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いつか宝石になる日まで

恋愛のパートナーがいる方にお尋ねなのだけど、
記念日など、特別なお祝いをする日があるだろうか?

* * *

我がノビ家はお祝いをしない。クリスマスとかそういう自分たちにまったく縁がないものは言わずもがなだし、恋愛における記念日も祝う習慣がないのだ。

告白→お付き合いの成立は夜中だったため、日をまたぐ前か、それとも後を記念日にするかがなんとなくあいまいで、結局何日とするかがいまだにハッキリしていない。

結婚することも状況がそうさせた感じで、何の思い入れもない日が結婚記念日となっている。ちょうど天赦日と一粒万倍日が重なる日が都合の良い日だったのでその日にしたが、仏滅であったため婚姻届を提出する際、窓口の方に「本当に今日ですか?」と、おそるおそる確認された。驚かせてごめんね。

結婚式も披露宴も行っていないし、フォトウェディングさえ機会がなかった。ノビ夫がそういう一連に興味がないのももちろんあるが、私も
「大きな金額は特別なことに遣うのではなく、日常を少し裕福に過ごす分に充てたい」という想いが大きい。そんな二人の方向性が一致して、始まった時から一貫してお祝いする文化がないまま。

* * *


時折、夫婦で取材を受けることがある。
「結婚式などの写真があればいただきたいです」に毎回「ありません」と答えることになる。私自身が写真嫌いなのでそれでいいと思っていたが、ふと
「このまま一生、二人の姿を見返せないのはさびしい」
と感じる機会が訪れた。
甥っ子の写真を、家族で見返していた時のこと。
「こんな時があったね!記憶はいつの間にか消えてしまうけど、写真を見たらその時のことをすぐ思い出せる。幸せな時間を何度でも思い返せるから、撮ってもらって本当によかった」
ふと妹が漏らした言葉が染み入ったのである。

* * *

「毎年、結婚記念日だけは二人で写真を撮らない?」
と提案すると、
「いいよ」
と即答してくれたため、今年の結婚記念日から写真を残すことになった。
服も場所も全然記念日っぽくないけど、私たちらしくて良いと思う。


紙は卒業したけど、まだ藁。二人で築く日々は、まだまだ、やわやわだ。
わかり合えないこともたくさんあるし、馴染めないこともきっとお互い多い。でも、だんだんと絆がかたくなってゆくのと同時に二人の線は柔らかく馴染み、いつか溶け合うのかもしれない。もしそうなら今は無理に合わせず、気長に不純物を取り去ったり、傷を修復したりすることに力を入れよう。


いつか、宝石になる日を心待ちにして。

お読みいただきありがとうございました!
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