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(第10回)日展2024~後編~

前編でもお伝えした通り、今回の日展の印象は暗い。ただこれは、年始からたて続いた国内の災害による私の心理的影響が大きいと思う。

例えば、毎年展示を楽しみにしている宮田亮平先生のイルカ🐬を題材にしたシュプリンゲンシリーズだが、この作品に関しても、見た瞬間に炎🔥を思い浮かべる程に、年始からのたて続いた災害は、私に心理的な影響を与えているようだった。

毎回楽しみにしている
シュプリンゲンシリーズ。
一瞬、炎の中に泳ぐイルカ🐬を
想像してしまった今回の作品。
頂きまで赤く染まっている様子に
私は炎🔥を確信してしまったが…
説明用のQRコードを読み取ってみると…
作者のことばには、「母の両手の中で舞い踊るイルカを想像した」とあり、炎は全く関係していない。明らかに自分が、連日の災害報道に過度な影響を受けていることがわかった。

このようなことから、あるいは今回(第10回日展)は、暗く淋しいような印象を作品全般に持ったのかもしれない。

だが、日展の巡回展示は、
まだ始まったばかりである。

暗い、淋しいとばかりは言ってられない。時間とともに人は進まなければならないが、巡回の最終地は、被災地の金沢である。無理はして欲しくない。

ただ、6月に石川県立美術館で作品が展示される頃には、見る者の心が回復し、作品達が生き生きと元の表現を発露できる状況になっていることを願うばかりである。

~後編・終わり~

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