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自宅を兼ねる

第5章 本屋をダウンサイジングする(3)

 もうひとつの大きな経費は、家賃である。

 たまたまよい店舗物件を持っていて、家賃を払わなくてよければ、それに越したことはない。しかし、そんな好条件を持っている人は稀だろう。長くやっていくことを見越して、福岡の「ブックスキューブリック」や東京・赤坂の「双子のライオン堂」のように、店舗物件を購入してしまう方法もある。しかし、資金がなければもちろん、ローンを組まなければならないので、家賃同様に固定費として考えなければならない。

 賃貸でも、あるいは購入する場合でもできるダウンサイジングの方法は、自宅と店舗を兼ねることだ。

 これは、昔ながらの個人商店のスタイルだといえる。自宅と店舗が空間的につながっていれば、人を雇わずに家族でやっていくこともより自然になる。前述の「誠光社」や「Cat’s Meow Books」も自宅兼店舗であり、どちらも一階が店舗で、二階の自宅とつながっている。

 そもそも、ひとつの部屋の用途が多目的であることは、日本家屋の特徴のひとつとして挙げられる。性格や考え方にもよるだろうが、必ずしも、自宅と店舗がきっちりと線を引いて分かれていなくてもよい。たとえば、営業時間外には店舗部分が、リビングや書斎を兼ねるような形もあり得るだろう。

※『これからの本屋読本』(NHK出版)P190-P191より転載


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ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。新刊書店「本屋B&B」(東京・下北沢)と出版社「NUMABOOKS」を経営しつつ、「八戸ブックセンター」「神保町ブックセンター」「BIBLIOPHILIC」などの仕事をしています。散歩社取締役、バリューブックス社外取締役も。
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