見出し画像

新卒メンバーたちの学習発表会

2023年度は、新卒で入職してくれたスタッフが3名います。その新卒メンバーたちが代表の平岩に「1年間の振り返りを団体のスタッフの皆さんに伝えたいです!」と直談判したことがきっかけで、開催された新卒学習発表会。その様子をお伝えします。

学習発表会は、常勤スタッフ全員が集まるオンライン会議の中で15分の時間を設けて実施しました。1人ずつリレー形式で1年間の振り返りを発表していき、最後は来年度大切にしたいことを軸に、団体への提案もしてくれました。

23年4月に入職した新卒メンバーは、水橋さん、久保田さん、島田さんの3名で、アフタースクールの現場スタッフとして活躍しています。発表がしたいという想いをA4用紙にまとめて、平岩のもとに手持ちしたアツい人物、水橋さんの挨拶からスタートです。


水橋さん:
3人ともとても緊張しているので、ぜひ皆さん、ご自身が「社会人1年目」「アフタースクール1年目」だった頃を思い出しながら、温かい気持ちで見守っていただけますと幸いです。

―― 発表を聴くスタッフたちは、柔らかな表情で見守ります。

久保田さん:
この発表を準備するにあたって、3人共通のキーワードとしてあがったのが、成長と感謝の2つです。 今回、その2つの軸で、まずはそれぞれから1年間の振り返りを発表します。


■子どもたちととことん向き合い、仲間と語り合った1年

水橋さん:
僕は「成長」でいうと、数少ない自分のつながりやアイデアから市民先生を探してみるという経験や、 多くの子どもたちが参加してくれる季節のイベントを企画・運営したこと、遠足の引率を短期間に3回したりなど、この1年間、頭も身体も心もフルに使いながら、多くの経験を積み重ねることで、成長することができたのではと感じています。

「子どもの未来を今、変えたい」という想いがあって放課後NPOに入職したのですが、 放課後だからこそ経験できたなと思うのは、子どもたちの安心・安全を土台にしつつ、「子どもたちの成長のために」というところに対して、目の前の子どもたちと徹底的に向き合うことです。

そして、僕が感謝したいと感じるのは、子どものことを大人と語る経験です。アフタースクール拠点のスタッフの皆さんや団体内の仲間の皆さんが、お話を聴かせてくださったり、逆に僕の話を聴いてくださり、見守ってくださった。本当にありがとうございます。


■仲間と試行錯誤しながら進み、やってみたいことも実現できた1年

島田さん:
「社会人ってどんな感じなんだろう」とドキドキしていた1年前の自分と今話すなら、「働くって、楽しいことや嬉しいこともあるけれど、失敗とか葛藤がたくさんあるよ」と伝えると思います。成長の中で痛みが伴うからこそ、「たのしんどい」。でも、同じ目標に向かって、仲間と一緒に試行錯誤できるということが、ここで働く良さだなと思っています。

アフタースクールのスタッフの皆さんが、よく「話そうよ」と言ってくれました。対話とか振り返りの時間がとても大事だったなと思います。 次どうしたらいいんだろうという時に、アドバイスも含めながら、背中押してくれる仲間が本当にたくさんいたことが本当に嬉しかったです。

そして私自身、地元の島根と仕事で関わりたいと言っていたんですが、ソーシャルデザインチームのプロジェクトで島根の学童さんと繋がることができたことも、とても嬉しかったです。やってみたいと思ったことを、新卒ながら実現することができた。団体の皆さんへも感謝の気持ちでいっぱいです。


■子どもたちから多くの学びや気づきをもらった1年

久保田さん:
私はやりがいの一つとして、「子どもたちにとって、アフタースクールが”心の居場所”として確かに存在している」と感じた時が一番嬉しかったなと思います。例えば、高学年になってアフタースクールの利用が減っても、忙しい合間を縫って「これをやってみたい」と提案をしに来てくれたり、学校で嬉しそうに「久しぶりに先生に会えた!」と声をかけてくれたり。それがすごく励みになっていました。

入職して1、2か月ぐらいの時に、高学年の子に「どう?そろそろアフター慣れてきた?」という風に言われたことがあって。 自分のソワソワしている感じが、きっとこの子に見えていたんだろうなと思います。この子が私を見てくれていたように、私はもっと子どもたち一人ひとりのことを見る必要があるなと感じました。 それが「どれだけ1人の子について語れるか」というところにも繋がっています。

最後に、「企画を考える大人自身も楽しむ」というところです。 最初に私の不安を感じ取ったあの子のように、子どもたちは本当に大人のことをよく見ていて、チームの一員として信頼されるように、心から楽しいと思えるものを子どもたちに届けることの大切さを学んだ1年でもありました。

入職からここまで、現場以外でも、本当に多くの方に支えられての今があると思っています。たくさんの繋がりを本当にありがとうございます。


―― ここからは、2年目に向けての意気込みを発表してくれました。

■対話を重ねて深めていきたい

水橋さん:
3人で話を深めていったとき、2年目で大事にしたいことは何か?で出てきたのが、「対話」というワードでした。この1年、いろんな人と対話ができる環境が本当に心強かったなと思っています。

島田さん:
ただ、対話から生まれたアイデアは、実現まで至らずに流れていってしまうこともあったなと振り返ります。だからこそ、2年目の挑戦としては、「対話から生まれたアイデアを実現していく=次につながるリアリティのある対話」を大事にしたいです。

―― 3人は、考えた3つの施策を紹介してくれました。

1 対話を深めるための対話会
深い話や切り込んだ話をするためには、相手との信頼関係がとても重要。チームメンバー以外の方との対話が、よりよい時間となるように、まずは土台となる繋がりをつくれたらよいのではないか。

2 ミニマム拠点交換留学
他のアフタースクール拠点に留学して、自分の拠点にはない新しい発見からアイデアを形にしていく。ライトな形でも実現できれば、対話が成果に繋がる事例がつくれるのではないか。

3 分科会トークを全体会で(全体会とは、年に1・2回、常勤スタッフ100名近くが対面で集う会のこと)
子ども主体って何だろうとか、工作について話したりとか、いろんなテーマを分科会として開いて、 個人の興味が深まっていくような時間を対話の場としてつくっていけたらいいのではないか。

久保田さん:
この発表をするにあたって、短い時間の中で、3人で何度も話し合いを重ねました。今の私たちの経験値から考えられる、最大限の発表ですので、ぜひアドバイスや皆さんの立場から見えてくる対話の重要性を教えていただけたらと思います。
今回、このような時間を設けてくださったこと、本当にありがとうございました!

―― そして最後に、平岩がコメントをして締めくくりました。

代表平岩:
ありがとうございました。島田さんのお話の中で、1年前の自分になんて言ってあげたいですかという言葉がありました。皆さんも、1年前の自分に会えたらなんて言ってあげたいか、あるいは、この1年で新たに手に入れたものとか、頑張ったことってあったのではないかと思うので、大事にしてほしいなと思います。

今日の話を我々も励みにして、頑張っていきたいなと思いますし、また春からも新しいメンバーを迎えますけれども、その人たちとも一緒に頑張っていきたいと思います。本当に大きな拍手を送りたいです。ありがとうございました。

■最後に
本記事の筆者自身も、新卒でこの放課後NPOに入職し、丸5年が経ちました。初心や感謝を忘れず、同じ目標に向かう仲間たちと共に、これからも歩んでいけることが楽しみです。

文:コミュニケーションデザインチーム・太田