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インターネットで活動する

第8章 本屋を本業から切り離す(5)

 誰かに本の面白さを伝えるのは、必ずしもリアルな場所でなくてもよい。平日の夜や週末に外に出ていくのが難しければ、インターネット上で活動することもできる。

「BASE」や「STORES.jp」などのサービスを使えば、ネットショップを開くのは驚くほど簡単だ。Amazonのマーケットプレイスやフリマアプリなどで古本を売るのはさらに簡単だ。直接リアルでの接客ができない代わりに、独自のしおりやフリーペーパー、手紙などを添えてもよい。たとえば本好きの親族が亡くなったときに、その蔵書を古本屋に一任して処分してしまうのではなく、自分で一冊ずつ売ってみる。記録として残しながら、その本を必要としている人に手渡していくことは、きっと代え難い経験になる。

 売る本の在庫がなければ、ブログで本を紹介して、アフィリエイト広告を貼ってもよい。ブログを書いたくらいで、と思う人もいるかもしれないが、人気のブログであれば、ひとつの記事である本が数百冊売れたりすることもあるという。数百冊というのはリアルの本屋でも驚くべき数字で、出版社や著者から見たら、そのブログ記事自体が、自分たちの本を猛プッシュして売ってくれる一軒の有力書店のようなものだ。ブログに限らず、今はTwitterのつぶやきひとつで、それが大量にRTされることでブレイクする本もたくさんある。

 まずは屋号を決めて、SNSのアカウントをつくるだけでもよい。「いか文庫」は二〇一二年から活動している、店舗も商品もない「エア本屋」だ。「今日もオープンしました」「今日のお勧めは、この本です」などとTwitter上に書き込んで発信することからはじまり、今独自のグッズをつくったり、リアル書店のブックフェアを企画したり、幅広い活動を行っている。個人的な小さな活動からスタートしても、そのようにネットからリアルへと、活動の幅が広がっていく可能性はたくさんある。

 また、読書記録や本の管理、本好き同士のコミュニケーションなどを目的とした、本に関するウェブサービスやアプリもたくさんある。技術やアイデアがあれば、そうしたものを開発し運営するというのもまた、これからの「本屋」のあり方だ。これまでのリアル書店にはできなかった形で本の世界を広げ、その魅力を伝えている。

※『これからの本屋読本』P292-293より転載


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ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。新刊書店「本屋B&B」(東京・下北沢)と出版社「NUMABOOKS」を経営しつつ、「八戸ブックセンター」「神保町ブックセンター」「BIBLIOPHILIC」などの仕事をしています。散歩社取締役、バリューブックス社外取締役も。
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