2023年に遊んだゲームを振り返る 前編(8作品)
TVゲーム──特にRPGは、俺の人生を彩ってくれる大切な娯楽の一種だ。少々遅まきながら、昨年遊んだそれらを振り返って総括していきたい。
◯「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン」(Switch)
PSPにて発売された「FF7」スピンオフ作品のリマスター版。
鈍重だった攻撃モーションの変更・「D・M・W」演出の簡易化等によって操作性が抜群に良くなり、オリジナル版と比べて非常に遊びやすくなっていた。画質もPS4版「FF7 リメイク」準拠の綺麗さとなっており、リマスター版としては理想的な出来だった。
一方、サブミッションをこなしすぎると本編が楽勝になる大味なゲームバランス、元祖「FF7」ファンとしては蛇足に感じざるを得ない後付け設定、1週15時間ほどで終わる少々ボリューム不足の本編ストーリー等、原作通りで変わっていない不満点もある。あくまでも本作はリメイク作品ではなくリマスター版という位置付けなので、この辺りは大目に見るべきだろうか?
◯「ファイアーエムブレム エンゲージ」(Switch)
長年待ち望んでいた「FE」シリーズ待望の新作。内容・感想については以前述べた通りなので、上の過去記事を参照されたい。
一部のキャラクターの個性付けや世界設定の薄さ等に気になる点はあれども、SRPG部分の練り込み具合=ゲーム性の高さ(豊富な育成要素・適度に頭を使う必要がある戦略性に富んだマップ)には非常に満足した。任意発動可能、かつリスク無しの必殺技……という無茶な新要素を追加したにも関わらず、ゲームバランスが破綻していないことには恐れ入る。さぞかし多くのテストプレイを行ったのだろう。DLCシナリオ「邪竜の章」も程々に手強く、かつ必殺技によるゴリ押しも可能な良いバランスだった。5時間程度で終わったため、もう少しボリュームが欲しかったが……。
なお、「FE」シリーズはキャラクターを愛でるゲームでもある。本作において俺はダントツでヴェイルちゃん(CV:上田麗奈氏)が好みである。人物設定・ゲーム的な戦力・声……全てにおいて隙がない。彼女で一つの記事が書けてしまいそうな程だ。ソシャゲ「FEヒーローズ」の次回総選挙では全力で支持し投票することを心に誓った。
◯「メダロット・ナビ カブト」(Switch)
小学生時代に4〜5週は遊んだGBAの名作SRPGを「メダロット クラシックスコレクション」にて十数年ぶりにプレイ。戦力が整わない序盤のバランスが少々悪くチュートリアルでゲームオーバーになった程だったが、最大の難所(水族館ステージ。クワガタver.なら楽勝なのに……)を通り越した後はかつての通り楽しく遊べた。
かつて『コミックボンボン』で連載されていたコミカライズ版(メカ・キャラデザイン担当の藤岡建機氏自らが手掛けている。単行本を買わなかったことを後悔している)も名作なので、是非とも再販されてほしいところだ。昨年、同作者の過去作『メダロッターりんたろう!』『メダロットR』が電子書籍化されたので、期待しても良いのだろうか?
◯「メダロット9 カブト」(3DS)
3年ほど前に購入してから積みっ放しだった「メダロット」ナンバリングタイトル現状最新作。「navi」によりメダロット熱が再燃したので、改めてプレイしエンディングを見届けた。ついでにパーツ収集の為に別ver.「クワガタ」も購入した。
過去シリーズの仕様から大幅刷新された「メダロット8」の流れをくむ優れた戦闘システム、記号的に陥らず個性と魅力に溢れたメダロッター達、そして3Dで表現された動く豊富な数の機体……。小学生時代メダロット中毒者だった俺が遊んだら、興奮して鼻血を出したこと間違いなしの一本だった。納期or予算不足による(と思われる)終盤の尻すぼみ・唐突感は否めないものの、「人と機械の寿命の差」を痛感させられる切ないエンディングの後味は良い。その後強制的に「強くてニューゲーム」が始まってしまうが、出来ればクリア後の世界を探索させて欲しかった。
磨けばもっと光ったはずの一本なので、他機種で完全版が出るならフルプライスでも購入させて貰う。メダロットシリーズは現在ソシャゲ「メダロットS」を主戦場としているが、それ以外の展開も期待したい。
◯「ゼノブレイド3」DLC「新たなる未来」(Switch)
「ゼノブレイド」シリーズを総括するかのような内容の、本編と異なるセーブデータを用いる大型DLC(事実上の新作と言っても差し支えない)。
前作「ゼノブレイド2」の大型DLC「黄金の国イーラ」が名作だったため期待していたが、本作の期待以上の内容だった。要素過多で煩雑だった本編をシンプルにした戦闘・育成システムは面白い上に遊びやすく、過去作主人公キャラと新キャラの活躍の塩梅も丁度良かった。本編のストーリーに感じていた不完全燃焼感も、本DLCの結末をもってようやく和らいだように思える。クリアまで20〜25時間、というボリュームにも満足した。本DLCを単体作品として考えた場合、「ゼノブレイド3」本編よりも高い完成度を誇っていたのではないだろうか。
さて、ゼノシリーズの今後の展開を予感させる意味深なラストを、プレイしたシリーズファンの皆様はどのように解釈したのだろうか。そして、新作は「ゼノブレイド4」となるのか、それとも「ゼノ」の名を冠する完全新シリーズが始まるのか?その前に「ゼノギアス」HDリマスター版が欲しいところだが……。
◯「サイバーパンク2077」(PS5)
人生初のPS5ソフトとなったオープンワールド型ARPG。射撃がとても苦手なので「脳筋刀ビルド」キャラでプレイ。また、エンディングは「太陽」を選択。つい最近DLCの実装・ステータスや成長に関する仕様変更等の大規模アップデートがあったようなので、いずれ改めて遊ぶことにしたい。
密度が濃いオープンワールドの街を探索することも勿論楽しかったが、プレイヤーに擬似的な「ストックホルム症候群」を体験させ、様々な選択を迫るシナリオにも魅了された。俺は『ヒカルの碁』の影響で「自分にしか見えない相棒キャラ」に弱いため、本作のジョニー・シルヴァーハンド(過去に重罪を犯した故人。演:キアヌ・リーヴス)にも友好的に接することができた。
今石洋之監督(「天元突破グレンラガン」「プロメア」等)が手掛けたスピンオフアニメ「サイバーパンク:エッジランナーズ」をクリア後に鑑賞したが、ゲーム本編と全く異なる作風=ボーイミーツガールなれども誠に素晴らしい内容だった。
プレイ中印象的だったハッキング・メッセージのUI表示・着信音等のSEといった要素を作中で上手く活かしていたため、本編と異なる絵柄ながらも「これはゲームの裏で実際に起きた出来事なのだ」と強く納得し、没入感を得ることができた。鑑賞から間も無く一年が経つが、結末の余韻を未だに引きずっている。
◯「ステラグロウ」(3DS)
「ニンテンドー3DS」オンラインストアの閉店セール(確か800円程)で購入した「タクティクスオウガ」型のSRPG。隠れた名作SRPGとの評判を聞いて購入したが、確かに世評も納得の面白さだった。
ゲーム自体はオーソドックスなクォータービューSRPGだが、メインヒロイン5名のうち1名を行動不能にする代わりに「強力なバフ・デバフをバラ撒く固定砲台」化する要素:歌魔法(実際に声優陣が歌う楽曲が流れる)に、戦略性と独自性を感じた。装備や属性相性を考えないと少々厳しめのバランスも秀逸だ。戦闘のテンポの悪さ(同一ジャンルのゲームでは「FFタクティクスA2」と同程度)や事実上のレベルキャップ制(自分よりレベルが低い敵から経験値を得ることが困難)は少々勿体無い。
のっけから主人公と添い寝するヒロイン、朴念仁とした主人公、ダンボールを頭に被った恥ずかしがり屋のくノ一(そのくせ首から下の露出度は高い)等、絵柄同様にライトなタッチで進む物語には当初抵抗を抱いており、ほぼ「読み飛ばし」でもいいか……とさえ考えていた。ところが、中盤にとある真相が明かされてからの展開は王道的で熱く、その件でキャラクター達に愛着が深まったことも重なり素直に楽しむことができた。このハマり方の経緯は先述の「FE エンゲージ」に近しいかもしれない。
事前に攻略情報を調べながらプレイしたものの、うっかりトゥルーエンドの条件を逃してしまい、少々ビターな結末となってしまったことが悔やまれる。
◯「7 Days to End with You」
こちらのレビューをきっかけにプレイした、「未知の言語をプレイヤー自らが翻訳し、世界観と会話内容を読み解いていく」……という秀逸なアイデアから成り立つノベルゲーム。何を言ってもネタバレになるので言葉選びが難しいが、非常に思い出深い体験ができた作品だった。上に引用したレビューに題されているのと同じく、俺も感情を揺さ振られた。
本作は1周1時間足らずで終わるため、是非とも知人を巻き込み「どうだった?どうなった?」等と討論しながら遊ぶことを推奨したい。それぞれの翻訳次第で体験した物語がまるっきり異なり、会話が噛み合わない……という面白い体験ができるはず。
ちなみに、俺は攻略サイト(トゥルーEDを見るためのネタバレ)を頼る4週目まで「主人公の◯◯」を「◯◯◯」と訳した影響で、多くの重要な会話の意味を取り違えていた。これも一つの貴重な「俺だけのゲーム体験」だろう。
◯後編へ続く……
上記に挙げたソフトは、2023年にプレイしたゲームの半数ほど(5月以前に遊んだもの)に過ぎない。後日投稿する予定の「後編」では残りのソフトを挙げ、特に「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」「ファイナルファンタジー16」「ドラゴンクエストモンスターズ3」等、思い入れの強かった作品を中心に語っていきたい。特に後者の2作品には良くも悪くも語りたい点が多いので、慎重に言葉を選びながら感想を認めるつもりでいる。
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