マガジンのカバー画像

教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

540
現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
運営しているクリエイター

#学力

子どもを勇気づけることば

「こどもが望むことば」 私は野球が好きで、少年野球チームに我が子を入れていた。三男は、幼児の時から硬球を握っていた。少年野球のチームは、お父さんがコーチや監督をすることが多い。自分の子どもを贔屓してしまうコーチもいる。人間的に信頼出来るコーチや監督に出会う機会は少ないと聞いていた。息子は恵まれていたのかも知れない。小学生チームのとき素晴らしいコーチと監督に出会った。 ある試合の時、息子は5回までのピッチングを託された。華奢な体つきで体力が無い、ただ、コントロールが良いので

知識偏重でありながら「独り言」

「知識獲得へ向けて」 急激な角度で学力重視に向かう教育界だが、その方向性に、現場も子ども達も、そして保護者もついて行けない状態ではないだろうか。こうした社会の変革期では、必ず犠牲者がでる。それは、時代の急激な変化に脳が対応できないからだ。先を読み、準備をするだけの余裕もない。子ども達の学力に目を向けると、知識偏重教育からの脱却を目指し、思考力重視へと大きく舵を切った教育界だが、思いの外子ども達の学習知識は浅く、必要とされる語彙力も不足している。ゆとり教育にどっぷりと浸かって

学力と記憶 子ども達の学力分析

「災いする学習記憶」 子ども達の学力分析に関するデータはとても貴重なものです。当研究所の制作する教材は、例えば、算数は分析総合法をベースに制作されています。もうすぐ発売される足し算・引き算の複合過程編(2桁以上の計算練習)も、素過程と呼ばれる基礎計算の分類を更に進め、計算を型分け(計算を種別したのも)し、段階的に計算の学習が可能になっています。こうした教材作りは当研究所の特徴でもあります。一般的にドリル形式の教材は「やりっ放し」が多く、それでは正しい学習のあり方とは言えませ

指導の限界「独り言」

「子どもの自立学習」 最近、「子どもの学力がなかなか上がらないその理由は?」という質問が多く寄せられる。答えは至って単純「学習していないから」となる。年齢が上がる毎に、成績の上がらない事に対し、当の本人は様々な理由付けをしてくる。こういう子どもはいつまで経っても、自己責任という言葉がでてこない。申し訳ないが、保護者も塾に預ければどうにかなると思いがちだ。強制的に塾に行かされるわけだから多少の成績は上がるだろうが長続きしない。こうした意識の低い子どもの割合が増え、それは、その

我が子の学力大丈夫?

「あてにできない評価?」 小学校の「あゆみ」はほぼ3段階で表記されています。この評価になれると、左に多くの○が付いていることで安心してしまいます。ところが、3段階評価を5段階評価に変えると、今まで成績優秀と思っていた「あゆみ」の評価に異変がでてきます。更に10段階では…。 成績の分析は、評価基準を細分化すると大きく変化します。また、学力は地域差があり、例えば、算数で評価5の子が、他の地域に行くと評価3か2になる事もあります。学校の評価は学校における学習と生活に関し、現状の

学力を左右するもの

「あるテスト結果から」 以前より拡大傾向にある子ども達の学力差から、その差を埋めるためには何が問題か、改めて試行錯誤しています。昨日も述べましたが、低学年からの新たな英語教育の展開が子ども達にどのような影響を与えるか検証し直さなければなりません。また、現場で子ども達を見ていると、学力差はいつの時代にも存在することは経験的に把握できます。しかし、学力差だけでなく、子ども達の生活に対する意識変化も見逃すわけには生きません。物事に対する認識、考え方、対応の仕方、あらゆる場面の認識

考えられない中学生

「思考の道筋」 3+X=8、等式の性質を使った基礎的な方程式だが、中学1,2年生の中で理解出来ない子ども達が多数いる。中受験をする小学生でもできる計算ができない。その考え方が解らない。この子達には特徴がある。お決まりのパターンだが、集中力がない、人の話を聞けない、考えられない、短い問題文もスラスラ読めない…。皆さんよくお解りの通り、学習姿勢ができていない。学習には道筋というものがある。しかし、最近、この学習の道筋をショートカットしたがる傾向がある。私は、宮大工の頭領を祖父に

学力をつけよう!

「教育改革の年に向けて」 本日から、私達、石川教育研究所は仕事を始めました。今年も宜しくお願い致します。 今年は教育改革の年だと言われています。世界的な教育の低年齢化は、我が国においても決して例外ではありませんでした。しかし、教育のグローバル化に押され、我が国の教育観がぶれるようでは困ります。また、私達、民間教育も重い責任を背負わされたと思っています。学力社会では、必ずと言って良いほど「学習について行けない子どもの達」を多く排出してしまいます。実際にはその範囲は広く、5段

集中力=語彙力+意識+体力+性格+…

「学力向上に侮れない力」 子ども達の学習姿勢を見ていて気付くことがある。子ども達は、その年代によって特徴があるが、最近共通しているのは集中力の低下だ。しかし、単純に集中力の低下と言っても様々な要因が考えられる。その中でも、学習とは直接関係のなさそうな内容がある。 集中力は、様々な力の総合だ。だが、それを妨げるものもある。それが、性格を含めた子ども自身の人間性だ。興味がない、嫌い、つまらない、面倒くさい、飽きる、これら学習を妨げる反学習意識は誰しもが持ち合わせているものだ。

思考力を鍛える「数・算数」

「計算:図形:量と測定」 保護者の方や、先生方の中に、私は言語教育の専門、国語指導の担当と見られている方が数多くいらっしゃいます。私は、ある幼児雑誌で、5年間、水道方式をベースとした「数の学習1・2・3」と題して連載をしていました。本来小学生向けの水道方式を幼児教育の数指導に活かす研究と実践をしていたからです。その過程で、数・算数・数学を指導している立場から言語教育の重要性を肌で感じ、言語教育及び指導についても学んできました。思考と言語の関係、そして、これから問題視されてく

学力向上

「語彙数獲得に向けた積極的学習指導を!」 教育再編は、公も民もなく、互いに協力して推し進められて行くという方向が次第に明確になって来ました。学習の低年齢化に伴い、当研究所でも、幼児期の学習体制の見直しと指導の研究開発及び教材開発はこれからの教育を目指した命題となりました。子ども達の学力向上に、幼児期からのヘッドスタートが当たり前となり始めたからこそ、今一度、総合的な内容の見直しと組み替えが急務と言えます。 子ども達の学力は、このブログで繰り返しお伝えしてきたように、言語教

学力新時代に向けて

「教育のアプローチ」 新指導要領がスタートして、現代っ子が抱える様々な問題が浮かび上がってきました。子ども達の家庭環境の悪化、教育環境の悪化、さらには食環境の悪化、そして最も深刻な社会環境の悪化と人間関係の悪化は総合的環境悪化を招いているように思います。子ども達の多くは、尊敬できる大人を持たず、軽蔑さえしています。公立中学では、表だった問題は無いように見えますが、力でねじ伏せているように感じます。 こうした問題は、既に多くの保護者も感じているのでは無いでしょうか。教育機関

学力をつけよう!

「基礎教育のスキルを持つ塾へ!」 今年行われた全国学力テストの結果から静岡県の川勝平太知事が、下位の校長名を公表するという考えを示しました。国の実施要領では各都道府県の教育委員会に市町村名や学校名を公表しないよう求めています。今回の学力テストで、成績が悪かった順に100の学校の校長名を公表するとした川勝静岡県知事の理由は以下の通りです。 子どもに責任はないということを明確にするため 最低というのは教師の指導が最低ということ (教師は大人として責任を持ち、反省材料して欲

今夏が大切

「夏休みの使い方」 学力低下と学力格差は思った以上に深刻な状態になりつつあるようです。教育の方向が切り替わったと同時に対応することが望ましいのですが、「そのうちに」と考えていると、時はあっという間に過ぎていきます。早めの対策をされて下さい。 小学校では、早々に壁にぶち当たっているようです。5月を過ぎてから、学習展開が早くなり、授業について行けない子ども達が増加しています。それに加え、授業で使われることばの意味を理解出来ない生徒が多く、授業前の学習が必要となり始めています。