見出し画像

初めて一緒に過ごした夜に梱包された話

一番最初に書いたnoteの記事の中に
「初デートは車中泊旅です」
というパワーワードが登場する。
実は、更なる隠し球があったり。

1.「初ベッドは梱包されました」

濃い!言葉の濃度が濃すぎる。こんなワードを聞いたら
“こ、この夫妻は一体どんな夜を過ごしたのか…?”
とお思いのことと思う。あの夜のことを聞いてほしい。
ちなみに、お下なネタはないのでご安心ください。

2.「ないものは作ればいいじゃない」

ノビ夫とノビ妻は共に田舎生まれ。
街にコンビニができたのも、ネットショッピングができるようになったのも
物心がつきまくったあと。
そんな風なので、欲しいものがあってもそれが簡単に手に入る環境ではなかった。
ノビ妻は父の出張にくっついて都会に行き、欲しいものを調達していた。
出張がない時はあきらめていた。潔さ、ここに極まれり。
一方のノビ夫は、どうしていたか。
なんと、ないものは創意工夫して自分なりに作っていたという。
幼少期の過ごし方のクセって、大人になっても多少は残るものだと思う。
ノビ夫の

「ないものは作ればいいじゃない」

というマインドは、大人になっても全然おとろえていなかった。
それは初デートでも、遺憾なく発揮されることとなる。

3.あいつと出会ってしまった

初デートが車中泊旅になった理由は、
朝から晩まで、一日中きれいなものを写真に撮ろう!という提案から始まっている。その提案があったのは10月の初旬。

「今からの季節なら紅葉が綺麗だね。」
「昇る朝日に照らされた紅葉はきっと綺麗だろうね!」
「いち早く紅葉するのは東北だね。」
「東北!いいね、行ってみたいし行こう!」

こんな感じでトントンと話が進み、10月末の東北行きが決まった。
地域名に”北”とつくくらいだし、きっと寒いにちがいない。
その時期の車中泊で心配なのは、寒さ。
当時、私たちは関東と関西にはなれて住んでおり、集合は現地の空港となる。
そのため、ノビ夫がせっせと集めていた防寒グッズの持参はむずかしかった。
寝袋もその一つだった。

* * *

現地で寝袋を買ったとしても、旅のおわりに持って帰ることができない。
布団のレンタルサービスとか聞いたことないし、さてどうしたものか…
ここでノビ夫の「ないなら作ればいいじゃない」が炸裂した。
あたたかい素材で簡易の布団がつくれないかを考え出したのだ。
試行錯誤をくり返し、ついにノビ夫はそれに出会った。

緩 衝 材 である。

こどものころ、クッキーの缶などに入っているプチプチをつぶし、
その感触を楽しんだ経験のある方は多いはず。
今でもネットショッピングなどで物を買うとつつまれて届くので、
目にする機会も多いはず。
あのプチプチ、つつみ込まれるとあたたかいって知っていましたか?

「そうなんすよ、あれあったかいすよね!」

などと共感できる方がいたら、ぜひお目にかかりたい。
大体の人はそんなものに抱かれる機会などないはずだ。

4.包まれる夜

緩衝材につつまれるとあたたかいと知ったノビ夫は、
それでベッドをつくる計画を立てる。
なんとなくの設計図を頭に描き、いざ東北へ。
旅という非日常のはじまりに、日常感あふれるホームセンターコメリによって、注文しておいたプチプチをロールで受けとる。
そんな大きなプチプチのかたまりをみたことがなく、ノビ妻大爆笑。
フォトジェニックな場所をめぐってるのに、後部座席に巨大プチプチロールが鎮座してらっしゃる。
これもまた非日常な、シュールな光景だった。

そして、時は来た。

だだっ広いコンビニの駐車場。
ノビ夫と私は、少し距離を置いて向かいあった。
しばし見つめあったあと、そっと互いに近づく。
一歩、一歩。
広げた両手には、プチプチ。
ノビ夫が考えた作戦はこう。

①プチプチをたくさん折って重ね、テープでとめ、マットレスと布団と掛け布団をつくる。
②後部座席をフルフラットにして、そこにプチプチ寝具をセット。
③その隙間にはさまって眠る。

ノビ夫が先にもぐりこむ。
うん、頭だけのこしてきれいに梱包されている。

「あたたかい気がする!」

どれどれ、私ももぐってみよう。

「うん、あたたかい気がする!」

こうして、
“初めてのお泊まりで梱包される”
という、文字通りの状況ができあがった。
こんな初お泊まりシチュエーションは、世界中さがしても私たち夫妻だけだろう。ちなみに寝心地だけど、想像以上に寝やすかったことをお伝えしておきたい。
この時の東北がそこまで寒くなかったのも幸運だった。
あたたかさを重視した当初の目的もちゃんと果たされていた。
もしご自宅にプチプチがあまって困っておられたら、それでお布団をつくって出かけてみるのもオススメ!(でも、季節の対策はやりすぎくらいしてね)
非日常は訪れるのを待たなくても、自分でつくれる。

お読みいただきありがとうございました!
Youtube : shinya inamoto / novi
instagram : inamoto0701
Twitter : inamoto0701
Homepage : novi
お気軽にフォローしてください〇

↓ ↓   一つ前の記事はこちら ↓ ↓

↓ ↓    自己紹介はこちらです ↓ ↓


この記事が参加している募集

熟成下書き

◎ノビ夫がみんなの日々を楽しくする方法をたくさん考えているので、その開発費に充てさせていただきます◎