタミンDは骨を丈夫にする栄養素として有名ですが、細胞と細胞をくっつけて、丈夫にする働きもあることがわかってきました。そのため、ビタミンDが不足すると、皮膚や粘膜のターンオーバー(作り替え)がうまくいかなくなってしまいます。また、免疫機能の調整にも関わります。

●ビタミンDが多く含まれる食品
きのこ(干ししいたけ、きくらげ)、卵黄に含まれていますが、より多く含まれているのが魚です!
[魚の種類]
しらす干し、いわし、鮭、うなぎ、さんま、たらこ、まぐろ、ぶり、さわら など

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●日光浴でビタミンDを生成する
ビタミンDは食事からも摂取されますが、主には、皮膚に紫外線B波(UVB)があたる事によって、体にあるコレステロールからつくられます。日常生活の中で自然に紫外線にあたり、普通の食事をしておれば不足することはありません。
しかし、魚類を十分に摂取していない方で、紫外線にあたらない生活をしている場合はビタミンD不足になり、骨の不健康に繋がるので大変危険です。とくに、骨の成長が盛んな子どもや、お腹の中で赤ちゃんの骨を育てている妊婦さんにとって、適度に紫外線にあたって体内でのビタミンDの生成を促すことはとても大切です。在宅勤務の時間が長く、日光を浴びる時間が短い方も要注意です。また、鬱状態の方はビタミンDの血中濃度が低いことがいわれています。

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●ビタミンE●
私達の体は約37兆個の細胞からできていて、その細胞ひとつひとつは、細胞膜(コレステロール)で覆われています。

細胞膜は、必要な栄養素を細胞内に取り込んだり、異物から細胞を守ったりして、細胞の健康を維持する役割を担っていますが、錆びやすいという弱点があります。活性酸素(※2)によって細胞膜が錆びてしまうと、細胞は壊れてしまいます。しかし、ビタミンEがここで大活躍!優れた抗酸化作用をもつビタミンE自身が細胞膜の代わりに錆びることで、細胞膜を錆びから守ります!(人体ってすごい・・・)

(※2)活性酸素
大気汚染、食品添加物、医薬品、電磁波、放射線、紫外線、ストレス、過度な運動などから生成される、酸素の一種。免疫機能を発揮するよい面もあるが、細胞内のDNAの損傷を引き起こしたり、過酸化脂質を生成したりして、細胞の機能を低下させることもある。(引用:理論と実践スポーツ栄養学/鈴木志保子)

●ビタミンEが多く含まれる食品

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●別名「若返りビタミン」と言われる理由
・高い抗酸化作用による皮膚のシミ予防
・血行促進作用があるので冷えや浮腫の改善につながる
・ホルモン活性作用があるので不妊治療や更年期障害にも有効

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●鉄●
鉄といえば「貧血」という言葉が思い浮かび、血に関する栄養素のように思いますが、実は皮膚と粘膜の健康にも欠かせない栄養素です。コラーゲンのもとになる栄養素は「たんぱく質+鉄+ビタミンC」です。胃腸がそれらを消化・吸収し、必要な場所で再合成することで私達の皮膚組織や関節が作られています。

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●亜鉛●
亜鉛は細胞分裂に欠かせない栄養素です。細胞分裂をするときに亜鉛が足りていないと分裂がうまくできないため、ガタガタの異常な組織になってしまいます。(皮膚でいうと、乾燥肌、鮫肌、ニキビ、アトピー性皮膚炎など)
また、加工食品や薬、精神的ストレス、尿、汗で排出されやすい栄養素なので積極的に摂り続ける必要があります。

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最後までお読みいただいてありがとうございました…

私たちの細胞はひとつひとつ脂質の膜で覆われているのですが
マーガリンはその細胞膜をガタガタにしてしまいます。。。

ガタガタになると、細胞内にゴミが入りやすくなります。
(それは、様々な病気の原因になります)
だから細胞の健康のために
できるだけ控えることをお勧めします。


前回に引き続き食べたもので体と心は作られている。
ということが伝わりましたでしょうか…


どんな食べ物で自分の体を作りたいか?ということを
考えるきっかけになれば幸いですଘ(੭*ˊᵕˋ)੭* ੈ♡‧₊˚


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