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【陸前高田防災を考える会#4】大声 de 伝言ゲームが出来た背景

大声de伝言ゲームは東日本大震災の経験から生まれました。
 
まずは大声。震災時、電気が止まっていたので充電が出来ず、携帯電話が使えない状態でした。主人が出かけた後、すぐに忘れ物に気付きました。いつもなら携帯に電話して「忘れ物しているよ」と連絡するのですが、今は充電がないので出来ません。
 
その時はアパート住まいだったので、ベランダに出ると主人の背中が見えます。“この距離なら声が届くはず!!”と思い、体中の力を振り絞って名前を呼びますが振り向かない。どんどん背中が小さくなるので諦めて家を出てダッシュしました。
 
始めから自分の声が届く距離を分かっていれば、走る距離や時間を短縮できたのにと思うと同時に、学生の時は届いていた声も年齢と共に衰え小さくなっているのだと感じました。

その後、東日本大震災の映像で「逃げろ~」と叫ぶ画像をたびたび目にしました。でも、伝えられている方はあまり急いでいるようには感じませんでした。多分、私と一緒で声が届いてないのでは?と。そこで、人の声は平均でどれくらいまで届くのか知りたくなりました。

そして伝言。水道が止まっていたので、公園に水を汲みに行くと行列が出来ていました。始めは勢いよく出ていた水もだんだんチョロチョロになり、自分の前に無くなりそうです。そこで主人が他に水を調達できる所はないかと探しに行きました。

当時は仙台に住んでいたので、東六番丁小学校に自衛隊の給水車が来ていたのを主人が見つけました。テレビも携帯も使えない状態だったので、小学校に給水車がある事を誰も知らず一人もいなかったそうです。自衛隊の方も、何で誰も来ないのか不思議に思っていたみたいです。

公園の水道に並んでいる私の所に主人が戻ってきました。給水車の方が早いので自衛隊がきている事を教えてあげようと近くの人に伝えました。すると、伝言ゲームのように、どんどん口頭で情報が伝えられていきます。ところが「東六番丁小学校」と伝えた内容が最後の方には「東二番丁小学校」や「北六番丁小学校」に変わっていました。

伝言が正確に伝わらないとデマに変わる瞬間を体験しました。携帯が使えず、紙やペンを持ち合わせていない場合、きちんと伝える理解する事が重要だなと感じました。震災時はちょっとした間違いが混乱を招くからです。

そんな経験から、大声はどこまで届くか距離を検証したり、ギリギリ大声が届きそうな距離の間隔で伝言をする「大声 de 伝言ゲーム」ができました。

https://takata-bousai.jimdosite.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95/


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