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YESのパワー

鬱から浮かび上がって描いた絵を、

Fb(←障害のことはクローズ)に載せたら、夫は


「唐突な感じ。軽躁なんじゃないの?気をつけてね」


って一言、いいねしてくれなかった。


一番ほめてもらいたかった人に、NOと言われた。
些細なことに、いじけている。



夫もデザイナーで、創作については独自の審美眼を大切にしているが、
今回は絵がどうというより、載せ方が気に障ったらしい。

そうやって、夫が手綱を握ってくれているから、
躁の予兆に気づけることがあるのも然り。

責められないとは分かりつつ、
抗議のLINEを送ってしまった。
子どもか。

NOって言われることが、怖い私。
「これ、作ったんだけど、どうかな?」
って人に見せる時点で、すでにYESを欲している。

ヨーコのYESに忽ち恋に落ちたジョンじゃないけど、
創作を仕事にしていると、
YESよりNOを受け取ることの方が多くて、

YES欠乏症みたいになって来る。

かくいう私も、かつて多分、軽躁状態で、
年下の友人の映像作品について否定的なコメントをし、
傷つけたことがある。
「じゃあ、〇〇君は、褒められるために作ってるの?」

彼は答えず、乱暴に席を立った。
なんて酷いことを言ったのだろう。

彼の背中を見送って、気づいた。

褒められるために、作ってる。

当たり前じゃないか。

きっと世の全てのアーティストは、そうだ。
YESが嬉しくて、作ってる。

ちょっと脱線するが、
アトピーが悪化して、大鬱に陥って、
一年近くドクターショッピングを重ねていた時も、
治るきっかけは、YESって言ってくれるお医者様に出会えたことだ。

全身赤い引っ掻き傷だらけになった私を心配して、
いろんな友人が名医を紹介してくれて、
ありとあらゆる皮膚科をはしごしたら、
行く先々で、たくさんのNOを浴びせられた。
「〇〇は食べちゃNO」
「〇〇の薬はNO」

「お酒はNO」
「小麦粉はNO」
特に食べ物について、NOばかりもらって、
大好きだったいろんな食べ物を我慢していたら、
あっという間に痩せ細ったけど、いっこうに肌は良くならなかった。


おまけに鬱も酷くなる一方で、
フリーランスの仕事を何度も断り、
週二回の専門学校の講師業も行けなくなっていった。
実家に帰って二ヶ月間、療養した。

そんな折、自分でネット検索してある皮膚科に辿り着いた。
「何食べてもいいんだよ。
 好きなもの食べて、好きなことしなさい」

初診で笑顔で言われて、ハッとした。
YESをくれた先生は初めてだった。

一年以上、私をどん底にまで陥れたアトピーと鬱は、
先生との出会いを境に、潮が引くような回復力で、みるみる良くなった。
体と心は一対だ。

YES

シンプルだけれど、魔法の言葉。

YESには、人を救ったり、運命を変えたりする力がある。

いろんな失敗を経て、
私はYESのパワーを知った。

YESは応援、
YESは許し、
YESは味方だよっていうメッセージ。

今までいろんなYESに救われたから、
今度は私が、あなたにYESを届けたい。



——



【後日談】
その日は夫はファスティングの最中で、
空腹と仕事のストレスでイライラしていたそう。
いいねくらい忘れるよなあ。

人には人の事情がある。
憶測しない。

考え込まず、いいや〜ってスルーするのも、時には必要。


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