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学力を左右するもの

「あるテスト結果から」

以前より拡大傾向にある子ども達の学力差から、その差を埋めるためには何が問題か、改めて試行錯誤しています。昨日も述べましたが、低学年からの新たな英語教育の展開が子ども達にどのような影響を与えるか検証し直さなければなりません。また、現場で子ども達を見ていると、学力差はいつの時代にも存在することは経験的に把握できます。しかし、学力差だけでなく、子ども達の生活に対する意識変化も見逃すわけには生きません。物事に対する認識、考え方、対応の仕方、あらゆる場面の認識に、子ども達の抱える、問題の奥深さを感じます。

子ども達の現状を見て思うことがあります。教育は、その重要性に鑑み原理原則に立ち戻るべきだと。こどもの能力差は間違いなくあります。それは、月齢や環境、貧富の差もあるでしょう。アメリカで検証された人種別知能測定の結果に、実に興味深いものがあります。その結果は、白人にとってショッキングなものでした。「人種による知能の差は見られなかった。」と言うのです。知能を決める一番の原因は貧富の差であったというのが結論でした。また、人種差別も、こどもを育て上げた環境から生まれることもある心理学の検証で証明されました。これらを総合すると、間違いなく幼児期の環境にあることがわかります。

小学4年生で100問の計算問題を3分台でこなす子がいます。同じ問題を中学生が7分かかります。単純に倍の時間がかかっています。そして、この中学生のクラスで、94点・62点・38点という平均点のグループができます。漢字100問を抜き打ちで行った結果です。この差はどこから来るか、先の計算問題も、幼児期から積み重ねてきた生徒と入塾1年未満の生徒の差です。小学生と中学生であっても、これだけの差がついてしまいます。幼児期から通う生徒は、例え抜き打ちであっても漢字テストでは90点代の平均点を出してきます。ここで、考えて頂きたいのは、計算テストでは「処理時間」であり、漢字テストでは「語彙力」という点です。中学生で成績の上がらない子は、全てに時間がかかります。「では、1番の問題文を読んで下さい。」と指示してから読み始めるまでに、3~5秒かかります。授業中の行動を見ていると、無駄な行動が目立ちます。幼児期からの継続性と決定的な差は、やはり集中力です。こうして学力に問題のある子を細かく見ていくと、学習という中で何が大切かが解ってきます。

漢字テストを、学年を下げて実施してみると、小学2~3年生の漢字から読み書きに問題を抱えています。これは、教科書に書いている文章が理解出来ていないことを証明しています。語彙力の不足は、低学年からの漢字学習に原因があるのです。もっと積極的に漢字学習を行う必要があるでしょう。幼児期からの継続性は、既に、今月末に行われる定期テストの為の学習を開始しています。学習に対する緊張感や、将来の目標を持っている子の行動は速く、無駄がありません。漢字学習で鍛えた語彙力は、集中力と判断力に加え、理解力をも向上させています。小学1年生で2日に1字(熟語も含め)、2年生で1日1字(熟語を含め)を学習しなければ6年間で1006字の漢字に関する学習は終了しません。ここには、部首などの学習は入っていません。

6年間で習う学習は、小学1年生だからそんなに頑張らなくても大丈夫と考え放っておかれた子は、本来、この時期学ぶ学習を通じて得られる、語彙力・集中力・判断力・理解力・思考力を放っておかれた日数に比例して積み残していきます。後から回収もされず。能力差は、作られたものです。私は、幼児期に、能力がないと言われていた子を沢山見てきました。しかし、適切な指導を続けて来た子は、誰もが努力と同じかそれ以上の能力を身につけてきました。結果も残しています。病気に不治の病はあっても、学習にはありません。諦めたらそれで決まるだけです。いまやるべき事に気付くか、それは幼児期から始まっています。

2014/2/4


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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