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【報告レポート】カリプロ@東北文化学園大学

カリキュラム化プロジェクトを東北文化学園大学にて実施しました!

本記事はその開催報告です。
(講義の様子は公式TwitterにUPしておりますのでぜひご覧ください)


開催概要

場所:東北文化学園大学
日程:2023年11月3日~11月5日(講義2日、体験1日の3日間)
対象:医療福祉学部リハビリテーション学科・看護学科 1~4年生 8名
ご協力いただいた当事者:講師3名 実習受け入れ6名

今回が3回目の開催です!


1日目:講義 -色々な視点を学ぶ

授業の前に「障害ってなんだろう?」を考えます。

体が思うように動かせなくて、できることが限られる。
障害があるからできないことがある。

この後の講義や体験を通してどのように考えが変わったのでしょうか?
初日の講義は理学療法士として長年在宅で働いている本間の講義から始まります。
「その人を知ること」「(自分がかかわっているのは)生活の一部であると認識する」など、生活を支える上での大事な視点について学ぶことができました。

「地域で支える」

仙台で発声の困難な方へのコミュニケーション支援を行っている安齋さんより、コミュニケーションやコミュニケーション支援機器についての講義をしていただきました。

講義後は機器体験!(視線で文字を入力しています)

午後の一番最初は土屋さん(ALS当事者)の講義です。

動画でこれまでの経緯を教えていただきました
土屋さんに直接質問!エアー文字を使って回答してもらいました。

「看護師さんはまず3年はやってみて欲しい。いやなことも多いけど明るく過ごすうちに癒される患者さんもいるから大丈夫だよ」
「韓ドラを見て、好きなお肉をいっぱい食べるとストレスもなくなるよ」
医療を学ぶ学生たちにたくさんのメッセージを頂きました!

続く授業は医療者の視点と介助者の視点です。全人的に相手をみること、相手の気持ちを連想してみることなど、実践の上で大事にしたいことを学びました。

医療者の視点
介助者の視点

最後の授業はこれまでの講義で学んだことをもとに、「左肩が痛い」という順子さんのお悩みについてみんなで考えました。体のことだけでなくて、心理的なことや普段の生活も絡めて多面的な視点でとらえることができたのではないでしょうか?


2日目:体験学習 -当事者に、環境に触れる!

※見学・体験の様子はInstagramよりご覧になってください!

※添付の画像は他大学のものです

3日目:講義 -障害って何?を改めて考える

授業は実習経験談の共有で始まります。

学生ヘルパー経験者からの講義では、「本人主体を考える」という、どのような環境にあっても大事な視点が伝わったのではないでしょうか。

「障害って何?当たり前の見方を変えてみよう」

及川さん(脳性麻痺当事者)の講義です。障害者権利条約をもとに、障害に対するとらえ方の変化について、また、ご自身の体験談をもとに妥当な調整(合理的配慮)について教えていただきました。

「大事なことは投げかけること」

スロープのないビルに意見のメールを送ったところ改修工事につながったそうです。「やらないといけなかったのだけど進まず。きっかけをありがとうございました」と施設側から言われたとか。お互いが対話できる環境を作ることがまず大事なのでしょうね。

また、及川さんが長年続けている障碍者プロレス・格闘技の映像を通して差別や妥当な調整(合理的配慮)を説明していただきました。
及川さんの相手は拘束具を着けます。ほかにもルールが・・・
これらは身体機能の差を埋める工夫です。これを社会にあてはめたらどうでしょう?
↓は授業中に流した及川さんのプロレス動画です。

【動画】及川健二郎VS中嶋有木 by Kaminuma Yoshiko

グループワーク「障害とは何か?」

これまでのすべてを振り返って改めて障害とは何かについてみんなで話し合いました。

「女子だから」とか、ひとくくりにされて扱われることが自分たちにとっての「障害」だった。
けがをしたときとか人の力を借りないといけないときでも、頼みやすい人、支えてくれる人がいたら助かる。

自分自身の状況ではなくて周りの環境によって生きづらさ、障害が生まれるという視点が持てたようです。

日常生活を送るうえでコミュニケーションを深めることが大事だと思う。みんな平等で対等な立場で触れ合って行けるようにしたい。
これしかできないという決めつけが障害につながるのではないか。まずは知ることが大事なのではないかと思った。
思うように体が動かないとか、時間がかかることはあっても普通に地域で生活していた。支援があれば障害はなくなる。ヘルパーさんの話で、支援しているだけでなくて、当事者から学ぶこともあるという話を聞いて、支援されるだけじゃなくて、互いに学んでるというのが勉強になった。

及川智さん

「実際の生活の状況も見てもらって思うんですけれども、これが本当に365日暮らしがあるわけです。それはご本人とか我々当事者としては、その長年かけて作り上げた生活だったり、ごくごく当たり前の生活だったりします。実際そういう状況も見て、今後の学習に役立てていただきたいなと。もう一つは、本当に皆さんが学んでらっしゃることというのは、大事な仕事であり知識です。そういうことを障害者や難病の人の生活に本当に役立てていただきたいなと思います」

佐藤順子さん

「暮らしていると障害者であることを忘れてしまうこともあるし、障害があるなと思う日もあったりする。今日みたいに障害について考えてもらったりすると、自分でも障害って何なのか改めて考える。障害を感じないで暮らすためにはサポートや手立てがあるということ。そうやって暮らせていることが幸せだなと思い。時々障害にぶつかることもあるけれど、みなさんも障害を感じることもあると思うけど、いろんな人の障害が超えられるように、知ってもらうことが大事なのかなと思います」

先生方より

「初めて担当患者さんの自宅での生活を見たときに、今まで病院でやっていた理学療法は生活の中にはなかったことに気づいた。先にある生活を考えてやらないと、自己満足の理学療法になってしまう。大学では自分たちが賢くなるための勉強をしているけど、その先には生活がある。役立つ時まで勉強し続けてほしい。それは社会貢献でもある。その先があることを頭において頑張ってもらいたい」
「人間対人間として向き合うために自分自身を磨きつつ、専門職として何ができるのかも磨いていってもらいたい」

岡部さん

「皆さんの発表を聞いて感激でした。まずは知らないと始まらないということなど、そういうことが私たちと生きていくことの第一歩です」

濃い3日間をありがとうございました!

本講座にご参加頂いた学生の皆さま、ご協力いただいた先生方、そして
学生を受けれいてくださった地域で暮らす当事者の皆さま、介助者・支援者の皆さまに感謝申し上げます。


  • 本プロジェクトは日本財団の助成を受けて実施しています。


お問い合わせ

カリキュラム化プロジェクトやその他当団体の活動に関してご質問などある方は以下よりご連絡ください。

info@sakaiwokoete.jp


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