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指導の限界「独り言」

「子どもの自立学習」

最近、「子どもの学力がなかなか上がらないその理由は?」という質問が多く寄せられる。答えは至って単純「学習していないから」となる。年齢が上がる毎に、成績の上がらない事に対し、当の本人は様々な理由付けをしてくる。こういう子どもはいつまで経っても、自己責任という言葉がでてこない。申し訳ないが、保護者も塾に預ければどうにかなると思いがちだ。強制的に塾に行かされるわけだから多少の成績は上がるだろうが長続きしない。こうした意識の低い子どもの割合が増え、それは、そのまま学力の二極化を招いている。

学力というものは学ぶ力と書く。学ばなければ力がつく筈はない。当たり前の方程式だ。誰もが140億という平等に与えられた脳細胞、有効に使うのか、使わないのかで人の能力は決まる。最近になって、学力の差は貧富の差と比例すると言われるようになってきた。我が国の子ども達のだれもが9年間無償で学習できる環境を与えられている。しかし、極貧の国では、こうした義務教育の制度は十分に機能していない。学びたくても学べない環境となる。昨日も、インドの子どもが命がけで学校に行く特集があった。子どもには大きな夢がある。冬休みが明け。100kmも遠方にある学校の燎まで歩いて帰る。父親が同行するのだが、気温がマイナスを指す険しい自然の中、学びたいとの一心で必死に戦う。自然と自分自身との戦いだ。ハングリー精神という言葉があるが、自分の夢の実現と、それを支えてくれる両親への思い、厳しい環境だからこそ持ち得る心の強さなのかも知れない。

子どもには学ぶという意味を幼い頃から多く語り掛けていく必要があるだろう。まずは自分自身を変える。社会や他人を変えることは難しい。しかし、自分は自分で変えることが出来る。学習を積むというのはそういうことだ。しかし、現代社会は自分自身の可能性を摘んでいる場合があまりにも多過ぎる。過保護、過干渉、子どもは幼い頃から親の言うがまま、自立行動ができない。その親も、大人になりきれない大人が多い。子どもと同じレベルで社会に生きる。子ども達もそうした環境下で育つ。人生は楽しい方が良いとばかりに、「楽したい」「楽しみたい」「もっと自由に」が先行し、大切なものを忘れている。「働かざる者食うべからず」だ。

入塾者の中に、学習したがらない生徒もいる。親の手前塾には来るが、本人には学ぶという気持ちはない。そうした子どもの殆どが受験目的で中3前後で入塾を希望してくる。しかし、切羽詰まった時期の入塾で自分を変える子どもがいる。まずは、今まで知らなかった知識を得る。次に出来なかった問題が出来るようになる。理解し出来るようになるとその教科が好きになる。そして、学ぶ事が楽しくなる。私たちの指導も、こうした段階を追うことになる。だから、自分を変えることができた生徒を見るのが楽しい。時に指導の限界を感じることがある。そして悩む。この繰り返しだ。子ども達が自ら学ぶ姿勢をと願うが、途中入塾の生徒の、自立学習への道は遠い。受験も終わり、新年度も動き始めた時期、つかの間の休みも今日で終わる。

2014/5/6


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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