「ないものねだり」より「あるものさがし」

    憧れてはいないか、自分にないものを持っている誰かに。縛られてはいないか、叶えたかった夢に。

    半径ゼロメートル内に、「ないもの」を探すより、半径五十センチメートルだけでも視野を広げて、そこに「あるもの」を探す方が、余程善い。

    僕たちは、なりたい誰かになれずとも、届かぬ夢を追わずとも、路肩に咲く花の一輪で人一倍の感動ととびきりの勇気をもらえるものだ。

「書を捨てよ、町へ出よう」

 アンドレ・ジッド『地の糧』

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