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#読書

千葉雅也『センスの哲学』読後メモ

千葉雅也『センスの哲学』読後メモ

昨日、千葉雅也『センスの哲学』を台湾‐福岡の機上で読み終わったので、ここにメモを残す。

現代の「作品」は、フィールドワークなどを通して個別のコンテクストを拾い上げることに重きが置かれるし、作品の土台にある権力勾配について無自覚であってはいけない…というような昨今の「常識」に対して、旧来のマウント的な〈ツッパリ・フォーマリズム〉(しかしこのネーミングには単なる批判ではなくユーモアと敬意を感じる)で

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2023年の為末のおすすめ本

2023年の為末のおすすめ本

そろそろみなさん仕事納めですかね。

年末年始のおともに、今年私が読んで面白かった本をいくつか載せていきます。今年発売の本というわけではないです。

1、半導体戦争
半導体の歴史が書かれた本です。米国で始まり、製造拠点が日本に移り、いつの間にか力をつけた日本と激しく激突し(日本側の視点では押さえ込まれ)、その後拠点がアジアに移り、そして台湾にTSMCが誕生し、米中対立に入っていく。 素人が半導体

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文章が好きなら、きっと好きーnoteで出会い『LEE』で紹介された話

文章が好きなら、きっと好きーnoteで出会い『LEE』で紹介された話

noteは、3年前に始めた。最初の一年は「マレーシア在住のヨガの先生」というだけで、顔も出してなかった。

続けていくうちに、互いに記事を読みあう人たちができた。井上さんもその一人だ。すっきりした無駄のない文章を書く人で、たぶん、私からフォローしたのだと思う。

ただ、noteはほとんどがハンドル名だ。顔も名前もどこに住んでるかも知らない人たちとのやり取りで、やめてしまったらそれっきりだし、ここか

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世界に、そのままで存在していいって、知らなかった

世界に、そのままで存在していいって、知らなかった

橘川幸夫さんに対して、どう振る舞っていいかずっと分からなかった。「ジミー」を出版しようと膝を乗り出して言ってくれた私の恩人だけど。

50年もメディア業界にいて、裏も表も知っている人。

「俺はカリスマにならないように逃げてるんだ」と、表舞台に立つのを避けてるけど、岡崎京子さんや田口ランディさんがデビューするきっかけを作った人だし、彼から少しでも学びたいという人も多く、人間性を慕う人も大勢いる。

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いい文章を書くために文章術の本を後回しにする私のおすすめ10冊

いい文章を書くために文章術の本を後回しにする私のおすすめ10冊

何度かブログでも書いたけれど、私は文教術の本をほとんど読まない。

正確に言うとライター1年目くらいから読まなくなった。

読まなくなったのは自分の文章に自信が持てるようになったから...というわけではなく、むしろ逆で、どうしてもうまくなりたいから読まなくなったというのが正しい。

文章術の本がためにならないと思っているわけではない。単純に、もっと読むべき本があると思っているのだ。

というのも、

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