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社会を根本から変える「学び場」-社会問題・公開学習会(土日開催/学生歓迎!)

<開催スケジュール>

①貧困問題:6月30日(日)16時~@下北沢
日本社会にもある「餓死レベルの貧困」ー資本主義から貧困問題を考えるー
②外国人労働:7月6日(土)16時~@下北沢
「使い捨て」にされる外国人労働者ー「多文化共生」で問題は変えられるのか?
③紛争・格差:7月13日(土)16時~@下北沢
現代の植民地主義とグローバルサウスー日本の「国際貢献」が格差・貧困を生んでいる?
※対象:高校生・大学生・大学院生・若手社会人

※詳しくは本記事の後半を参照してください!

<趣旨>

 長期化する物価上昇や低賃金で不安定な働き方が拡大する中での貧困の深まり、長時間労働やパワハラによる過労死、多額の「借金」を抱え来日し、暴力や差別に耐えながら危険な現場で働く外国人労働者たち。

 私たちが生きる社会には、貧困や過労死、レイシズムといった様々な問題が溢れています。

 それにもかかわらず、毎日のように流れてくるニュースの中で、これら問題についての「社会的な解決」の方向性は見えず閉塞感も広がっています。そのような中で、これら問題を「仕方のないこと」「当たり前のこと」として受け入れ、副業や節約、退職代行の活用に「ホワイト企業」への転職など「個人的な回避・解決」で対処することを促すような論調ばかりです。また、外国人との異文化交流や日本語教室といった取り組みがもてはやされています。

 しかし、本当にこれらの「解決策」で、社会問題を根本から解決できるのでしょうか? もっと根本的な社会のあり方の変革が必要なのではないでしょうか?
 
 そこで今回の公開学習会では、問題を引き起こす社会のあり方を根本から変えていくために、これまでの活動から得られた知見をもとに、「なぜ」このような社会問題が生じてくるのかを問い、議論を交わします。

 私たちNPO法人POSSEでは、2006年の発足以来、学生ボランティアが中心となって、①日頃の労働・貧困相談から、②調査・分析・学習活動をおこない、③社会的な告発・政策提言を一貫しておこなってきました。

 これまで低賃金で過労死するほどの長時間労働やパワハラによって若者を使い潰す「ブラック企業」問題、コロナ禍の女性を中心とした非正規労働者の休業補償なしのシフトカットに賃下げなどの問題、パスポートや在留カードを奪われながら「強制労働」をさせられていた外国人労働者の労働問題など、現場での具体的な相談を入り口に政策や法改正を求めてきました。中には、「履歴書の性別欄の廃止」といった、具体的な成果をLGBTQ当事者と共に勝ち取った例もあります(東京新聞・「性別欄」を履歴書規格から削除 1万筆の署名で業界が動いた)。

(労働・貧困相談の様子)
(調査活動の様子)
(社会への告発/デモの様子)

 定期的に発行している『雑誌POSSE』には、現場からの問題提起を行うために学生ボランティアも寄稿し、これまでに複数回朝日新聞・論壇時評にて取り上げられました。また、私たちが行った調査をもとに代表の今野が執筆した『ブラック企業』第13回大佛次郎論壇賞を受賞しました。

(雑誌POSSE)

 「ひとりで社会問題を考えてモヤモヤしている」、「社会問題に関心あるが学び・議論できる場がない」といった大学生や大学院生、若手社会人の方大歓迎です!!

 ぜひ、気軽に LINE or メールから参加希望の連絡をお願いします。

 LINEで連絡:リンク
 
メールで連絡:volunteer@npoposse.jp
 
一緒に社会問題について学び、行動を起こしていきましょう!

※対象:高校生・大学生・大学院生・若手社会人

<開催スケジュール・全3回>

第1回 6月30日(日)16時:日本社会にもある「餓死レベルの貧困」ー資本主義から貧困問題を考えるー@POSSE事務所(下北沢駅から徒歩10分)

■概要
 私たちのもとには「電気・ガス・水道が全て止められてしまった」「3日間何も食べていない」といった相談が多く寄せられている。これまで「豊か」な社会といわれてきた日本だが、実は現在、およそ4人に1人が生活保護水準以下で生活しており、日本の相対的貧困率は、15.4%とイギリスやアメリカよりも高く先進諸国で最も深刻な状況にある。また、水道料金の滞納による給水停止は、全国で年間30万人にも上る可能性が指摘されており、命にとって不可欠な水さえアクセスできない人たちが膨大な数いるのだ。
 日本社会には最低限度の生活を支える制度として「生活保護」があるが、福祉事務所の窓口に行っても、担当者に嘘をつかれたり、「貧困ビジネス」による劣悪な施設(畳1枚分のスペース、虫が湧く、エアコンなし)を紹介されたりして追い返されてしまう、いわゆる「水際作戦」の被害に遭うケースも多く存在する。
 今回の学習会では、拡大する日本の「餓死レベルの貧困」の実態とは何か?、そして、なぜ貧困が深刻化しているにも関わらず「生活保護」・福祉行政は貧困者を排除するのか?という点を入り口に、資本主義と貧困問題との関係について学び、いまどのような支援や運動が必要かを一緒に議論していく。

第2回 7月6日(土)16時:「使い捨て」にされる外国人労働者ー「多文化共生」で問題は変えられるのか?@POSSE事務所(下北沢駅から徒歩10分)

■概要
 私たちのもとには「仕事中に機械に挟まれ右手を失った」「掃除中にプレス機が作動し左指4本が切断された」「妊娠したら『帰国か、中絶か?』を選ばされ解雇された」「パスポートと在留カードを奪われて強制的に帰国させられた」などの相談が外国人労働者から寄せられてきた。日本社会を支える多くの外国人労働者は、安い労働力として危険な業務に活用される一方で、怪我や妊娠などで働けなくなると放置または帰国させられ「使い捨て」にされている。
 実際に日本人労働者に比べ外国人労働者の方が労災発生率が高く、その中でも特に目立つのが技能実習生である。技能実習生を取り巻く過酷な状況(多額の借金、時給300円での労働、劣悪な寮での生活など)については長年に渡り「奴隷労働」として国内外から批判されてきた。
 このような状況があるにも関わらず、外国人が直面する問題について一般的に指摘されるのが、異文化への相互不理解、言語の壁によるコミュニケーション不足などの問題である。しかし、果たして、日本語教育や異文化交流などの「多文化共生」によって、職場での暴力や労災などの過酷な働き方は改善されるのだろうか。
 今回の学習会では、技能実習生や留学生をはじめとした外国人労働者が直面する問題を取り上げ、職場でおきる差別や労災などの実態と、それら問題が生じてくる社会構造を考え、外国人労働者が「使い捨て」にされる状況を変えるために、私たちができることを議論していく。

第3回 7月13日(土)16時:現代の植民地主義とグローバルサウスー日本の「国際貢献」が格差・貧困を生んでいる?ー@POSSE事務所(下北沢駅から徒歩10分)

■概要 
 アジアやアフリカなどグローバルな貧困問題の解決を掲げる日本の「国際貢献」。これまでに、日本はアジアを中心に巨額の投資を「国際貢献」の名の下に行ってきた。そして、その投資によって、企業が参入するための工業団地や港が整備され、日本企業も数多く進出してきた。
 しかし、そのような「国際貢献」は本当に現地の人々の生活を豊かにしているのだろうか?2021年に軍事クーデターが勃発し、軍政権による市民への虐殺が問題となっているミャンマーにおいては、日本による政府開発援助(ODA)を通じて国軍系企業に約2億6千万円もの資金が流れていることが明らかになっており、虐殺への加担が問題視されている。また、女性向けアパレルブランドのハニーズは、クーデター以降もミャンマーから撤退せず、ミャンマー工場の競争力を活かして過去最高益を叩きだした。ちなみに、同工場では、児童労働や労働安全衛生、労働条件に関する違反など複数の労働権侵害の問題が指摘されている。
 実は、このような問題は、近年の「特殊な」問題ではなく、戦後に日本のODAがはじまってから、アジア各地で長年に渡ってくり返されてきた。
 そこで、今回の学習会では、なぜグローバルサウスでの格差・貧困・紛争の拡大が起きているのかを、グローバルな資本主義と開発の問題として学ぶ。そして、グローバルサウスからの搾取・収奪を止めるためには何ができるのかを考えていく。


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