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「Pokémon LEGENDS アルセウス」をコンプリートした


「Pokémon LEGENDS アルセウス」購入から約三週間…。
総プレイ時間60時間にして、遂に全ポケモンの捕獲に成功した。
退屈な余暇から濃密な冒険へと誘ってくれた製作スタッフ一同に、まずは感謝申し上げたい。


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プレイ直後の所感については、過去に以下の記事に述べさせて貰いました。
今回の記事はその補足。どうか併せてお読み頂けると幸いです。




●探索要素について



ポケモン本編では味わえない戦闘不要の捕獲システム。
こちらに関しては過去記事で述べた通り、クリア後に至るまで非常に楽しませてもらった。
レアアイテム・レアポケモンが多数出現する“次元の歪み”巡り。逃げやすい“ベイビィ”、そして強力な“オヤブン”ポケモンを相手にした奮闘…。どれも記憶を消してもう一度味わいたい楽しさがあった。




さて、本作のゲーム性を再度振り返ってみる。
個人的に感じる「アルセウス」の魅力のキモは、“オープンワールド風のマップを駆け巡り、試行錯誤しながら強いポケモンを仲間に引き入れることの楽しさ”
俺が遊んだゲームの中でこのプレイ感覚に一番近いのは「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」シリーズだったように思う。




例えば「ジョーカー」第一作をプレイした方々は、最初のマップに歩いているギガンテス(圧倒的に強くレアなキャラクター。どれだけ戦力差があっても、システム上最低0.1%は戦闘に勝たずとも捕獲できる可能性がある)をどうにかスカウトしようと試行錯誤したことだろう。
俺はこうした行為にハマっていたため、同様の楽しさを備えた「アルセウス」がツボに入るのも必然だったのかもしれない。




また、本項では過去記事の追記として、ミカルゲ捕獲の為の“ともしび集め”に関する不満についても一言触れておきたい。
「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」における“コログの実集め”、「ドラゴンクエスト」シリーズにおける“小さなメダル集め”に相当するこの要素…。
これはあくまでもレアアイテムとの交換程度に留めておき、ポケモン図鑑完成=アルセウス捕獲の為の必須事項にする必要は無かったというのが俺の私見である。
ゲームの本筋から離れた収集要素を強制されると、えも言われぬ作業感とストレスが生まれてしまう…と常々感じている。



●戦闘について




こちらも基本的には過去記事で述べた通り。
“紙耐久ポケモンの不遇さ”は、結局のところ序盤から終盤に至るまで変わらなかった。
野生ポケモン・トレーナーとのバトル共に、本作は耐久力が強いポケモンの優位性が非常に強い。せっかく新たな姿を得ることができた御三家(特にバクフーン)を活かせる場が無くて切なかった。本作は従来のポケモンシリーズとはダメージ計算式が異なるという情報があったが、その影響とも思われる。




またクリア後に感じたことの追記としては“アルセウスの使い道問題”だろうか。
本作のやり込み要素“全ポケモン捕獲”の末に出現する伝説の存在:アルセウス。
過去には映画の入場者特典として配布された、強力かつ非常に人気の高いポケモン。
俺は劇場特典を貰ったことがないので、アルセウスを手に入れたのは今作が初めてだった。




そんな念願のアルセウス…。せっかく捕獲したにも関わらず、そこまでやり込む頃には活躍の場が無いのである。
RPGにつきものの“最強の武器を手に入れても使う相手がいない問題”の一種とでも言おうか…。
今後発表されるかは不明であるが、DLCにおいて“バトルタワー”的な連戦・ボスラッシュ要素が実装され、アルセウスが大暴れするさまを見られれば嬉しい。



●ストーリー・キャラクター等について




ストーリーを振り返ってみると、本筋は割と薄味で“可も無く不可も無く”といった表現が正しい。
過去へのタイムスリップ(或いは俺達プレイヤーの“異世界転生”とも解釈できる)、現地の人々との交流、世界に起こる異変の解決…。まさしくオーソドックスなRPGの型にハマっている流れ、と言っても良いだろう。不満は特に無い。
強いて言えば、機械翻訳的でぎこちないセリフが要所要所でみられた気もする…。シナリオライターの癖か、或いは英語で書かれたシナリオを日本語訳したのだろうか?




演出面については過去作以上に気合が入っており、特に怪獣映画的なディアルガ・パルキア戦、ウォロのギラティナ召喚シーン等は圧巻の迫力があった。
3D化で描写されたキャラクターが動くことが当然となった昨今のRPG。本作のイベントシーンは、そういった他の大作RPG群にも決して劣らないクオリティを維持できていたと思われる。


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一番印象的な場面。バッチリ決まった構図と大文字演出が醸し出す格好良さのお陰で、ウォロの個性的なヘアスタイルも、“使用ポケモンは六体まで”という不文律を堂々と破って七体目を繰り出すインチキおじさんっぷりも気にならない。



人間キャラクターの魅力についても忘れずに触れておきたい。
本作には非常に魅力的で、人間臭く、個性的な人物が多数登場する。
身の丈以上の地位に付いてしまい、プレッシャーとコンプレックスに苛まれるカイ。
抱えた過去ゆえに、主人公とポケモンに牙を剥くデンボクとムベ。
“善悪を見た目で判断してはならない”ことを身を以て示したシマボシとウォロ。
上記以外にも、何らかの形で印象に残った人物は数多い。


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個人的に一番好きなキャラクター。隠す場所を変えるだけで全く違う印象!ナイスデザイン!
この老人を初見で“ミツルくんのご先祖(?)”と見抜けた方は居ないだろう。



欲を言えば、そんな人間キャラクター達のエピソードをもっと見たかった。
“ポケモンシリーズの通例”と言われればそれまでだが、本作はサブクエストで関わりがない限りはお役御免になってしまうキャラクターも多い。Web上で特に人気が高いヒロイン:ショウ先輩などもその例に漏れないはずだ。
そんなキャラクター達を掘り下げて交流を深めるような依頼が沢山あれば、キャラクターも彼らが生きる世界も、更なる輝きを放ったことだろう。


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モブキャラクターが織り成す諸々のサブクエストも面白かった。ポケモンが苦手なお婆さんと風鈴型ポケモン:チリーンの交流を描いた「お気に召します軒下は?」が特にお気に入り。一喜一憂するチリーンが可愛い。




●次回作への期待



本作の売れ行きは大変好調、そして評判も概ね上々のようだ。
ともなれば無論、次回作への期待も膨らむ。




第四世代「ダイヤモンド・パール」の舞台:シンオウ地方の過去を掘り下げた本作「アルセウス」。
ともなれば、次回作は第五世代「ブラック・ホワイト」の舞台:イッシュ地方の過去を掘り下げた作品になるはずだ。
…といった期待を、俺に限らず多くのファンの方々は抱いているのではないか。




「ブラック・ホワイト」作中で登場した不思議な遺跡や古代王朝の存在は掘り下げ甲斐がある。それにアメリカを舞台にしたイッシュ地方の過去を描くならば、“西部開拓時代”を意識したビジュアルイメージも連想できる。




さて、不満めいたことも書いてしまったが、基本的に俺は本作に大満足している。
だからこそ、次回作がさらなる傑作になることを願うばかりである。
更に景観のバリエーションが豊かになったオープンフィールド。更に洗練された戦闘バランス。更に活き活きとしたポケモン・人間の生活感。
…ついつい“更に”を求めてしまうのは、欲張りな俺の悪い癖だ。




※文中の画像はプレイ中に撮影したスクリーンショットです。




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