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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#指導

算数タイルの活用

「これからの算数・数学指導にタイルを!」② 子ども達の学力低下の一因は、国語力の低下です。そして、子ども達の獲得すべき語彙の内容にも問題があると思われます。また、国語力の低下と同時に、実体験の不足も上げられるでしょう。思考の源はご存じの通り「ことば」です。そして、この「ことば」を更に印象づけるのが実体験です。よく、このブログでも取り上げる、TV番組で若い子に指定した料理を作って貰うコーナーがあります。先日は「サザエの壺焼き」でした。「サザエ」「壺」「焼く」このことばから彼女

算数タイルの活用

「これからの算数・数学指導にタイルを!」 幼児の算数、小学算数、そして中学の数学の指導に、私はかれこれ40年ほどタイルという教具を使っています。これは、水道方式(分析総合法)という考えが基になっています。子ども達に対する学習指導法には、算数だけでなく、国語や理科、社会にも様々な指導法が存在します。水道方式(算数)、一読総合法(国語)、仮説実験授業(ほぼ全教科に可能)等々。ここにあげた指導法は、自分自身の授業の基本となっているものばかりで、その考え方は制作している教材にも生か

変わる教育に

「幼稚園・保育園の選択は」 昨日、新潟県長岡で活躍されている保育園の園長からご報告を頂いた。教育界は今後大きな改革が行われる。改革は、今までと違い思い切った内容が予想される。義務教育の変化は、多方面に影響を与えるだろう。こうした状況変化も感じてのことなのだろうか、昨日、小学校の先生方が校長と共に保育実践の見学に園に来られた。こうした小学校の先生方が積極的に保育園などを見学されることは大いに歓迎したい。今月初め、これからの保育実践に大きな変化が予想されることから、保育園で行わ

15秒で完結する指導 ②

「聞く指導と見る指導を」 学力新時代に入り、学習の進め方の中で「フラッシュカード」に注目が集まり始めています。聞くことができない子ども達の増加は、居行く現場に於いて、学習指導の難しさと直結しています。思考を高める教育が柱である新指導要領ですが、残念なことに、子ども達が、思考に辿りつくまでの語彙数と基礎知識が不足しているようです。そこで、注目を集めた指導が「フラッシュカード」です。 長岡の保育園でも、新たな試みのカード授業を模索し始めています。0歳の子ども達から年長の子ども

子どもの学習履歴

「学習の積み残し」 学年が上がる毎に増してくるのが学習内容の積み残しです。この積み残しが最も顕著に表れるのが、国語では漢字であり、算数では計算です。このどちらにも共通するのが、「演習量」です。つまり、ある程度の量を繰り返し行うという、子ども達にとって家庭学習の積み重ねが問われます。このブログで何度か申し上げたように、例えば1年生の漢字は80文字です。何でこれだけの数を覚えられないのか?と疑問に思う保護者は意外にも多く、表面的な数字でごまかされます。漢字を分析すれば、音読み・

子ども達の変化に対応できるのか!

「教育の原点がここにある」 私の教育活動の中で、30年近くご指導をさせて頂いている新潟長岡の希望ヶ丘保育園。園長のご主人である、亡くなられた事務長の想いを繋ぎ、園長先生は名実共に保育園としては異例の早期知的教育を取り入れた総合教育を完成させました。知育・徳育・体育・食育、そして音楽を加えた教育活動は既に保育園の領域を超え、本来あるべき幼児保育の道を切り開いてきました。近くにある有名な幼児教室に通う子ども達も、この保育園に入園を希望します。いつも私が申し上げる、一般の幼児教室

不安を期待に 訪問記

「指導しにくい子が急増」 先ほど、新潟の長岡から帰ってきました。テレビの電話取材、授業見学、職員研修とどれも緊張の連続で、正直つかれました。ただ、この疲れは仕事をやりきったという、充実した仕事の後にくるとても心地よい疲れです。 0歳から5歳年長まで、全てのクラス視察は初めてです。それも細部に渡り、授業展開を見せて頂きました。この保育園は、我が国の幼児教育の最先端の指導をしています。この園で抱える問題点は、全国の子ども達が抱える問題点でもあります。今回問題となったのは、「指

長岡から発信

「指導しにくい子が急増」 昨日は6時に新潟県長岡に入り、食事先の一室を借りて、テレビ朝日のグッド・モーニングの電話取材を受けました。この前に、同じテレビ朝日のモーニングバードからも依頼があったので対応に追われてしまいました。どちらも、愛知で起きた「いじめられている子をかばった子が虐められた」という問題でした。6月11日のモーニングバードに出演の際、「ゼロ・トレランス指導」が話題となりました。今回の事件は、この時の報道に繋がる内容で、出演されていたサッカー解説者の松木さんが仰

されていない学習指導?

「幼児教育を考える」 学習活動の中で、集中力・記憶力は共に関心度トップです。保護者も、子ども自身も、自分の学習活動の中で足りない力が何であるかほぼ解っています。関心度トップである集中力・記憶力ですが、共に語彙力が鍵を握っています。また、語彙力の影響は理解力や読解力まで及ぶとなると無視は出来ないのですが、語彙数はおいそれと獲得出来るモノではありません。また、子ども達の学習活動は、自発的と言うより、「やらされている」という状態が多くあるように思います。自立を促す筈の学習が、無理

子ども達の変化

「言語指導と国語指導の徹底を!」 子どもの知的成長は、年中前後から顕著に表れます。それは、丁度、文字や数に興味を示し始める年齢と同じです。この時期こそ、子どもが最も学びたがる時期なのです。それは、まるで白い吸い取り紙に吸われていく水のようで、子ども達の頭の中に染み込んでいきます。ここで大切なことがあります。吸われていく水の存在です。吸われる水の量こそ、子どもの知的環境の善し悪しを表します。水の質も問われるべきでしょう。 この時期に必要な環境が言語環境です。言語刺激は、その

読めない、書けない

「子育ての順序」 我が子の小学校入学を来年に控えた保護者がそろそろ慌て出すのが、文字数の読み書きです。子どもは、急に文字や数を読み書きするわけではありません。そんなの当たり前と考えても、では、文字や数に興味を持ち始めるにはどんな指導や刺激が大切なのかという疑問が沸きます。幼児が平均的に文字や数に興味関心を示す時期は3歳半と言われています。それは、我が国の家庭や周囲に文字や数の情報が幼児の周囲に満ちていることを示しています。しかし、平均と言うことは、興味関心を示すことが遅いこ

学習はカウンセリング

「教育現場のカウンセリング」 学力で悩む子ども達の対応は、年を追う毎に、次第に難しくなってきています。こども達自身が学ぶ事の目標を見失い、学ぶ事を避けているように思えるのです。学習相談は、勉強が面白くて仕方がないと言う子どもではなく、どちらかと言えば勉強がわからない、出来ないという立場の子ども達です。また、学力に悩む子ども達の大半が、生活全般で自立心がなく依存度の強い子ども達です。このような傾向が塾における個別指導を発展普及させました。ところが、その個別指導で自立心のない大

ことばの教育「インプリンティング」

「話して聞かせる」 文科省の推し進める教育改革の骨子が次々と発表されている。学制の変更は昨日も申し上げた通り。教育委員会の改革も、各自治体主導の考え方がある。力には力という論理の集団的自衛権問題や、特定秘密保護法等と相まって、知らぬ間に軍事国家、警察国家のような様相を呈してきた気がする。教育者として、親として危機感を感じている。 退廃した社会、閉塞感の漂う社会、今問題視されている「居所不明児童」のように、犠牲になるのは常に社会の弱者達だ。選ばれた命としてこの世に誕生し、本

家庭学習

「何をしたらいいか?」 以前、「教えない指導」についてお話しをしたことがある。教育という言葉は、教え育てるという意味だが、子どもにとって教えすぎが災いを招くことがある。このことは、意外に現場教師も気付いていない。よく「学ぶ」は「真似る」と言われる。かつての師弟制度では、師が弟子に教えることは主に哲学であり、人間形成にまつわるものであった。だから、教えることは少ない。弟子入りしても掃除や手伝いばかりで、なかなか技を教えてくれない。どうしても知りたければ真似をするしかなかった。