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夢を見ることば

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短編集。シュルレアリスム絵画に着想を得て。 まるで夢を見ているように、不思議で不可解で幻想的で、時々ちょっと不気味な、そんな雰囲気のお話が書けたらいいなあと思います。
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#散文

霧の棲む土地

霧の棲む土地

私は霧の中を歩いていた。
誰かが前を歩いているような気がしたが、その人影はぼんやりと霧の中に隠されて、誰だか分からなかった。しかしどうやら、霧の向こう側から、無言で私を誘導しているらしい。
私は安堵して彼のあとを追った。
霧は深く、宙に漂う水滴一粒一粒がやけに大きい。魚の群れのように、水滴が空中で波をつくり、音もなく蠕動している。霧にまかれているはずなのに、不思議と肌は湿っていなかった。足にも感触

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都心の夢

都心の夢

人疲れした夜は、誰もいない街を想像する。
東京という大都会に、人が忽然といなくなった、静まり返った夜。

都心から郊外へ、血脈のようにはりめぐらされた線路の上を、さびた鉄の音を軋ませながら、無人の電車が走っていく。
繁華街のネオンは、招く客がいないのも無頓着な様子で、ただこうこうと光を放っているままだ。
入り組んだ首都高はオレンジ色の光に照らされ、東京タワーは明々と夜闇に浮かび上がり、そびえ立つス

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