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細川藤孝で考える🤔したたかなプリンス(貴公子)とは?~中編~

ここまでで、一度人間関係を整理しておこう。実は、藤孝には子供がいる。細川忠興と言う戦国大名であり、最終的には九州の豊前中津に39万6千石を領する大身となっているが、この忠興が明智光秀の娘、珠(珠子・後のガラシャ)と結婚している。

細川藤孝の子、忠興!名将とまでは行かないが、高スペックでバランスの取れた良将!ただし、元部下や妻、妹などとのエピソードから、やや人間性に弱点を持っていそう?顔グラも、その辺りを上手く表現出来ている。

そしてその妻・珠は、父・明智光秀の謀叛により、罪人の娘となり、山崎の合戦の勝者である羽柴秀吉に配慮した夫・忠興により、一時幽閉の憂き目に遭う。

本能寺の変とその関係図!

と、以上の話しは、結構有名な逸話だが、実はこれ以上にしたたか、いやもう悪どい話しが存在する。

それは、忠興の妹・「伊也」の嫁ぎ先である一色家(細川家と丹後地方の半領を分割統治)を攻め滅ぼした話しである。もちろん、お家の興廃に姫君が巻き込まれるのは、戦国時代の常ではあるが、いささかその手口が悪どい💧

建前上は、本能寺の変で、一色家が明智光秀側に加担した為、やむ無くの侵攻となっているが、一色家側の余りに呆気ない殺られ方に、一色家側が謀略に嵌められた感が色濃く出ている。

まず、忠興の妹「伊也」の夫である一色家当主の一色満信であるが、彼は本能寺の変直後に、細川家重臣の館で惨殺されている。詳細は不明だが、「この時点で明智光秀側に付いていた」ということらしい。

☝️騙し討ちにあった満信

ただし、この説は疑わしく、実際満信が明智側に付いていたのであれば、「明智側に付かない」と主張している細川家にノコノコ出向く程、彼は間抜けな武将ではない。仮にも満信は、明智・細川連合軍を丹後で撃退しており、その後一目置かれ、婚姻をもって同盟化した間柄である。ゲームスペックこそ並であるが、史実は並以上の実績がある。伊也との結婚生活も順調だったようだ。或いは油断している満信に、細川家が明智側に付かないことを伏せて、「今後の事で相談を…」などと呼びつけてバッサリというのが、想像だが正解に近いだろう。

その後、伊也は細川家に出戻る訳だが、その時、当主で兄でもある忠興の顔面を伊也が斬りつけるという騒ぎを起こしている。このことから考えると、忠興が何かしらの悪事(武家の女でさえ納得できない)を一色家に働き、また、父幽斎もそれを黙認していた可能性が考えられる。

☝️忠興の顔には、生涯不名誉な傷が残った。忠興にこの傷の話しを振るのは、タブーだったとされる。諸説あり。

そして、当主を失った一色家は更に過酷であるが、実に武家の名家らしく美しく散っている。まず混乱の中、新しい当主を速やかに立てている。

☝️一色家最後の当主義清だが、隣国細川家の間髪入れぬ侵攻により自害した。

満信のおじの義清が新たに当主となるが、一色家が態勢を立て直す前に、細川家から素早い侵攻を受け、城🏯を包囲され、最終的には、一色家中は細川軍に強硬突撃の上、壊滅。丹後一色家(血族は全国にあり)は滅亡している。

戦国時代だったら、こんな話しはありがちだよね?とやはり思われるかもしれないが、それでも自分(細川家)のしたことに流石にばつが悪かったのか?後々の祟りを恐れて、細川家は迂闊にも義清自刃の地に、社を建てている👇

看板の後ろに、義清自刃を記す石碑が静かに佇む。

小さな社だが、地域の方の管理が良いのだろう。綺麗にされている。

☝️不鮮明な部分もありながら、大筋で一色家滅亡の経緯と、一色稲荷社の造られた説明がなされている。

このように、かなり悪どい手際で本能寺の変という混乱に乗じて、隣国を吸収合併した訳だが、この幽斎・忠興親子は「信長さまの喪に服す」など言い、しおらしく頭を丸めたと見せて、全く活発に、戦国大名らしい欲望を発揮していたのだ!

友人の明智光秀とおそらく勝つであろう羽柴秀吉の双方に気を使った。なんて言う雑誌記事もあった気がするが?この細川親子のこと、もし明智光秀が勝てば、一色家が羽柴側に付いたからやむ無く!と言うに違いない😨どちらにせよ、細川家のしたたかさはエグ過ぎる😱

ついでにもう一つ仮説を付け加えると、忠興ばかりが悪者のようになった今回の話しの内容だが、当然藤孝(幽斎)が把握していないハズはなく、或いは万が一、明智光秀が勝ち一色家が明智側だったとバレた場合は、「明智側の一色家を滅亡させたのは、現当主の忠興であって、私(幽斎)は預かり知らない」として、子に責任を負わせて、お家存続を図るか?或いは幽斎が忠興を討つことで、丹後騒動の幕引きにするつもりだったのかも?知れない…💧

まあ、いずれにせよ、細川藤孝(幽斎)のしたたかさは、えげつないレベルであることには、間違いなさそうである💦

後編に続く


きつたん