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The Beatles 全曲解説 Vol.53 〜You Can’t Do That

アウトテイクと聴き比べるべし! “You Can’t Do That”

『A Hard Day’s Night』12曲目(B面5曲目)。
ジョンの作品で、リードボーカルもジョンが務めます。

この曲もジョンが “When I Get Home” 同様、ウィルソン・ピケットの影響下にあることを証言しています。

ただ、聴いてみると分かる様に、このアルバムで大きなアクセントになっているジョージの12弦ギターの影響で、この曲はよりビートルズ色が前面に出ていますね。

イントロからの12弦のリフはジョージの考案、間奏のギターソロは、珍しくジョンによって弾かれたものだそうです。
浮気性の彼女を諌める内容(もしくは勝手な被害妄想?)で、ジョンのドスの効いたボーカルがかなり聴かせます。

とはいえ、先程の音源はアウトテイク
ビートルズの基本4編成のみで演奏されたバージョンです。
敢えてアウトテイクから先に聴いていただいたのは、ここからどんな要素が加わってビートルズマジックが炸裂するかが、体感しやすくなっているからです。

それでは、こちらがリリースバージョン。

いかがでしょうか?
格段に、感動的なまでに曲のパワーが増幅されているのが分かりますよね!

具体的に加えられたのは、ポールとジョージによるコーラスと、カウベル。そしてよーく聴いてみると、ボンゴの音も加わっているのが分かります。

たった3パーツ加えられただけで、この曲が単なるロックンロールを超えて「ビートルズの音」になっていることがよく分かると思いませんか⁈

ポールとジョージによるコーラスも、あるものと無いものと比べてみると、どれだけ曲にパワーを与えているのかに、改めて気づけると思います。

これから先、ビートルズはこのように、曲の成長過程でパワーが様変わりする様な瞬間が、幾度も訪れます。
そんなマジックを振り返られることを楽しみに、筆者も連載を続けていきたいと思います。

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