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本屋博店番日記:中編

前編はこちら

長くなりそうだったので、前編、中編、後編の三つに分ける事にしました。今回は、特に印象に残っている来店してくださったお客様のエピソードを、買っていかれた本と合わせてご紹介させてください。

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■『落語少年サダキチ』/田中 啓文(著)・朝倉 世界一(画)

サダキチは1巻から3巻まで揃っていた。色んな商品が売れていく中、ブースのスペースが空いてきたので、ここぞとばかりに磯上さんとサダキチを全部表紙を見せるように横一線で並べた。朝倉世界一さんの絵は、やはりフックがあり、すぐにお母様と一緒に来ている小学生の女の子が、手に取り「かわいいー!」とはしゃいでいた。しかも、女の子が一番気に入ったのは、2巻の表紙だった。

・2巻

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お母様は、さすがに2巻をいきなり買うのに躊躇したようで、娘さんに1巻にしといたら?というような感じで、娘さん納得の上で購入をされていった。toi booksの栞(という名のゴリゴリに磯上さんのおすすめ本がびっしり書かれているショップカード)と、今回の本屋博の特典『全身が青春』の冊子をおもむろに袋に同梱する。朝倉世界一さんの絵がきっかけで、落語の世界に触れるのが、まず最高だし、何なら落語家になるかもしれない。栞に書かれた本のどれかをいつか読んで、あの子の世界が変わるかもしれない。『全身が青春』を読んで、日記を始めて文章を書く楽しさに目覚め、いずれ作家になるかもしれない。可能性は無限大だ。楽しんでくれているだろうか。スマホを放り出して。

2巻は、引き続き朝倉世界一さんの絵に惹かれたであろう、女性二人組のお客様。しかも、ゴリゴリに落語にハマっている最中との事で、さらに買うか悩んでいたが、残るは2巻と3巻。どうする。お悩みだ。「1巻は、小学生の女の子が買っていったんですよー」と伝えると、「じゃあ、2巻買っていきます!面白かったら、他の本屋さんで、探して買いますね!」惚れた。最高だよ、本当。それを口に出してくれるところが最高に好きだ。

気になる3巻は、生湯葉シホさんがかっさらっていった。(前編参照)

■『たぷの里』/藤岡拓太郎(さく・え)のトートバッグ

絵本の方は、恐らく売り切れてしまってなかったのだが、店頭の超目立つ位置に鎮座ドープネスしていた、たぷの里トートバッグ。本ではないが、印象に残っている。

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本当にたくさんの方が手に取っていた。値段が少々お高いのもあって、断念する方もいた。悩んでいる方に「絵本も出てるんですよー」と伝えたら『知ってますw』と言われ、茶々を入れてすいませんという、申し訳ない気持ちになったのがハイライト。カップルのお客さんは、彼氏さんがサクッと「一緒に使うだろうし、俺出すよ」というセリフを言ってたか、言わなかったか忘れたけど、本も一緒に買って、スマートにお支払いをして、そのままトートバッグに本を入れて帰った。彼女さんがとても嬉しそうにしていたのがまたハイライト。たぷの里トートバッグも完売した。

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■『私と鰐と妹の部屋』/大前粟生(著)

toi booksさんの本屋博の特典として、店主の磯上竜也さん、大前粟生さん、町屋良平さんからなる『全身が青春』の特別小冊子が購入するとついてくる。全体的に、この冊子を目当てに来てくれる方が非常に多かった。大前さんの『私と鰐と妹の部屋』を試し読みしてくれていた女性の方は、読んでは戻し、読んでは戻しを繰り返し、かなり悩んでいるようだった。「これ、めっちゃ面白いですよ」とお声がけすると、「ですよねー!最初読んだだけで思いました!」大前さんの書き出し力は、さすがだ。どうやら、悩みの種は、財布の残高のようだ。「大前さんの書き下ろしと、皆さんが書いている『全身が青春』の冊子もお付けしてますよ」と伝えると「おいくらですか?」となり、金額を確認し伝えると、財布とにらめっこの上「あ、ギリギリ足ります!やった!」と最高の笑顔を頂いた。若干、押し売りしてしまったかな、と後々後悔もしたが。どうかどうか楽しんでいてください。

もちろん、他にも印象的なお客様がたくさん来て頂いたのだが、特に覚えている方達を。皆様、ご来店、誠にありがとうございました。

磯上さんに会いに来た方もたくさんいらっしゃったので、申し訳ない気持ちもあったが、トークイベントに誘導すると、何人か聞きに行ってくれた方もいた。その方がいいと思う。是非、またの機会に磯上さんとたくさん喋ってほしいなと思う。大阪に行く際も是非。

さらに続く。

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