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『手帖』と手“帳”(3)【『平岡手帖』クラウドファンディング 4月1~30日】

『平岡手帖』のクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/747748)が4月1日から始まりましたが、最終日の30日まで、毎日、【『手帖』と手“帳”】と題したコラムの連載(ごっこ)をしていきたいと思います。
前回投稿については、平岡の各種個人アカウント(Instagram/Facebook/X)やnote( https://note.com/nozomu_h )を、クラウドファンディング全体の詳細については下記、あるいは @hiraokatecho をご覧ください)

この“コラム”では、

①『手帖』について(特に、現在構想中の3月号を通して、いかに書いているのか)と、

②投稿日当日や前日のこと=私の実際の手“帳”(A5判のコクヨ製キャンパスダイアリー)に書き込まれた、『平岡手帖』4月号として綴られるはずの出来事

の二つを紹介していきたいと思います(特に4月号は、定期購読していただけた方へ初めてお届けする本になります)。

『手帖』を構想するには、まず手帳を開かないといけない…と昨日書いたけれど、その前に大事なことは先月号(今回なら2024年2月号)の終わりを確認することで、それをすっかり忘れていた。
というのも、この『手帖』は、現在、見本として『1月号』だけが文庫本の形になっているけれど、書き始めたのは昨年の11月からで、データだけなら『2023年10月号』『11月号』『12月号』そして『2024年2月号』があって、それらは全てゆるやかに繋がっている。

2月号の最後は2月20日のこと、白井美穂展と髙田安規子・政子さんの公開制作を見にいった府中市美術館で、ドリームケーキ、という響きだけに惹かれて食べたケーキのことで終わっていたから、そこに繋がるようにして始めたい。
ここで思い出されるのが3月17日のことで、齋藤春佳さんと松本玲子さんの二人展、そのイベントでリンゴのケーキを食べた(松本さんは、火の通ったリンゴが好きらしい。私は生のリンゴが好きだけれど、確かに火が入ると“人のためのもの”という雰囲気が高まる)。そこから、二人展初日の6日にもお邪魔したことは容易に思い出されるし、二人が展示開始前からやり取りしていた交換日記、その記録としての側面から、豊島康子展で見た、賞状の作品が連想される。
絶対にそんなことはないはずだけれど、小、中、高…と、各年代で授与されてきた賞状が、一面並べられた壁面を眺めていると、幼い豊島さんが、この作品のために人生を歩んできたように思えて怖い(そして奇遇にも、齋藤さんとここでもあって、私は人からよく怖がられる、あちこちに出没するから)。

…と、2月20日から3月17日→6日→9日…と繋いでいくのは比較的簡単だけれど、最後3日くらいになるとなかなか繋がらない。結局、3日→21日→2日というルートを見つけて、最後は、渡邉洵さんと、地主麻衣子さんのトークがあった(そしてその前に武蔵小金井へ、松尾勘太さんの絵を見に行った)日になった。

だからと言ってもう全てが分かっているわけではなく、最後の一文がどうなるのか、そもそもこの繋ぎ方で本当に書けるのか、『手帖』を書くのは6回目だけれど、いつも五里霧中だ、そこが(書いている私としては)面白いかもしれない。

今日は、大木裕之さんの個展と、村山悟郎さんの個展を見にテラダアートコンプレックスに行くつもりだが、その道中で、『手帖』を書き始めたいと思う、リンゴのケーキから。(続く)

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【クラウドファンディングはじまります!】

本日から『平岡手帖』定期購読者を募る
クラウドファンディングを開催いたします!

詳細は「平岡手帖」アカウントプロフィールに記載のURLからご確認ください
@hiraokatecho

○『平岡手帖』
○場所:CAMPFIRE(https://camp-fire.jp/projects/view/747748)
○クラウドファンディング期間:2024年4月1日〜4月30日(予定)
○目標金額:170万円(定期購読者300人)
○企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅

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『平岡手帖』について。

1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。

この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。

きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。

(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)


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