The Beatles 全曲解説 Vol.67 〜Every Little Thing
異質な構成に響くティンパニ “Every Little Thing”
『Beatles For Sale』11曲目(B面4曲目)。
ポールの作品で、ジョンとポールがリードボーカルを務めます。
ポールが彼女のジェーン・アッシャーの家で作曲したナンバーと言われています。
「彼女のやることなすこと、全てが頭から離れない」という歌詞は、明らかにジェーンに向けたものですね。
この頃は彼女との仲も良好だったのでしょうか…。
彼女に直接語りかけるのではなく、三人称目的格を多用している点は “And I Love Her” を思わせます。
アルバムの雰囲気によく合う、フォークロック調の演奏は魅力ですが、やはり一番の聴きどころはサビ。
ティンパニを使用した最初の楽曲ですが、「ドドーン」という響きが、ともすれば平たくなりそうな曲の雰囲気に力強さを与えています。
パーカッションが常に最適解を出しているのも、ビートルズの強みです。
ところで、この曲はビートルズナンバーの中でも、比較的珍しく「ポール単独の作品で、ジョンとポールがリードボーカルを分け合う作品」となっています。
まず、バースを歌っているのはジョンですね。
このボーカルがダブルトラック処理されているのか、はたまた “Misery” のように、ポールがジョンの声に寄せてデュエットしているのか。
明確に説明されている資料が無かったため、筆者には分かりませんでした。
とにかく、ジョンがメインで歌っているのは確かです。
一方で、サビはポールが主旋律を歌い、ジョンはコーラスに周ります。
おそらくジョンでは主旋律の音域が合わないということなのでしょうが、そうだとすると、ポールはもともとジョンに全部歌わせるつもりだったのでしょうか?
基本的にビートルズは作曲者がリードボーカルを取るため、かなり謎の残るボーカル起用です。
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